ランニング中やランニング後に、急にお腹が痛くなったり、トイレに駆け込みたくなった経験はありませんか?実はランナーの3~5割がランニング中の下痢に悩まされていると言われています。走る事自体は健康に良いはずですが、なぜお腹がゆるくなるのでしょうか?
本記事ではランニング中に下痢が起こりやすくなる原因と今日から始められる具体的な対策まで分かりやすくお伝えします。快適に走り続けるためのヒントを知って、トラブルの少ないランニング習慣を作っていきましょう。
ランナーズ・トロッツ(Runners’ Trots)とは?

ランナーズ・トロッツ(Runners’ Trots)は、長距離ランニング中に突然起こる下痢や腹痛、急激な便意を指す俗称です。主な原因は、運動中の血液供給の優先順位が筋肉に移ることで消化器系への血流が減少し、消化機能が低下することです。これにより、消化がうまく進まず、下痢を引き起こすことがあります。運動中の突然の腹痛や急激な便意は、場合によっては競技の中断を余儀なくされることもあります。
ランニング中に下痢になりやすい理由
消化器系への血流が減少
運動中、身体は筋肉の活動が維持出来るように筋肉への血液供給を優先しようとします。その結果、全身に循環する血液量の割合は消化器系への供給を減らし、筋肉への割合を増やそうと反応します。そのため、消化器系に循環する血液量が減少するため、消化器系の働きは低下し、消化が上手くいかず、胃腸の内容物が上手く消化しないまま移動し下痢を引き起こす原因となります。
特にマラソンのような長時間動き続けるスポーツは、消化器への血流減少状態が長く続くため、ランナーはランナーズ・トロッツ(Runners’ Trots)に悩まされやすくなります。
身体の上下の揺れが腸を刺激

ランニング中の揺れは、腸に刺激を与えている可能性があります。ランニング中は身体が上下に揺れているため、便が大腸で水分が十分に吸収しきれないまま早く直腸へたどり着き、下痢症状が出ることがあります。
水分とミネラルのバランスの乱れ
マラソン中に一度に大量に水分を摂取すると大腸で吸収しきれずに、便に水分が吸収され下痢の原因なることがあります。
また、長時間のランニングやハーフ・フルマラソンでは、エネルギー補給が必要となりハイポトニック飲料やアイソトニック飲料としてスポーツドリンクを摂取したり、エナジージェルを補給することが多いです。しかし、運動により体液の濃度が薄くなっている時に、濃度の濃い水分や補給食を摂取すると体内の水分は濃い方へ移動するため、水分の吸収が妨げられます。その結果、体内への水分吸収が妨げられ、結果として下痢を引き起こす原因になることがあります。
水分の過剰摂取または水分不足により体内の水分・ミネラルバランスが崩れ、下痢を引き起こすリスクが高まります。
ストレスや精神的要因

マラソンのようなレースに出場する場合、多くのランナーは少なからず緊張や不安を感じます。そんな心理的ストレスは消化器系に大きな影響を与えることが分かっています。緊張や不安は腸の動きを活発させ、下痢を引き起こすことがあります。
ランニング中の下痢対策
食事の調整

走る前の食事は下痢の予防には重要な要素です。特にレース前の数日間は、食物繊維や脂肪分の多い食事を避け、消化に良い食事を心がけることで下痢を予防することができます。チーズのような乳製品や大豆製品は、消化が難しい場合があるため、レース前は避けているランナーもいらっしゃいます。レース数日前~当日は食事内容に気を付けましょう。
水分補給の管理

マラソン中の水分補給はパフォーマンスを維持するために欠かせないものです。また、ランニング中の適度な水分は胃腸の負担を軽減させ下痢を予防する効果もあります。一度に大量の水分を摂取すると水が吸収しきれず、下痢の原因になることもあるため、ランニング中の水分は細目に少量ずつ摂ることがポイントとされています。15分間隔で150ml摂ることが目安とされています。
また、走っている時に濃いスポーツドリンクを飲むと逆に水分不足になる可能性があるため、注意が必要です。
日々のトレーニングで腸を適応させる

日々のトレーニングで心肺機能や筋肉を鍛えるだけでなく、消化器系も適応させることができます。日々のトレーニングで水分補給や補給食を行い、色々試すことで自身の消化器系に負担をかけずに済む方法を模索することでレース本番でお腹を崩さずにすみます。また、日々のトレーニングで補給も取り入れることで、腸が適応するようになってきます。
日々のトレーニングで様々な飲料水・補給食を試して、腸が適応するように取り込んでいきましょう。
ストレスの管理
精神的なストレスは胃腸の調子を不安定にし、下痢を引き起こす要因となってしまいます。レースの緊張やストレスも胃腸の調子を崩す原因となるため、事前に精神的にリラックス出来るようにルーティーインなどを取り入れると良いとされています。
リラックスできる呼吸法や瞑想など、リラックスを促す手段を活用して、レース当日の過剰な緊張を抑えることが効果的です。
便意を抑える薬の使用

ランニング・レース中の下痢を予防するために、市販の下痢止めを使用しているランナーもいます。下痢止めの市販品として、ライオンの「ストッパ」シリーズは水なしで服用できるため下痢止め薬として携帯するのも一つの方法です。
しかし、薬の使用は効果は個人差があり、副作用も生じる可能性があるため、事前に有識者に相談したり、試しておくことをオススメします。
ランニング中の下痢が起こった際の対処法
事前にトイレの位置を確認
レースであれば事前にどの位置・どの程度の間隔でトイレが設置されているのか確認しておきましょう。また、日々のトレーニングではお腹を壊した時にトイレに入れるようにトイレの位置を把握しておきましょう。
水分とミネラルを摂取する
下痢によって体内からは水分とミネラルが失われてしまいます。水分・ミネラルが失われたままではパフォーマンスが低下するため、スポーツドリンクや補給食を活用して、身体を回復させましょう。
【風を切る日々!】 
