マラソンにおけるインターバルトレーニングの効果・やり方・メニューとは

マラソントレーニングは、単に走って距離を稼ぐだけでなく、より強く、より速いランナーになるために、さまざまな種類のペース・トレーニング理論を理解することが重要です。

この記事ではインターバルトレーニングについて解説していきます。

マラソンを始めたばかりの初心者ランナーから経験豊富なランナーにかけて、トレーニングプログラムを構築する上で役に立つと思います。

ぜひ参考にしてみて下さい!!

インターバルとは日本語で「間隔」を意味します。インターバルトレーニングとは間隔を空けて行うトレーニングのことを言い、激しい運動と休憩を断続的に繰り返すトレーニングです。

インターバルトレーニングを走ることで考えると、イージーラン・ペース走・テンポ走・閾値走は乳酸が蓄積しないペースで走っていました。しかし、インターバルトレーニングでは閾値走よりも、さらに速く走るため身体に乳酸が蓄積してきます。乳酸が蓄積してくるため、いずれ身体は疲労で動かなくなってくるため休憩が必要です。

つまり、「息が激しく乱れるくらい速いペースで走る」↔「ペースが維持できなくなれば休憩」、というサイクルを繰り返すメニューをインターバルトレーニングと言いいます。

VO2max」という”体重1kgあたりに1分間で取り込める酸素の量”のことを言います。VO2maxが高い程、より多くの酸素を体内に取り込み、より多くの酸素をエネルギーの生成として活用出来るようになります。

より多くの酸素をエネルギーとして活用することで有酸素運動能力が上がり、より速いペースを維持出来るようになります。

つまり端的に言うと、VO2maxとはマラソンランナーにおける”戦闘力”のようなものであり、インターバルトレーニングはマラソンにおける戦闘力を高めるトレーニングです。

インターバルトレーニングはこのVO2maxを向上させる効果が期待でき、より強くて速いランナーになることが出来るというわけです。

VO2maxの要因として心肺機能があります。インターバルトレーニングは、「心肺機能の強化」特に肺機能の強化が期待出来るトレーニングです。肺機能の強化により、より多くの空気を取り込む・吐き出すことが可能になり、多くの酸素を身体に取り込むことが出来るようになります。

より多くの酸素を体内に取り込むことが出来るということはVO2maxが向上するということであり、より速いペースを維持出来るようになります。

無酸素運動時に発生する乳酸は再度エネルギー源として体内で活用することができます。しかし、乳酸が生じるスピードが乳酸を処理するスピードを上回るペースで走ると身体には乳酸が蓄積していきます。この乳酸が蓄積していくポイントLT(乳酸性作業閾値)と言います。乳酸が溜まると筋肉の収縮が阻害され、疲労感や痛みを感じやすくなるため走るペースは自然と落ちていきます。

インターバルトレーニングは乳酸を処理する能力が上がるため、より効率良く乳酸を処理することが出来るようになるため、速いペースを維持出来る能力が上がります。

VO2maxを向上させることが出来たからといって、必ずしも速く走ることが出来るというわけではありません。速く走るには、速く走るフォームを維持することが必要であり、筋肉の高い出力を維持するための筋力も必要になります。

インターバルトレーニングは速いフォームを維持する筋力を鍛えるのに有効です。

改めてインターバルトレーニンとは、激しい運動と休憩を断続的に繰り返すトレーニングです。そのため、インターバルトレーニングは、「疾走区間:速く走る」⇔「休憩:ジョグまたは歩く」を交互に繰り返す運動です。

疾走区間で心肺機能に負担をかけて乳酸を蓄積していき、ジョグまたは歩く期間で回復させることで、心肺機能の向上と乳酸処理能力向上を同時に図ります。これを繰り返すことで心肺機能・乳酸処理能力・筋力が向上し、スピード持久力が向上するようになります。

インターバルトレーニングは最大心拍数の93~100%まで心拍数を上げることで、VO2maxを鍛えることが出来ます。

注意点として、完全に休憩した状態から最大心拍数に到達するまでには90~120秒かかると言われており、インターバルトレーニングの開始は3~5分かけるのが適正であるとされています。

そして、休憩では完全に心拍数が元に戻らない内に疾走区間を始めることがポイントです。やや心拍数が高い状態で疾走を始めることでVO2maxは鍛えられます。

インターバルトレーニングは2回目・3回目と回数を重ねていくにつれて、最大心拍数に到達するまでの時間も短くなっていくため、休憩時間を短く保つ場合は3~5分よりも短くしても問題ないとされています。

初心者の場合、まずは短い距離から始め、身体に慣れさせることが大切です。「ややきつい」と感じる程度のペースで疾走区間を走り、休憩期間では呼吸を整えながらゆっくりと走り続けます。インターバルトレーニングは初心者の場合は負担が強いため、疾走区間と同等以上の休憩時間を取ることをオススメします。

インターバルトレーニングの多くの具体例では距離を目安にしていますが、インターバルで走るスピードは個々で異なるため、初心者ランナーさんがベテランランナーのインターバルトレーニングの距離を参考にしても、設定した距離を走りきるには速度を落とす必要があり、インターバルトレーニングにならない可能性があります。

そのため、インターバルトレーニングは走る速度時間本数で管理することをオススメします。

※Mi=マイルであり、日本人ならkmを参照

インターバルトレーニングで走る速度は「VDOT Calculator」というアプリから算出することをオススメします。VDOTは自己ベストのタイムを打ち込むことで自身の走るペースとトレーニング強度を示してくれる優秀なアプリです。

自己ベストは10キロ走としていますが、フルマラソン・ハーフマラソン・15キロ・10キロ・1500mなど数多くの中から選択し、記録を打ち込むことで適切なペースを示してくれます。しかし、Vdot Calculatorで自己ベストを入力する際は、ハーフマラソンのタイムを使用することを推奨されているようです。

VDOTではインターバルの走る距離に対する速度が示されています。VO2maxを高めたい場合は、1回目にインターバルで走る時間は3分以上必要なため、上の例では800~1200mの速度と時間で走るとよいということになります。

800mよりも短い距離ではVO2maxの強化よりも、スピード強化が期待できるため、スピードを強化したいのであれば200~600mの速度と時間を参考にすると良いと思われます。

休憩時間は走った時間の1/3~1/2を目安にすると良いと思われます。

・400m以下のような3分以下で行うショートインターバル:10本

・800mのような3分程度で行うミドルトレーニング:8本前後

・1200mのような5分程度で行うロングトレーニング:5本

短い距離では本数を多くし、1回で走る時間が長くなればなるほど本数は減らしていきましょう。

初心者ランナーさんの場合は、1分程度のショートインターバルから開始し、休憩時間も同じ時間くらいとりましょう。

本数も5本程度から始めていき、身体に過剰な負担がかからないように気を付けながら進めていきましょう。

無理は禁物です。

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