レぺテンショントレーニングの効果・やり方・メニューについて

マラソントレーニングは、単に走って距離を稼ぐだけでなく、より強く、より速いランナーになるために、さまざまな種類のペース・トレーニング理論を理解することが重要です。

この記事ではレぺテンショントレーニングについて解説していきます。

マラソンを始めたばかりの初心者ランナーから経験豊富なランナーにかけて、トレーニングプログラムを構築する上で役に立つと思います。

ぜひ参考にしてみて下さい!!

レペティションとは、一定の距離を全力または全力に近いペースで走るトレーニングです。

1本全力で疾走した後は、完全に身体が回復するまで休憩し、また1本走るというように「全力疾走→完全回復まで休憩」を繰り返す練習です。

「全力・全力に近いペースで疾走➝休憩」というサイクルはインターバルトレーニングと似ていますが、インターバルトレーニングとは厳密には異なります。

インターバルトレーニングは速いペースで疾走した後に休憩しますが、完全に休憩しきる前(心拍数が戻りきっていない状態)にまた走り出します。

レぺテンショントレーニングは、走るフォームを崩さないことが大切であるため、走った後は身体が完全に回復するまで休憩してから、また走り出します。

インターバル走:不完全回復で走り出す 

レぺテンショントレーニング:完全回復してから走り出す

レペティションは全力疾走または全力疾走に近いペースで走るため、スピードを向上させる効果が高いと言われています。

全力に近いペースで走るため、筋肉は速く収縮することを繰り返す必要があり、筋肉の速筋線維(瞬発力を担う筋肉繊維)を刺激してスピードを出す脚力を鍛えることが出来ます。

自身の最大スピードを底上げすることは、マラソンなどのペース走の余裕度合が増し、普段のペースを底上げすることができます。また、最速スピードが向上することで自己記録の向上につながっていきます。

レぺテンショントレーニングもインターバルトレーニングと同様に乳酸処理能力を高める効果が期待出来ます。

無酸素運動時に発生する乳酸は再度エネルギー源として体内で活用することができます。しかし、乳酸が生じるスピードが乳酸を処理するスピードを上回るペースで走ると身体には乳酸が蓄積していきます。この乳酸が蓄積していくポイントLT(乳酸性作業閾値)と言います。乳酸が溜まると筋肉の収縮が阻害され、疲労感や痛みを感じやすくなるため走るペースは自然と落ちていきます。

レぺテンショントレーニングは乳酸を処理する能力が上がるため、より効率良く乳酸を処理することが出来るようになるため、速いペースを維持出来る能力が上がります。

ランニングエコノミーとはランニングの効率性を示す指標で、より少ないエネルギーで走れる状態を指します。

レース後半になると、前半と同じペースで走っていても運動強度が高くなってきます。同じペースで走っていても、レース後半になると乳酸の影響で脚が思うように動かなくなりペースダウンしてしまう人が多いです。

レぺテンショントレーニングはエネルギーを温存して走ることが出来るようになるためレース後半のペースダウンを防止することに繋がります。レース後半の失速が気になるという方はレペティションで鍛えてみることをオススメします。

レペティションは最大スピードを底上げすることが目的であり、1本1本を全力で走ることが基本です。また、レぺテンショントレーニングを行うにあたって、最も重要なことは正しいフォームで走ることだと言われています。

インターバルトレーニングのように不完全回復状態で走ってしまうと、フォームの崩れケガに繋がる恐れがあります。

そのため、レぺテンショントレーニングのでは身体が落ち着くまで休憩してから走り出すことがポイントです。

インターバルトレーニングでは運動強度を上げていく過程で休憩時間を短くしていくこともありますが、レぺテンショントレーニングは休憩時間が短くなると回復が不十分になり、フォームが崩れてしまうため休憩時間は変えないことをオススメします。

また、走るペースは設定した距離まで同じペースで走り続けることがポイントです。1000mのレペティションに取り組む場合、前半500mは良い調子ですが、後半500mで失速するというような走り方は良くありません。

最初の500mから後半の500mも同じ速度で走り切ることが出来る全力ペースで走ることが大切です。

【要点】

1.一本一本を全力で走る

2.完全に回復するまで休憩する

3.フォームが崩れないように意識する

4.同じペースで走り続ける

※Mi=マイルであり、日本人ならkmを参照

インターバルトレーニングで走る速度は「VDOT Calculator」というアプリから算出することをオススメします。VDOTは自己ベストのタイムを打ち込むことで自身の走るペースとトレーニング強度を示してくれる優秀なアプリです。

自己ベストは10キロ走としていますが、フルマラソン・ハーフマラソン・15キロ・10キロ・1500mなど数多くの中から選択し、記録を打ち込むことで適切なペースを示してくれます。

レぺテンショントレーニングの例として、フルマラソンやハーフマラソンなら「1000m+休憩10~15分を3~5本」ぐらいを目安にすると良いでしょう。VDOTのアプリなら800m or 1200mということになります。

休憩時間はフォームを崩さないために、10~15分と長めに休憩を取りましょう。しかし、休憩時間で座り込んでしまうと、身体が動かなくなってしまうため、次の一本が走りやすいように歩くなどして足の血流は維持しておきましょう。

初心者ランナーさんがレぺテンショントレーニングを行う場合、まずは200mから行うことをオススメします。いきなり、長距離のレぺテンショントレーニングは身体の負担が大きいため、まずは身体を慣らす目的で短距離を2~5本くらいの本数で行ってみましょう。

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