【マラソントレーニング理論】イージーラン(Eペース)の効果・適正ペース・距離

【オススメ対象者】

1.マラソンが速くなりたい人

2.トレーニングの理論が知りたい人

3.長距離のコーチを目指している人

マラソンやランニングのトレーニングでよく耳にする「イージーラン」。

名前からすると、「楽なジョグ」というイメージがありますが、実は走力向上に欠かせない重要なトレーニングです。にもかかわらず、「どれくらいのペースで走ればいいの?」「距離は短くても効果ある?」「ゆっくり走る意味ってあるの?」と疑問を感じているランナーは少なくありません。

イージーランをなんとなくの感覚で行ってしまうと、疲労が抜けない・効果が出ない・ケガにつながるといった落とし穴にもはまりがちです。逆に目的や理論を理解して行えば、スタミナ増加によるパフォーマンス向上が期待できます。

本記事の内容

1.イージーランで得られる効果

2.イージーランの適正ペース

3.イージーランの適正距離の目安

初心者にもわかりやすく解説していきます。「速くなるために、あえてゆっくり走る理由」を理解したい方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい!

結論

1.イージーランをすることでケガの予防・エネルギーを作る効率向上(毛細血管・ミトコンドリア増加)

2.イージーランのペースは会話が出来るペース

3.マラソン練習の8割はイージーランにする

イージーラン(イージーランニング・Eペース)とは、ランニング専門用語であり、Eの文字は(Easy:簡単)の省略です。

イージーランは全てのランニングの基礎となるものであり数週間・数カ月の休養からランニングに復帰した時目標走行距離に到達するために必要な距離を稼ぐレースに備えて練習を抑えたい時などで行うことが多いと言われています。

長距離のパフォーマンスと最も相関が強いのが走行距離(トレーニング量)、次にイージーランであると言われています。イージーランは長距離パフォーマンスに重要なトレーニングであるというわけです!

 特に初心者ランナーや怪我から復帰したランナーに大きな恩恵があり、イージーランだけでもある程度走れるようになります中〜上級者ランナーにおいてもイージーランが少ない(大半がスビード練習の)ランナーは、記録が安定せずピークが短いと言われているようです。

まずは、イージーランでスピード練習が行える身体を作り、継続してスビード練習を取り入れることで安定して記録が向上します。

【イージーランの主な効果】

1.ケガに対する耐性をつくる

2.心筋を強化する

3.血液の酸素運搬能を改善する

4.ミトコンドリアの増加

ケガに対する耐性をつくる

速いペースのランニングは腰・膝・足首の負担を増やし故障のリスクが高まります。しかし、練習の大部分をイージーランのような楽なものにすることによって、ケガに対する耐性を作り、ケガの予防に繋がるとされています。

心筋を強化する

心臓の収縮する力は最大心拍数の60%程度で最大に達するため、きついペースで短い時間よりも楽なペースで走る時間を伸ばすことで心臓の強化が出来ます。

血液の酸素運搬能力を改善する

筋肉で毛細血管を新しく生成し、血液が筋肉に行きわたりやすくなります。イージーランで長い時間走ることで、血液の酸素運搬能力は向上し、より多くの血液を全身の筋肉に送ることができるようになります。

車を酸素とすると、イージーランは道路のバイパスが増えるようなもの。経路が増えることでより多くの車が速く目的地にたどり着くことができます。

ミトコンドリアの増加

イージーランのような低強度の有酸素運動を継続することで筋肉細胞内のミトコンドリアを増加させることが分かっています。ミトコンドリアは酸素と脂肪を利用しエネルギーを生成する細胞であり、ミトコンドリアが増えることで酸素を利用したエネルギー生成の効率が上がります。

走(かける)
走(かける)

ミトコンドリアが増えると筋肉にたどり着いた、より多くの酸素をエネルギーに変換することが出来ます。酸素をエネルギーに変換することで疲労物質の生成を抑えたり、糖質エネルギーを温存することができます。

イージーランは高強度のトレーニング後のリカバリーランとして、身体の回復を促進させる効果も期待できます。

イージーランの運動強度はVO2maxの59~74%最大心拍数の65~79%とされています。

最大心拍数が190である場合、心拍数が124~150の間で走るペースがイージーランのペースです。また、イージーランの自覚する強度としては、会話は普通に可能なレベルです。自身の最大心拍数を把握し、適宜心拍数を把握しながら走ることでイージーランの強度でトレーニングが出来ます。

最大心拍数の測定方法

ランナーが最大心拍数を測定する場合、2分間のハードな坂道走を何度か繰り返すことで測定出来ると言われています。ハードな坂道走を2回目より3回目の方が心拍数が高い場合、4回目を行い測定、測定したところで数値が変わらなくなるところまで繰り返していき、最大の数値を最大心拍数としてみなします。

心拍数は走るペースだけでなく、疲労や睡眠不足・ストレスなどによる身体の調子走る道路の整備や勾配気温などによって左右されます。そのため、走るペースは変わらないけど、心拍数が上がりやすいという時はペースを落とすことを推奨します。

走(かける)
走(かける)

初心者ランナーは1キロを8分で走るペースがイージーランの目安と言われています。

初心者ランナーさんは1キロ8分ペースから走ってみることをオススメします。

自身の走るペースを具体的な数値として示してくれるアプリとして「VDOT Calculator」というものがあります。VDOTは自己ベストのタイムを打ち込むことで自身の走るペースとトレーニング強度を示してくれる優秀なアプリです。

※Mi=マイルであり、日本人ならkmを参照して下さい。

自己ベストは10キロ走としていますが、フルマラソン・ハーフマラソン・15キロ・10キロ・1500mなど数多くの中から選択し、記録を打ち込むことで適切なペースを示してくれます。しかし、Vdot Calculatorで自己ベストを入力する際は、ハーフマラソンのタイムを使用することを推奨されているようです。

しかし、あくまでも自身の能力に対する目安であり、その日のコンディションや気温・走る道などによって左右されますので、イージーランは楽に走ることが出来ることを意識して走ることがポイントです。

【マラソン大会で成績を残したい人へ】走るペースとトレーング効果について

イージーランで走る距離は、全体の走行距離の80%が望ましいとされており、トレーニングの大部分を占めます。つまり、一カ月で200km走る人の場合は160kmをイージーランで走ることが望ましいということです。

また、イージーランの1日の上限は、1週間の走行距離の25%〜30%が推奨されています。1週間で50km走る人の場合は12.5~15kmが上限の目安となります。

走(かける)
走(かける)

イージーランは楽に走ることが出来るペースですが、走り過ぎには注意が必要です。

最新のランニング・トレーニング本であり、体力向上やレース結果にこだわりたい人トレーニング理論とプログラムを提供します。中距離の800mからフルマラソン、トライアスロンまで持久系スポーツを幅広く対応し効率的なトレーニングを知ることが出来ます。VDOTにより自身の能力や目標に対してどのような練習をすれば良いのか分かりやすく多くのランナーのバイブルになっています。

筑波大でランニングの研究をしている著者が、楽に走るためのフォームやウォーミングなど独自のテクニックを紹介している書籍です。記録にこだわるランナー向け新しいランニングの知識を提供し、ランニングの視野を広げてくれる書籍といえます。速く・楽に走るためのテクニックの参考になると思います。

初心者ランナー正しいフォームで走り、ダイエットを成功させる基本を解説しています。ダイエット目的としていますが、30代女性ランナーが指導を受けながら成長するストーリーを通じて、フォーム・トレーニング方法、セルフケアを学ぶことが出来ます。初フルマラソンに挑む初心者ランナーや故障に挑むランナーの事例も紹介され、特に初心者ランナー向けの内容になっています。漫画とイラストを使い、事前知識のないランナーでも分かりやすいため、最初の1冊目として参考にしてみてはどうでしょうか?