ランニングとジョギングの違いとは?ペース・消費カロリーと初心者におすすめの始め方

 「1kmを何分で走ればランニング?」「ジョギングでは運動にならない?」と疑問に思う方もいるでしょう。

 結論からいうと、両者を分ける全国共通のペース基準はありません。 一般には、ゆとりをもって走ることをジョギング、より速く走ったり記録を意識したりすることをランニングと呼びます。ただし、同じ速さでも、その人の体力によって負担は変わります。

 初心者は名称や「何分/km」にこだわらず、息づかいと翌日の疲れ具合で速さを決めるのがおすすめです。

 この記事では、ペースの考え方、消費カロリーの計算例、目的別の選び方、無理のない始め方を整理します。

ランニングとジョギングの違いを一覧で比較

比較項目ジョギングの一般的なイメージランニングの一般的なイメージ
速さ比較的ゆっくりゆっくりから速いペースまで幅広い
主な目的運動習慣づくり、気分転換、楽に走る練習健康づくりから記録向上、レースまで幅広い
呼吸の目安会話しながら続けられる程度を目標にしやすい練習内容によっては短い言葉しか話せない
時間当たりの消費エネルギー同じ人・同じ時間なら、ゆっくり走るほど少ない傾向速く走るほど多い傾向
初心者への取り入れ方歩きと交互に行い、短時間から始めやすい慣れてから目的に応じて速さや時間を調整する

 この表は呼び名の使われ方を整理したもので、医学的な判定表ではありません。 2024年版の身体活動コンペンディウムには「ジョギング」と「ランニング」の両方が載っていますが、ジョギングを一律の速度以下とする基準は示されていません。実際、掲載されている速度帯には重なりがあります。

何分/kmからランニングになる?

 「1km7分ならジョギング、6分ならランニング」といった固定の境界は設けられません。コンペンディウムには時速約6.4~6.8kmの「ランニング」も、本人が選んだペースの「ジョギング」も収載されています。

 例えば1km7分が楽な人もいれば、数分で息が上がる人もいます。ペース表示は練習の記録には便利ですが、最初の運動強度は体感で調整しましょう。

会話テストで自分に合う強度を確認する

 走りながら短い会話を続けられるなら、初心者がゆっくり走る際の実用的な目安になります。数語を話すたびに息継ぎが必要なら、いったんペースを落とすか歩きましょう。

中等度の目安

 米国CDCは、一般的な強度の確認法として、中強度では会話できるが歌えず、高強度では数語以上話し続けにくいと説明しています。

 ただし、「ジョギング=必ず中強度」ではありません。 CDCはジョギングとランニングを一般的な高強度活動の例に挙げています。

 

楓(かえで)
楓(かえで)

同じ運動でも本人の体力により相対的な強度は異なります。「ジョギング」という名前だから楽な運動だと決めつけず、自分の呼吸で判断してください。

消費カロリーはどちらが多い?

同じ30分なら、通常は速く走る方が多い

 身体活動のエネルギー消費を概算するときは、次の式が使えます。

消費エネルギーの概算(kcal)=METs × 体重(kg)× 運動時間(時間)

 2024年版コンペンディウムの「本人が選んだペースのジョギング」は7.5 METs、「本人が選んだペースのランニング」は10.5 METsです。体重60kgで各30分行うと、ジョギング約225kcal、ランニング約315kcalという計算になります。

例:体重60kg、30分参照するMETs概算消費エネルギー
ジョギング(本人が選んだペース)7.5約225kcal
ランニング(本人が選んだペース)10.5約315kcal
研究2

 これは集団で使う活動分類から計算した目安で、実際の速さを揃えた比較や、個人の測定結果ではありません。

 安静にしていても消費する分を含む概算値であり、坂道、体格、走り方などでも変わります。

同じ距離なら、速い方が必ず大幅に多いとはいえない

 同じ距離を走る場合、速くすると1分当たりの消費は増えますが、走り終わるまでの時間は短くなります。

研究2

 そのため、「30分走る比較」の差を、そのまま「5km走る比較」に当てはめることはできません。呼び名だけで消費カロリーを決めず、体重・実際の強度・運動時間を揃えて考えましょう。

研究3

 体脂肪を減らしたい場合も、1回の消費カロリーだけで結果は決まりません。続けられる活動量と食事を合わせて考えることが大切です。

初心者にはジョギングとランニングのどちらがおすすめ?

 これから走り始めるなら、会話できる程度のゆっくりした走りを、ウォーキングと組み合わせる方法がおすすめです。ジョギングと呼んでも、ゆっくりしたランニングと呼んでも構いません。歩きを挟みながら、自分が続けられる量を見つけましょう。

研究4

 英国NHSの初心者向けプログラムも、週3回、間に休養日を設け、初週は1分走・1分30秒歩から始めます。最初から30分連続で走る必要はありません。

目的最初に選びたい方法調整のポイント
運動習慣をつくりたいウォーキング+ゆっくり走る会話できる速さで短時間から
体重管理をしたい続けやすい速さで走る・歩く1回の強度より継続と食事も重視
5kmを走れるようになりたい走る区間を少しずつ延ばす速さより連続して動ける時間を優先
記録を伸ばしたい楽な走りを土台にする継続できてから速い練習を検討

 健康づくりには速いランニングだけが必要なわけではありません。

WHOの目安

 WHOは少しの身体活動でも意味があると説明しており、米国CDCは成人の目安として週150分の中強度活動、または週75分の高強度活動などを示しています。

 これらは将来的な目標であり、始めた週から達成しなければならないノルマではありません。

初心者向け|4週間の始め方

 以下は運動習慣がない方のための編集部作成例です。

研究4

 研究で効果が実証された特定の4週間プログラムではありません。

 各回は歩きで体を慣らしてから始め、終わりも歩いて呼吸を整えてください。週2~3回を目安に、走る日はできれば間を空けましょう。

週1回の主な内容回数の目安
1週目ゆっくり走る1分+歩く2分を5回週2~3回
2週目ゆっくり走る2分+歩く2分を5回週2~3回
3週目ゆっくり走る3分+歩く2分を4回週2~3回
4週目ゆっくり走る5分+歩く2分を3回週2~3回

 会話が難しいほど息が上がるなら、走る速さや時間を減らしてください。翌日に強い疲れや痛みが残る場合は次の段階へ進まず、同じ週を繰り返すか休みましょう。ウォーキングだけから始めても問題ありません。

慣れてきたら、いつ速く走る?

 楽な走りを続けても体調が安定し、走る時間を少しずつ延ばせるようになってから考えます。最初は毎回のペースを上げるより、走る時間を少し延ばす方が進め方を把握しやすいでしょう。

 大会の記録を目指す場合も、楽な日と負荷の高い日を分け、疲れが蓄積しないか確かめてください。

始めるときの注意点

  • 「遅いから効果がない」と考えない。 歩くことも身体活動です。まず今より少し体を動かすところから始めましょう。
  • 息切れを我慢して毎回走らない。 会話テストを使い、負担が大きければ歩きを挟みましょう。
  • 痛みを押して続けない。 足や膝などの痛みが強まる、歩いても痛い、走り方が変わる場合は運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
  • 体調に不安がある場合は事前に相談する。 持病や運動制限がある方、運動中の胸の痛み・強い息切れ・めまいがある方は、無理をせず医療機関へ相談しましょう。

よくある質問

1km10分でもジョギングになりますか?

 一定のタイムを超えないとジョギングと呼べない、というルールはありません。歩きに近い速さでも、軽く走る動きで進んでいればジョギングと表現できます。名称より、無理なく続けられるかを優先しましょう。

ジョギングでは心肺機能が鍛えられませんか?

ジョギングでも本人にとって十分な運動強度になることがあります。運動が初めての方には、ゆっくりした走りが楽とは限りません。心拍や呼吸、継続できる時間を確かめながら取り入れましょう。

毎日走った方が早く慣れますか?

 毎日走る必要はありません。NHSの初心者向けプランは週3回、間に休養日を設けています。疲れや痛みがある日は歩きに替えるか休みましょう。

まとめ

 ランニングとジョギングを分ける固定の「何分/km」はありません。初心者は会話できる速さで、歩きも使いながら、無理なく続けることから始めましょう。

 

楓(かえで)
楓(かえで)

消費カロリーは同じ時間なら速く走る方が多い傾向がありますが、同じ距離なら運動時間も変わります。ペースの名前より、目的と体調に合う負荷を選ぶことが大切です。

参考文献・資料