
本記事のオススメ対象者は以下のような人です。
1.速く・楽に坂道を上る・下るコツを知りたい人
2.坂道を攻略するためのトレーニング方法を知りたい人
3.マラソンの坂道で失速しやすい人
4.下り坂で前ももが疲れたり、フォームが崩れたりする人
坂道って、急に「別競技」みたいに感じませんか?
平地では気持ちよく走れていたのに、上り坂に入った瞬間に呼吸が乱れて脚が重くなる。
逆に下り坂ではスピードが出すぎて怖くなったり、前ももが疲れたりして、思うように走れないこともあります。
多くのランナーが「坂が苦手」と感じるのは、ごく自然なことです。
なぜなら、上り坂と下り坂では、平地とは身体にかかる負担や走り方が大きく変わるからです。
しかし、坂道にはそれぞれ特徴があり、ポイントを理解すれば無駄な消耗を抑えながら走れるようになります。
特にマラソンでは、坂道そのものよりも「坂で頑張りすぎて、その後に失速する」ことを避けるのが重要です。
この記事では、
・上り坂と下り坂で身体に何が起こるのか
・坂道を効率よく走るフォーム
・坂道でのペース配分
・坂に強くなるトレーニング方法
について分かりやすく解説します。

「坂で失速してしまう……」という悩みを、「坂でも自分の走りを崩さない」に変えていきましょう。
ランニング・マラソンにおける坂道の特徴

上り坂の特徴
上り坂では、平地を走るときよりも身体を「前方」だけでなく「上方」へ持ち上げる必要があります。
そのため、同じスピードで走ろうとすると必要なエネルギーが増え、心肺機能や下半身への負担が大きくなります。
特に上り坂では、股関節周囲を中心に、膝関節や足関節を含めた下半身全体が推進力を生み出す必要があります。
その結果、
・呼吸が乱れやすい
・心拍数が上がりやすい
・脚が重くなりやすい
・平地と同じペースを維持しにくい
といった変化が起こります。
ここで重要なのが、「平地と同じペースで上ろうとしない」ということです。
上り坂で無理にペースを維持すると、運動強度が急激に高くなり、レース後半の失速につながる可能性があります。
マラソンでは上り坂そのものを速く走ることよりも、坂を上ったあとに余力を残しておくことが重要です。

上り坂ではペースが落ちてもOK!平地と同じペースを守るより、自分のリズムと運動強度を崩さないことが大切です!
上り坂でペースが落ちるのは自然なこと
上り坂では傾斜が大きくなるほど、走るために必要なエネルギーも増加します。
そのため、同じ努力感で走れば自然とペースは遅くなります。
「坂でペースが落ちた=走力がない」というわけではありません。
むしろ、坂道でも平地と同じペースを維持しようとすることで、必要以上に体力を消耗してしまうことがあります。
マラソンでは、
・呼吸の乱れ
・心拍数
・主観的なきつさ
・脚の疲労感
などを確認しながら、無理のないペースに調整しましょう。
下り坂の特徴
下り坂では重力を利用できるため、自然と走るスピードが速くなります。
心肺的には上り坂より楽に感じることもありますが、「下り坂=休憩区間」とは限りません。
下り坂では、身体が加速しすぎないように筋肉がブレーキをかけながら動きます。
このとき、特に太もも前面の大腿四頭筋などでは、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する「伸張性収縮(エキセントリック収縮)」が多く使われます。
そのため、
・前ももが疲れやすい
・着地時の衝撃が大きくなりやすい
・長い下りのあとに脚が重くなる
・翌日に筋肉痛が出やすい
といった特徴があります。
特に長い下り坂を勢いに任せて走り続けると、後半の平地や上り坂で脚が動かなくなる原因にもなります。

下り坂は心肺的には楽でも、脚には負担がかかっています。スピードを出しすぎず、余計なブレーキを減らすことがポイントです!
坂道の走り方のコツ
上り坂を走るコツ

上り坂では、身体を少し前に傾けて走ります。
ただし、腰だけを折り曲げるような前傾姿勢はオススメしません。
腰から身体を曲げすぎると、股関節を動かしにくくなったり、呼吸がしにくくなったりする可能性があります。
意識したいのは、「足首から身体全体を少し前に倒す」ことです。
頭から体幹までをできるだけ一直線に保ちながら、坂の傾斜に合わせて自然に身体を前傾させます。
上り坂では平地よりも自然に歩幅が小さくなります。
無理に大股で上ろうとすると、一歩ごとに大きな力が必要となり、下半身の疲労が増えやすくなります。
上り坂では、「歩幅を広げて進む」よりも、「コンパクトな歩幅でリズムよく進む」ことを意識しましょう。
ピッチを無理に速くする必要はありません。
自分が走りやすいテンポを保ちながら、坂に合わせて自然に歩幅を調整するのがポイントです。
上り坂では脚だけで頑張ろうとすると、フォームが崩れやすくなります。
そこで重要になるのが腕振りです。腕をリズムよく振ることで、脚の動きとの連動を保ちやすくなります。
ただし、力いっぱい腕を振る必要はありません。
肩の力を抜きながら、「肘を後ろへ運ぶ」イメージでリズムを作りましょう。
急な坂では足元ばかりを見てしまいがちですが、視線が下がりすぎると身体も丸まりやすくなります。
数メートル先を見るようにして、自然な姿勢を保ちましょう。
ただし、路面が不整地の場合は安全確認を優先してください。
上り坂を攻略するうえで最も重要なのがペース配分です。
マラソンでは、「上り坂でも設定ペースを守る」必要はありません。
上り坂では平地よりペースを落とし、
・呼吸
・心拍数
・主観的運動強度
が急激に上がりすぎないように調整します。
坂の頂上に着いたときに息が完全に上がっている状態では、その後の走りにも影響します。

上り坂は「坂を速く上る競争」ではありません。坂を越えたあとも走れる余力を残すことが、マラソンでは重要です!
- 1.足首から自然に前傾する
- 2.無理に歩幅を広げない
- 3.自分のリズムを保つ
- 4.腕振りを使ってテンポを作る
- 5.平地と同じペースを維持しようとしない
- 6.坂の頂上で力を使い切らない

「上り坂はリズムで上る」と考えると、フォームをまとめやすくなります。
一歩一歩を力強く蹴るよりも、身体の重心を前へ運び続けるイメージで走りましょう。
下り坂を走るコツ

下り坂でスピードが出るのが怖いと、身体を後ろへ反らしてブレーキをかけたくなります。
しかし、身体が後方へ残りすぎると足が身体より大きく前へ出やすくなり、ブレーキ動作が強くなる可能性があります。
下り坂でも上半身を極端に後ろへ反らさず、坂の傾斜に合わせて自然な姿勢を保ちます。

軽く足首から前傾するような感覚で、身体の重心を進行方向へ運びましょう。
下り坂では歩幅が自然に広がりやすくなります。
しかし、大きく足を前へ投げ出すようなオーバーストライドになると、着地のたびにブレーキがかかりやすくなります。
ただし!!「接地位置は必ず身体の真下」と厳密に考える必要はありません。
重要なのは、「身体より極端に前で着地しない」ことです。

無理に歩幅を広げず、自然に脚を回転させましょう。
下り坂では、重力によって予想以上にスピードが上がることがあります。
スピードに任せて歩幅が大きくなりすぎると、着地衝撃やブレーキ動作が増える可能性があります。
自分の走りやすいリズムを保ちながら、必要に応じてスピードを調整しましょう。

「とにかくピッチを速くする」のではなく、「自分の自然なリズムを崩さない」ことがポイントです。
下り坂で怖さを感じると、肩や腕、脚に力が入りやすくなります。
身体が緊張すると動きが硬くなり、着地衝撃をうまく吸収しにくくなります。
肩の力を抜き、上半身をリラックスさせましょう。
腕も無理に大きく振らず、バランスを取りながら自然に動かします。
下り坂では路面状況を確認する必要がありますが、足元だけを見続けると姿勢が崩れやすくなります。
安全を確認しながら、少し先を見るようにしましょう。
カーブや路面の凹凸がある場合は、スピードより安全を優先してください。
- 1.身体を後ろへ反らしすぎない
- 2.足を極端に前へ投げ出さない
- 3.無理に歩幅を広げない
- 4.自然なリズムを保つ
- 5.身体の力を抜く
- 6.スピードを出しすぎない
- 7.視線を少し先へ向ける

下り坂では「速く走る」より「余計なブレーキをかけずにスムーズに走る」ことを意識しましょう!
下り坂で前ももが疲れる理由

長い下り坂を走ったあと、「前ももがパンパンになった」という経験があるランナーも多いと思います。
下り坂では身体が加速しすぎないように、太もも前面の大腿四頭筋などがブレーキの役割を果たします。このとき筋肉は、引き伸ばされながら力を発揮する伸張性収縮を繰り返します。
伸張性収縮を長時間繰り返すと、筋肉への負担が大きくなり、筋肉痛や一時的な筋力低下につながることがあります。
そのため、マラソンの前半に長い下り坂があるコースでは注意が必要です。

「下りだから楽だ!」と勢いよく飛ばしすぎると、後半で前ももが疲労し、平地でも脚が動かなくなる可能性があります。
下り坂は練習すると身体が慣れる
下り坂の負荷には「慣れ」があります。
一度、適度な下り坂運動を経験すると、次に同じような下り坂を走った際の筋肉痛や筋力低下が軽減される現象が知られています。
これを「Repeated Bout Effect(反復効果)」と呼びます。
つまり、レース当日にいきなり長い下り坂を走るよりも、事前に少しずつ下り坂を経験しておくことが重要です。

ただし、「強い下りを繰り返せば繰り返すほど良い」という意味ではありません。
まずは緩やかな下り坂を短時間走り、身体の反応を確認しながら徐々に距離やスピードを増やしていきましょう。
坂道を攻略するためのトレーニング
坂道を上手に走るには、実際の坂道を走る練習が効果的です。
ただし、坂道トレーニングは平地より身体への負荷が大きくなる場合があります。
トレーニング経験や目的に合わせて、徐々に取り入れましょう。
上り坂を攻略するためのトレーニング
坂道インターバル

30秒〜2分程度の上り坂を、ややきつい〜きつい強度で繰り返します。
上ったあとはジョグやウォーキングで下り、呼吸を整えてから次の1本を行います。
- 心肺機能への刺激
- 高強度で走る能力の向上
- 上り坂でのフォーム練習
- ランニングパワー向上につながる可能性
最初から全力で行う必要はありません。フォームを維持できる範囲で行いましょう。
短時間の坂道ダッシュ

比較的急な坂を利用し、10〜15秒程度の短時間を速く走ります。
1本ごとに十分な休息を取り、疲労した状態で本数を重ねすぎないようにします。
- 瞬発的な推進力への刺激
- 神経筋機能への刺激
- 高いパワー発揮能力の向上
- ランニングエコノミー改善につながる可能性
短時間でも負荷が高いため、初心者は通常の坂道ジョグなどから始めるのが安全です。
坂道ロング走

アップダウンを含むコースや、長い上り坂を含むコースを一定の運動強度で走ります。
- 坂道での持久力向上
- ペース配分の練習
- 実際のレースに近い負荷への適応
- 心肺機能への刺激

マラソン対策としては、レースコースに坂道が多い場合に特に有効です。
ポイントは、上り坂で無理にペースを維持しないことです。
坂道リピート走

一定距離の上り坂を複数回繰り返します。
上りは目的に応じた強度で走り、下りは回復区間としてゆっくり戻ります。
- 坂道でのフォーム習得
- 心肺機能への刺激
- 筋持久力向上
- 坂道に対する心理的な慣れ
坂道ウォーキング

急な坂を大股になりすぎないように、テンポよく歩きます。
- ランニングより負荷を抑えて坂道を経験できる
- 股関節周囲の筋群への刺激
- 筋持久力向上
- 初心者の坂道トレーニング

走るのが難しい急坂では、無理に走らず歩くことも立派なペース戦略です。
下り坂を攻略するためのトレーニング
下り坂ジョグ

緩やかな下り坂を、スピードを出しすぎずリラックスして走ります。
- 下り坂の姿勢を身につける
- 接地感覚を確認する
- 下り坂のスピードに慣れる
- 筋肉を下り坂特有の負荷へ徐々に適応させる

下り坂初心者に最も取り入れやすい方法です。
下り坂流し

緩やか〜中程度の下り坂で、短時間だけ少しスピードを上げます。
全力ではなく、フォームを崩さず余裕を持って走れる範囲で行います。
- 下り坂でのスピードコントロール
- リラックスしたフォームの習得
- 速い動きへの慣れ

路面が滑りやすい場所や急坂では行わないようにしましょう。
下り坂リピート

緩やかな下り坂を使い、短い距離から繰り返します。
最初は低〜中強度から始め、筋肉痛や疲労の程度を確認しながら徐々に距離や速度を増やします。
- 下り坂特有の筋負荷への適応
- 着地やフォームの安定
- 長い下り坂に対する耐性向上

いきなり全力近いスピードで繰り返す必要はありません。
特に下り坂に慣れていないランナーは、少ない本数から始めましょう。
下り坂ウォーキング

急な下り坂を安全に注意しながら歩きます。
- 下り坂でのバランス能力向上
- 足元のコントロール練習
- ランニングより低い強度で下り坂に慣れる

急坂や疲労時は、走るより歩く方が安全な場合もあります。
坂道トレーニングはどれくらいの頻度で行う?

坂道トレーニングの適切な頻度は、
・ランニング経験
・坂の勾配
・トレーニング時間
・運動強度
・普段の走行距離
によって変わります。
そのため、「必ず週1〜2回」と一律に決めることはできません。
初心者の場合は、まず普段のジョギングコースに短い坂道を取り入れるところから始めても十分です。
高強度の坂道インターバルや坂道ダッシュを行った場合は、連日行わず、脚の疲労や筋肉痛が回復してから次の高強度練習を行いましょう。
特に下り坂トレーニングは、翌日以降に強い筋肉痛が出ることがあります。少しずつ身体を慣らすことが大切です。
坂道に強くなるための筋力トレーニング
坂道対策では、実際に坂を走る練習に加えて筋力トレーニングも役立ちます。
ただし、「この筋トレをすれば坂道が速くなる」と単純に考えるのではなく、ランニングに必要な筋力や下肢の安定性、力を発揮する能力を高めるために取り入れましょう。
オススメの種目は、
・スクワット
・ランジ
・スプリットスクワット
・ヒップリフト
・ヒップスラスト
・カーフレイズ
などです。
スクワット

- 大腿四頭筋
- 大殿筋
- ハムストリングス
- 内転筋群
- 体幹筋群

下半身全体を鍛えられる基本的なトレーニングです。
上り坂で身体を前方・上方へ運ぶ力だけでなく、下り坂で身体を支えるための筋力づくりにも役立ちます。
ランジ・スプリットスクワット

- 大腿四頭筋
- 大殿筋
- ハムストリングス
- 内転筋群

ランニングと同じように左右の脚を分けた状態で行うため、片脚で身体を支える能力を鍛えやすい種目です。
ヒップリフト・ヒップスラスト

- 大殿筋
- ハムストリングス

股関節を伸ばす筋肉を鍛えます。
股関節周囲の筋力はランニングで身体を前へ進めるために重要です。
カーフレイズ

- 腓腹筋
- ヒラメ筋

足関節周囲の筋力を鍛える種目です。
ランニング中の足首の安定や推進に関わります。
坂道トレーニングを行うときの注意点

坂道トレーニングは負荷が高くなりやすいため、次のポイントに注意しましょう。
- 最初から急坂・長距離で行わない
- 高強度トレーニングを連日行わない
- 下り坂は全力で繰り返さない
- 筋肉痛や痛みが強い場合は休む
- 路面状況を確認する
- レース前に初めて強い坂道練習を行わない

特に下り坂は、練習直後より翌日以降に筋肉痛が強くなることがあります。
レース直前に強い下り坂トレーニングを行うと、疲労を残す可能性があるため注意してください。
坂道トレーニングの1週間の組み込み例
| 曜日 | トレーニング |
|---|---|
| 月 | 休養 |
| 火 | イージーラン |
| 水 | 休養またはウォーキング |
| 木 | イージーラン |
| 金 | 休養 |
| 土 | 坂道を含むジョグ |
| 日 | ゆっくり長めのジョグ |

まずは普段のランニングコースに坂道を含める程度から始めましょう。
| 曜日 | トレーニング |
|---|---|
| 月 | 休養またはリカバリージョグ |
| 火 | 坂道インターバル |
| 水 | イージーラン |
| 木 | イージーランまたは閾値走 |
| 金 | 休養 |
| 土 | イージーラン |
| 日 | アップダウンを含むロング走 |

坂道インターバルとロング走の両方で負荷が高くなりすぎないように注意します。
強い疲労や筋肉痛がある場合は、坂道トレーニングを減らしましょう。
坂道トレーニングで大切なのは「段階的に負荷を上げること」
坂道トレーニングでは、
1.勾配を急にする
2.距離を長くする
3.スピードを速くする
4.本数を増やす
という4つの方法で負荷を高めることができます。
しかし、これらを一度に増やすと身体への負担が急激に大きくなります。
特に下り坂では、トレーニング中はそれほどきつく感じなくても、翌日以降に強い筋肉痛が出ることがあります。
まずは1つの要素だけを少しずつ増やしましょう。
例えば、
「4本→6本に増やす」
場合は、同時にスピードや坂の勾配まで上げないようにします。

坂道トレーニングは「きつくすればするほど効果的」ではありません。身体を少しずつ坂道に慣らしていくことが大切です!
マラソン本番で坂道を攻略するポイント

- 平地と同じペースを守ろうとしない
- 歩幅を無理に広げない
- リズムを保つ
- 呼吸が乱れすぎない強度で走る
- 頂上までに力を使い切らない
- 勢いに任せて飛ばしすぎない
- 身体を後ろへ反らしすぎない
- 足を極端に前へ投げ出さない
- リラックスして走る
- 前ももの疲労を溜めすぎない
坂の勾配によって走り方を変えよう
坂道といっても、緩やかな坂と急な坂では身体にかかる負担が異なります。
傾斜が大きくなるほど、上り坂ではエネルギー消費や心肺への負担が増え、下り坂では身体を支えるための筋肉への負担が大きくなる傾向があります。
そのため、すべての坂道を同じフォーム・同じペースで走るのではなく、勾配に合わせて走り方を調整することが大切です。
ここでは分かりやすく、
・緩やかな坂:1〜3%程度
・中程度の坂:4〜6%程度
・急な坂:7%以上
を目安として紹介します。

この分類は統一された医学的・競技的な基準ではなく、走り方を説明するための実践上の目安です。
上り坂の勾配別の走り方
緩やかな上り坂では、平地に近いフォームを維持しながら走ることができます。
ただし、平地とまったく同じペースを維持しようとすると、少しずつ運動強度が高くなります。
- 平地より少しペースを落とす
- 無理に歩幅を広げない
- 足首から軽く前傾する
- 普段のランニングに近いリズムを保つ

緩やかな坂ではフォームを大きく変える必要はありません。
マラソンでは「少しペースが落ちるのは自然」と考え、呼吸や心拍数が上がりすぎないように調整しましょう。
傾斜が大きくなると、身体を上方へ持ち上げるための負担が増加します。
平地と同じ歩幅では走りにくくなるため、歩幅を少し小さくしてリズムを保つことが重要です。
- ストライドを自然に小さくする
- 腕振りを使ってリズムを作る
- 足首から自然に前傾する
- ペースより運動強度を優先する
- 頂上まで頑張りすぎない

「脚で強く蹴って上る」というよりも、一歩ずつ身体の重心を前方・上方へ運ぶイメージで走りましょう。
急坂では心肺機能と下半身への負担がさらに大きくなります。
ストライドは自然に小さくなり、平地と同じランニングフォームを維持することは難しくなります。
- 歩幅を小さくする
- 一定のリズムを保つ
- 腕振りを活用する
- 無理にスピードを維持しない
- 必要に応じてウォーキングを取り入れる
特に長い急坂では、無理に走り続けることで心拍数が急上昇し、その後のレースに影響することがあります。
マラソンでは「坂をすべて走り切ること」よりも、「坂を越えたあとも走り続けられること」の方が重要です。
状況によっては早歩きを取り入れ、運動強度をコントロールすることも選択肢になります。

急な坂ほど「速く上る」より「消耗しすぎない」ことが大切!坂の頂上ではなく、その先のゴールまで考えて走りましょう!
下り坂の勾配別の走り方
緩やかな下り坂では重力を利用できるため、平地より自然にスピードが上がります。
- 身体の力を抜く
- 自然なリズムを維持する
- 足を極端に前へ投げ出さない
- スピードを無理に抑えすぎない

軽い下りでは、必要以上にブレーキをかけず、自然なスピードアップを利用しましょう。
ただし、マラソン序盤では下り坂だからといって飛ばしすぎないように注意します。
傾斜が大きくなるとスピードが出やすくなり、着地時の衝撃やブレーキ方向の力も増えやすくなります。
- 身体を後ろへ反らしすぎない
- オーバーストライドを避ける
- 自然なリズムを保つ
- 肩や腕の力を抜く
- 前ももの疲労を意識する

スピードを怖がって身体を後ろへ倒しすぎると、足が前へ出やすくなり、着地のたびに強いブレーキがかかることがあります。
坂の傾斜に合わせて自然な姿勢を保ちましょう。
急な下り坂ではスピードが急激に上がりやすく、筋肉や関節への負担も大きくなります。
- スピードを優先しない
- 歩幅を無理に広げない
- 足を身体より極端に前へ出さない
- 路面状況を確認する
- カーブでは十分に減速する
- 必要に応じてウォーキングを取り入れる
特に長い急坂では、大腿四頭筋の伸張性収縮が繰り返されるため、前ももの疲労が蓄積しやすくなります。
レース後半まで脚を残すためにも、急な下り坂では「タイムを稼ぐ」より「脚を壊さない」ことを優先しましょう。

急な下り坂は、速く走れる場所ではなく「脚を消耗しやすい場所」でもあります。レース後半のために余力を残しましょう!
まとめ
本記事では、マラソンにおける坂道の特徴と、上り坂・下り坂の走り方、坂道を攻略するためのトレーニング方法について解説しました。
【上り坂のポイント】
1.足首から自然に前傾する
2.無理にストライドを広げない
3.腕振りでリズムを作る
4.視線を少し先へ向ける
1.自分のリズムを保つ
2.平地と同じペースを維持しようとしない
3.呼吸や心拍数が上がりすぎないようにする
4.坂の頂上で力を使い切らない
1.坂道インターバル
2.短時間の坂道ダッシュ
3.坂道ロング走
4.坂道リピート走
5.坂道ウォーキング
6.筋力トレーニング
【下り坂のポイント】
1.身体を後ろへ反らしすぎない
2.足を極端に前へ投げ出さない
3.無理に歩幅を広げない
4.身体をリラックスさせる
1.自分のリズムを崩さない
2.スピードを出しすぎない
3.視線を少し先へ向ける
4.前ももの疲労を溜めすぎない
1.下り坂ジョグ
2.下り坂流し
3.段階的な下り坂リピート
4.下り坂ウォーキング
5.筋力トレーニング
坂道を攻略するために大切なのは、坂を力任せに走ることではありません。
- 上り坂では無理にペースを維持せず、リズムと運動強度をコントロールする。
- 下り坂ではスピードに任せず、余計なブレーキを減らしながらリラックスして走る。
- レース本番の前から少しずつ坂道に身体を慣らしておく。
この3つが大切です。

坂道はマラソンでタイムを失う場所にもなりますが、走り方とペース配分を理解していれば、他のランナーとの差を広げられるポイントにもなります。
普段のランニングに無理のない範囲で坂道を取り入れ、上り坂でも下り坂でも自分のリズムを崩さず走れるようにしていきましょう。
参考文献
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- Eston RG, Mickleborough J, Baltzopoulos V.Eccentric activation and muscle damage: biomechanical and physiological considerations during downhill running.British Journal of Sports Medicine. 1995.
※参考文献は、坂道ランニングにおける生理学・バイオメカニクス・トレーニング効果を理解するための代表的な研究を中心に掲載しています。勾配別の1〜3%、4〜6%、7%以上という分類自体は統一された科学的カットオフ値ではなく、本記事で走り方を分かりやすく説明するための実践上の目安です。
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