ストライドを大きくすれば速くなりますか?
歩幅を広げた方がいいって聞いたけど、本当?
ランニングの知識・経験値を積み上げてくると、ストライド走法という言葉を耳にするようになります。
ストライド走法とは一歩の歩幅を大きくしてスピードを出すスタイル。見た目もダイナミックで、「速そう」に見える走り方です。
しかし、初心者ランナーさんが自己流でストライドを広げようとすると、腰や膝が痛くなる・足を挫くといった故障やケガに繋がることも少なくありません。
【本記事内容】
1.ストライド走法のメリット・デメリット
2.ストライド走法を磨く方法
3.初心者さんが気を付けるべきポイント

「なんとなく走る」から卒業して、効率よく、ケガなく、少しずつ速くなるためのヒントを一緒に学んでいきましょう!
ストライド走法とは?

走るペース=ピッチ(足の回転数)×ストライド(1歩の長さ)
で決まります。
走るペースを速くするには足の回転上げるまたはストライドを大きくして走ること。一歩を大きくするストライド走法はダイナミックな走りでみていて非常にかっこいい走り方です。
しかし、ストライド走法にはメリットとデメリットが明確にある走り方であり、万人向けの走り方ではありません。
ストライド走法のメリット
スピードを出しやすい

ストライドが大きくなるほど、スピードは格段に上がります。
特にトップスピードを出す場面(短距離レースやラストスパートなど)ではストライド走法が有利になりやすいと言われています。トラック競技やラストスパートなどのスピードを追求する場面では、ピッチを上げるよりストライドを広げる走り方をしているランナーが多いです。

とにかくスピードを追求する場面ではストライド走法の方がスピードが出しやすいです。
効率よく走れる場合がある

体格が大きい人・脚力が強い人は、足の回転を上げるピッチ走法よりも一歩を大きくするストライド走法の方がエネルギー効率が良いケースもあります。
一歩を大きくする走り方は全身のバネを利用し前方への推進力を大きくし、上手くハマると「楽にスピードが出ている感覚」になりやすいです。
特に「身長が高い」「股関節の可動域が広い人」「トレーニング・他の競技により足の筋力が強い人」といったランナーにはハマりやすいです。

筋力と柔軟性に自信のある人はストライド走法を試してみてもいいかもしれません!
ストライド走法のデメリット
オーバーストライドになりやすい

無理に一歩を大きくしようとして足を前に出す意識が強いと、足が身体より前に着地してしまいます。
【足の着地が身体の前になる悪影響】
1.身体より前に着地してしまうと、着地の衝撃がブレーキとなり走る効率が著しく悪くなってしまいます。
2.筋肉・関節の負担が非常に大きく、腰や膝を痛めたり、太ももの筋肉の張り、シンスプリントの原因にもなりやすいと言われています。
接地衝撃が大きい

ストライドを大きくするストライド走法では前に進む推進力が強くなります。しかし、足の蹴り出しが生み出す推進力は完全ンに前方ではなく斜め上前方。
つまり、前への推進力が強くなるということは、上下の動きも大きくなり着地の衝撃も強くなるということ。
「体重が重い人」・「筋力が弱い人」・「初心者ランナーさん」では着地の衝撃に身体が耐えきれず、腰・膝といった関節や筋肉を故障してしまうリスクがあります。
筋力不足は後半失速の要因になるかも…

ストライド走法は筋肉の負担が大きい走り方です。
筋肉の負担が大きいため、筋力・筋持久力に自信の無い人では筋肉の疲労で後半失速してしまいます。また、筋肉内のグリコーゲンを消費しやすく、レース後半でグリコーゲンが枯渇することも失速の原因になってしまいます。
ストライド走を磨くには?

股関節の可動域を広げる

ストライドを大きくするためには「股関節の可動域」が非常に重要!特に重要なのは、股関節の伸展(足が後ろに伸びる動き)と股関節の屈曲(足を前に振り出す動き)です。
股関節の可動域を確保するには日ごろからストレッチを欠かさないようにしたり、足の動きを作ることが大切です。
【股関節の可動域を作るオススメメニュー】

1.レッグスイング
足を前後に振り出す動きです。膝を伸ばした状態・膝を曲げた状態と二通りありますが、両方を行うことをオススメします。

2.ランジ動作
片足を前に出して膝を曲げて重心を前に出した足に乗せます。足を前後に大きく開くことを意識しましょう!

3.ヒップフレクサーストレッチ
足を前後に大きく開くことを意識します!また、ストレッチ時間は30秒がオススメです。短い時間では効果が期待出来ないので30秒を複数回繰り返しましょう。
また、ストレッチは高頻度で行うと効果が出やすいため細目に行うのがオススメ!
下半身の筋力をつける

ストライド走法は筋肉・関節に大きな負担がかかる走り方。故障を防ぐためにも特に下半身の筋力は必要不可欠です。
【筋力が乏しい状態でストライド走法を取り入れるリスク】
筋力不足でストライド走法を取り入れると、筋肉の疲労によりレース後半で失速する要因となってしまいます。また、下半身の筋肉による着地の衝撃吸収が足りず関節や筋肉そのものを痛めてしまうリスクもあります。そのため、先に筋力強化は必要不可欠です。

1.スクワット
スクワットは筋トレの王道!体幹・下半身全体の筋肉を鍛えることが出来る筋トレです。お尻・太もも裏を中心に、太もも前や腹筋・背筋・ふくらはぎの筋肉を鍛えることができます。

走りに必要な筋肉のほぼ全てを鍛えることが出来るため、ランニングのための筋トレとしてスクワットは欠かせません!

2.カーフレイズ
つま先立ちを繰り返す筋トレです。身体が真上に引き上げられるようにかかとを上げることでふくらはぎの筋トレになります。

ふくらはぎの筋肉を鍛えることで足首の固定力が上がり、蹴り出しが強く安定します。

3.ヒップリフト
ヒップリフトは主にお尻・太もも裏の筋肉を鍛える筋トレです。お尻・太もも裏の筋肉はアクセル筋とも呼ばれる走る時の推進力を生み出す筋肉です。

ストライド走法に必要不可欠な大きな推進力を生み出す筋肉を鍛えることができます。

4.坂道ダッシュ
坂道を全力ダッシュすると推進力を生み出す筋肉全てを鍛えることができます。坂道は平坦よりも筋肉の負担が増えるため、筋肉を鍛える目的であれば坂道ダッシュがオススメです。

200mを数本から始めてみましょう!

5.プランク
ストライド走法は推進力が強い分、体幹の筋肉が弱いとランニングフォームがブレてしまいます。推進力が増えても体幹を安定させ、ランニングフォームが崩れないように鍛えておきましょう!
プランクは体幹を鍛えることが出来る代表です。
ウィンドスプリント(流し)を取り入れる

フォーム改善に最も即効性があるのが「ウィンドスプロント」。ウィンドスプリントを行うことで速く走るために必要なことが身体に身につきます。
1.神経系の活性化
速い動きを取り入れることで、脳から筋肉への伝達スピードが向上します。その結果、「動きがキレる」「足が軽くなる」といった効果が期待でき、長い距離だけを走ると動きが”モッサリ”してくる感覚を防いでくれます。
2.フォームの改善
ゆっくり走るだけでは理想的なフォームは身に付きません。ある程度スピードが出た状態で走る方が、自然と効率的な動きになります。
特にストライド改善には効果的であり、「地面を蹴る感覚」「股関節の伸展」「反発を使う感覚」を身体で覚えることができます。
3.接地の質の向上
速く走るようになると、自然と足の接地時間は短くなります。
これにより、「バタバタ接地の改善」「反発を使った走りの定着」というようにフォームの無駄がそぎ落とされます。
【ウィンドスプリントのやり方】
100mの平坦×3~7本を8割前後のスピードで走ります。
※全力では走らず、リラックスしながら走っているフォームに意識を向けながら行いましょう!
初心者さんが気を付けるべきポイント
初心者ランナーさんがストライド走法を意識する場合、「広げる」よりも「崩さない」ことが最優先。
よりある失敗を踏まえて、気を付けるポイントを整理しておきます。
無理にストライドを広げようとしない

無理にストライドを広げようとし、身体の前で足が着地するようになると、強いブレーキがかかります。足の着地の正しい位置は身体の真下です。
身体の前で足が着地してしまうと、腰・膝といった関節の故障やシンスプリント・太もも前の張りに繋がりやすくなります。

ストライド走法は歩幅を広くする走りですが、足の着地位置には注意しましょう!
ピッチ(足の接地回数)を極端に落とさない
ストライドを意識するとピッチが下がりがち。スピード=ストライド×ピッチ
ストライドを伸ばしてもピッチが極端に減ってしまっては、逆に遅くなってしまうことも…
元々、初心者ランナーさんはストライド走法よりもピッチ走法がオススメです。

まずはやや細目のリズムを保ちしながらストライドを徐々に伸ばすようにしましょう!
上に跳ねすぎない
ストライドを伸ばそうとすると上下の動きが増えます。
上に跳ねすぎると、エネルギーロスの増加・ふくらはぎの疲労増加などによる後半の失速、着地衝撃増加による故障の原因となります。

ストライドを走法は上に跳ねすぎないように、低く前にスーッと進む感覚で走りましょう!
体幹が崩れないようにする
ストライド走法は推進力が強い分、体幹が弱いとランニングフォームがばらつきます。ランニングフォームのバラツキはエネルギーロスの増加や故障の原因となってしまいます。
ランニングフォームが安定しているか、反り腰になっていないか、上半身が前に倒れすぎていないかなどを意識しましょう。必要なら体幹を鍛えるために、プランクなどの筋トレやイージランの走り込みなどの身体作りが必要になります。
無理にストライド走法を維持しない

初心者ランナーさんがストライド走法を維持できるのは体力のある前半だけ…
後半は自然とピッチ走法に近づくのが普通です。無理にストライドを保とうとすると、筋肉が疲労により対応できなくなり膝などの関節を痛めてしまう原因にもなってしまいます。

初心者の内は疲れてきたらストライド走法を無理に維持するのは止めておきましょう!
まとめ
ストライド走法は一歩を大きくすることで推進力を大きくしスピードを上げる走り方です。
人によっては速く走ることができますが、万人向けの走り方ではありません。特に初心者で身体作りができていない内は、故障の原因になることも…
ストライド走法を磨くためにもまずはイージーランや筋トレで身体作りから始めてみることをオススメします。また、股関節のストレッチも欠かさないようにしましょう!
ストライド走法を行う時は足の着地は身体の真下が非常に大切!また、ランニングフォームが崩れていないかも意識しておきましょう。
様々な走り方を身に付けておくとレースの状況に応じて走り方を変えるなど戦略的な走りができます。ストライド走法も走り方の1つであるため、身に付けておくとレースがより一層楽しくなります。
風を切るランニング 

