【オススメ対象者】
1.マラソンや普段のトレーニングで何を飲んだらいいのか分からない
2.マラソンで適切な水分摂取量が分からない
3.水分補給がなんで必要なのか知りたい
マラソンで最後まで自分の力を引き出すために欠かせないものーそれが「水分補給」です。給水は単なる喉の渇きを潤す行為ではなく、パフォーマンスを安定させ、後半の失速を防ぎ、身体の機能を正しく保つための重要な戦略の1つです。レース本番だけでなく、日々のトレーニングでも水分補給の知識を持っているかどうかで、走りの質は大きく変わります。
この記事では「水分補給の種類」・「マラソンにおける適切なタイミングと量」・「身体の中で水分・ミネラルが果たす役割」・「日々のトレーニングの考え方」について分かりやすく解説します。正しい給水を知り、より強い走りへつなげていきましょう。
水分補給の種類
水分補給には大きく分けて以下の3つに分けられます。それぞれのメリット・デメリットをお伝えしていきます。
水

多くのランナーがイメージする通り、水は身体に速やかに吸収され、のどの渇きをいやします。また、水はカロリーがないため、日々のカロリーを気にしている人にも適しています。短時間のトレーニングや短距離のレースであれば、速やかに吸収される水が適していると言えます。
しかし、水はミネラルや糖質といった栄養は入っていません。そのため、水だけの補給ではナトリウムやカリウム・マグネシウムなどのミネラル、糖質といったエネルギー源が補給出来ないため、長時間のトレーニングやフルマラソンでは、水だけは失速の原因となってしまいます。
トレーニング時間が1時間以内と短いのか、距離がハーフマラソン以下なのかを判断し補給する水分が水で適しているのかを判断する必要があります。

1時間程度のトレーニングやハーフマラソン以下のレースでは水が適しています
ハイポトニック飲料(濃度:低)

ハイポトニックは運動により発汗したことで薄まった体液に合わせた濃度に調整されており、比較的濃度の低い水分です。市販品として代表的なものは「アミノバリュー」・「アクエリアスゼロ」・「H2O」です。
ハイポトニックは運動中の体液に合わせて薄く作られているため、電解質・糖質がある程度失われている身体に吸収されやすい強みがあります。
ハイポトニックは1時間以上のトレーニングを行う時やハーフマラソン以上の長距離を走っている時に速やかに水分とミネラルを補給するために適しています。

長いトレーニング・ハーフマラソン以上のレース中はハイポトニックで糖質・ミネラルも補給しましょう!
アイソトニック飲料(濃度:高)

アイソトニックは体液と同じ程度の濃度に調整されています。アイソトニックの市販品の代表として、「ポカリスウェット」・「アクエリアス」です。
アイソトニック飲料は、水分だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質、エネルギー源となる糖質も含まれているため、総合的な補給が可能です。
しかし、運動によって、体内の塩分や糖分が失われ体液が薄まっている状態では水分補給として適さない可能性もあります。身体は濃度を一定に使用とする働きがあり、水分は濃度の低い方から高い方に移動しようとするため、濃度の高いアイソトニックを摂取すると体液よりも濃度が濃いため水分が上手く吸収されない可能性があります。

アイソトニックは濃度が濃いので、トレーニング後・レース後の補給に検討しましょう。
レース中は、むしろ水分が失われる可能性があります。
マラソンにおける適切なタイミングと量
レース前

レース前の水分補給の目的は、体内の水分状態を正常にしておくことです。
レース開始2~4時間前に、水分を摂取します。水分が身体に吸収されやすいため、ゆっくり飲むことがポイントです。水分摂取量は体重(1kg)×5~10mlを目安にすると良いと言われています。また、水だけでなく塩分が含まれている飲料やお茶、軽食を摂ることで、より身体に水分が保持しやすくなります。

レース前は水またはお茶・ハイポトニック飲料を体重×5~10mlをゆっくり摂取しましょう。
体重60㎏の人であれば、300~600mlです。
【初心者へ】レース前・レース中にオススメの補給食と理由を解説!
レース中

人は体重の2%の水分が失われると、のどの渇きや集中力の低下が起こります。さらに4%の水分が失われると、動くことが難しくなってくると言われています。
レース中に水分補給を行う目的は、体内の水分が2%以上失うことを避けることです。
レース中の水分補給の目的は、2%以上の水分喪失を防ぐことです。水の摂取でも良いかもしれませんが、レース中は水だけでなくミネラル・糖質も失われていますので、ハイポトニック(濃度:低)を摂取するとミネラル・糖質も同時に補給出来ます。
マラソン中は補給食を摂取することもあると思いますので、必ずしもハイポトニックにこだわる必要はありません。エナジージェルなどを摂取する場合、エナジージェルの吸収を促進するために水の方がよい時もあります。
基本的に給水ポイントで水分を摂取するため、マラソン大会の給水箇所で給水のタイミングは決まってしまいます。しかし、水分摂取のタイミングと量は15分毎に150ml(コップ半分)が目安と言われています。

レース中は給水ポイントで必ず水分を摂取するようにしましょう!
補給戦略も考慮し水またはハイポトニックから選んで補給しましょう!
レース後

レース後の水分補給の目的は、身体に必要な栄養素を供給し回復を促すことです。水だけでなく、ミネラル・糖質などの摂取が必要です。十分な栄養素が摂取出来るように、レース後の飲料は、一般的にアイソトニック(濃度:高)がオススメされています。
他の補給食とのバランスも考慮し、アイソトニックだけでなくハイポトニックも検討してみて下さい。

レース後は失われた糖質・ミネラルが補給出来るようにアイソトニックまたはハイポトニックを摂取しましょう!
身体内の水分・ミネラルの役割
酸素の運搬

1.汗をかいて水分を失う
⇩
2.血液中の酸素運搬能力が低下
⇩
3.筋肉の糖質の使用量・乳酸の生成量増加
⇩
4.身体が動かなくなりパフォーマンスが低下
走り続けるにはエネルギーを生成し続けることが必要です。疲労物質である乳酸を生成せずにエネルギーを生成するには酸素が必要です。体内の水分が失われると体内を循環する血液の粘土があがり、一時的に酸素の運搬能力が下がってしまいます。
マラソンのような持久系のスポーツでは、いかに筋肉の細胞に酸素を届けるかがパフォーマンスに直結します。酸素の運搬能力が一時的に下がってしまうことは、エネルギー生成効率が下がってしまいます。筋肉内の糖質の消費量が増加したり、疲労物質である乳酸が生成されるようになりパフォーマンスが維持出来なくなります。
最後までパフォーマンスを維持・発揮するために水分補給は欠かせないというわけです。

水分が不足すると糖質の枯渇・乳酸の生成量増加で身体が動かなくなってきます。
パフォーマンス維持のために水分は欠かせないということです。
神経・筋肉の正常活動
筋肉の収縮には、糖質エネルギーや脂質エネルギーだけでなく、カリウムなどのミネラルも関わっていることが分かっています。カリウム・マグネシウムは神経の伝達や筋肉・心臓の収縮にも関わっており、筋肉が正常に活動したり、心臓の正常な機能を維持するために欠かせません。
また、ナトリウムは体内の水分量を調整しようとする働きがあり、ナトリウムの不足は体内に水分を蓄えにくくなります。摂取した水分を体内に蓄えることが出来るように、ランナーにとってナトリウムの摂取は欠かせません。
持久系スポーツ選手が水だけでなくミネラルも摂取する理由がここにあります。

筋肉の正常な活動を維持するためにも補給食やハイポトニック飲料でミネラルを補給しましょう!
体温調節
走っていると筋肉の摩擦などにより体温が上昇してきます。走り続けると体温は上昇し続けますが、身体はそれを避けるために発汗により体温を下げようとします。しかし、体内の水分が減少し続けると発汗が難しくなり、熱中症のような痙攣といった症状が出てくる可能性があります。
トレーニング時の考え方
日々のトレーニングの給水はどのようにすれば良いのでしょうか?トレーニング時間・強度によって適切な給水は異なります。
【短時間・低強度のトレーニング】
短時間(1時間未満)のランニングや低強度トレーニングでは、水分補給として水が最適です。
カロリーゼロで、身体に負担をかけずに水分を補給できます。
【長時間・高強度のトレーニング】
1時間以上の長時間ランニングや高強度トレーニングでは、ハイポトニック飲料が最適です。長時間のランニングや高強度のトレーニングではミネラル・糖質の補給はパフォーマンスを維持する手助けとなります。そのため、エネルギー源となる糖質や電解質(ナトリウム、カリウムなど)を含んでいるハイポトニックが望ましいです。
トレーニング後も失った水分・糖質・ミネラルがすぐに補給できるように、ハイポトニックまたはアイソトニック飲料を飲むことが適しています。
【風を切る日々!】 



