
「自宅でもランニングに役立つトレーニングを行いたい」
「筋トレ器具を置きたいけれど、大きなマシンを置くスペースはない」
このように考えている市民ランナーは多いのではないでしょうか。
自宅トレーニングでは、スポーツジムのように多くの器具をそろえる必要はありません。
大切なのは、限られたスペースでも、
- 下半身に十分な負荷をかけられる
- 片脚で身体を支える練習ができる
- 体幹や上半身も鍛えられる
- ジャンプ系トレーニングを取り入れられる
- 運動前後のセルフケアに使える
といった目的を満たせることです。
本記事では、大型のトレッドミルやエアロバイクは除外し、自宅に置きやすい省スペースのトレーニングアイテムを紹介します。
ランナーに自宅トレーニングは必要?

ランニングを継続することで、心肺機能や脚の持久力は高められます。
一方、通常のランニングでは、重い負荷に対して大きな筋力を発揮する機会は限られます。
そのため、ランニング以外のトレーニングでは、主に次の能力を補うことが目的になります。
- 下半身の最大筋力
- 片脚で身体を支える能力
- 足関節や股関節周囲の筋力
- 腱や筋に対する高い負荷への適応
- 短時間で素早く力を発揮する能力
- 体幹や上半身の安定性
持久系ランナーを対象とした研究では、高負荷の筋力トレーニングやプライオメトリックトレーニングをランニングと組み合わせることで、ランニングエコノミーやタイムトライアルなどが改善する可能性が報告されています。

どのような種目を、どのくらいの負荷で、どれだけ継続するかが重要です。ある程度の能力が上がってくると負荷を高めるためにトレーニングアイテムが必要になってきます。
自宅用トレーニングアイテムの選び方

収納時の大きさを確認する
自宅では、トレーニング中よりも収納している時間の方が長くなります。
購入前には、使用時の大きさだけでなく、
- 折りたためるか
- 収納袋が付属しているか
- 棚やクローゼットに入るか
- 壁際に置けるか
- 複数の部品をまとめて保管できるか
を確認しましょう。
負荷を段階的に調整できる
トレーニングを継続すると、最初は十分だった負荷に身体が慣れてきます。
重量やバンドの強度を変更できる器具であれば、体力の向上に合わせて負荷を増やせます。特に筋力向上を目的とする場合は、「軽くて使いやすい」だけでなく、将来的に十分な負荷をかけられるかも確認してください。
複数の種目に使用できる
省スペース性を重視する場合は、一つの運動にしか使えない器具より、さまざまな種目に使える器具が適しています。
例えば可変式ダンベルがあれば、
- スクワット
- ランジ
- デッドリフト
- カーフレイズ
- 上半身のトレーニング
まで幅広く行えます。
騒音や振動が少ない
集合住宅では、器具の大きさだけでなく、騒音や振動にも注意が必要です。
ダンベルを床へ置く音や、縄跳び・ジャンプによる振動は、周囲へ伝わる可能性があります。
省スペースだからといって、室内のどこでも安全に使えるわけではありません。
安全性を確認する
次の点も確認しましょう。
- 耐荷重
- 滑り止め
- 部品の固定方法
- バンドやロープの劣化
- 使用場所の広さ
- 床を傷つけないか

特に重量物、ジャンプ用品、ドアへ固定する器具は、使用方法を誤ると転倒や衝突につながる可能性があります。
自宅で使えるランナー向けトレーニングアイテム比較表
| 商品 | 主な目的 | 省スペース性 | 負荷調整 | おすすめする人 |
|---|---|---|---|---|
| TOP FILM 可変式ダンベル26kg | 下半身・全身の筋力トレーニング | ○ | ◎ | 自宅でも本格的に筋トレしたい人 |
| STEADY トレーニングチューブST104 | 全身の補助トレーニング | ◎ | ○ | 収納性と用途の広さを重視する人 |
| GronG エクササイズバンド | 股関節周囲・ウォーミングアップ | ◎ | ○ | 軽い補助運動から始めたい人 |
| PROIRON 折りたたみヨガマット6mm | 体幹・床運動・ストレッチ | ○ | ― | 床運動を快適に行いたい人 |
| トレーニング用縄跳び | ジャンプ・心肺刺激 | ◎ | △ | 短時間で跳躍刺激を加えたい人 |
| MUELLER リカバリーケアローラーEZミニ | セルフケア・可動域調整 | ◎ | ― | コンパクトなケア用品が欲しい人 |
GronG(グロング) エクササイズバンド トレーニングチューブ 美尻トレーニング ゴムバンド トレーニング ミニバンド フィットネス 強度別5本セット 収納袋付き 価格:1000円 |
ミューラー(Mueller)(メンズ、レディース)リカバリーケアローラー EZ ミニ アイボリー 白 51199 価格:2387円 |
1.TOP FILM 可変式ダンベル26kg
自宅で本格的に筋力トレーニングを行いたいランナーには、可変式ダンベルがおすすめです。
TOP FILMの可変式ダンベルは、約5〜26kgの範囲で重量を調整できるタイプです。

複数の固定式ダンベルを並べる必要がないため、重量を増やしながらも収納スペースを抑えられます。
ランナー向けには、次のような種目に使用できます。
- ゴブレットスクワット
- ブルガリアンスクワット
- スプリットスクワット
- ルーマニアンデッドリフト
- ステップアップ
- 片脚カーフレイズ
- ベントオーバーロウ
- ショルダープレス

特に片脚で行うブルガリアンスクワットやスプリットスクワットは、バーベルを置けない自宅でも下半身へ負荷をかけやすい種目です。
- 自宅でも高負荷の筋力トレーニングを行いたい
- 固定式ダンベルを何個も置きたくない
- 下半身だけでなく上半身も鍛えたい
- 筋力の向上に合わせて重量を増やしたい
商品によっては1個単位で販売されています。
両手にダンベルを持つ種目を行いたい場合は、2個必要になるため、購入単位を確認してください。
また、可変式ダンベルは内部に重量変更機構を備えています。床へ落としたり、投げるように置いたりすると故障する可能性があるため、丁寧に扱いましょう。
最小重量が約5kgの場合、肩周囲などの小さな筋肉を鍛える種目では重く感じる人もいます。
2.STEADY トレーニングチューブST104
トレーニングチューブは、省スペース性を最優先する人に適した器具です。
STEADYのトレーニングチューブST104は、強度の異なる複数のチューブを使い分けられるセットです。丸めて収納袋へ入れられるため、ダンベルよりも保管場所を取りません。
旅行や大会遠征などへ持っていきやすい点もメリットです。
ランナー向けには、次のような種目に使用できます。
- バンドローイング
- パロフプレス
- レッグカール
- 股関節屈曲運動
- 足関節の底屈運動
- 足関節の背屈運動
- ヒップヒンジ
- スクワットへの追加負荷

ダンベルでは抵抗を加えにくい水平方向の運動や、身体の回旋に抵抗する運動に使いやすい器具です。
- 収納場所をほとんど取りたくない
- 低価格から自宅トレーニングを始めたい
- 遠征先でも筋力トレーニングを続けたい
- 上半身や体幹も鍛えたい
注意点
チューブは便利ですが、下半身の筋力が高くなると負荷が不足することがあります。
高負荷筋力トレーニングを行いたい場合は、可変式ダンベルと組み合わせた方がよいでしょう。
また、ドアアンカーなどを使用する場合は、
- ドアの強度
- ドアが開く方向
- アンカーの固定状態
- チューブの傷やひび割れ
を毎回確認してください。
3.GronG エクササイズバンド5本セット
GronGのエクササイズバンドは、輪状になった短いミニバンドです。
強度の異なるバンドを使い分けられ、収納袋にまとめて保管できます。
主に次のような種目に使用できます。
- サイドウォーク
- モンスターウォーク
- クラムシェル
- ヒップアブダクション
- バンド付きヒップリフト
- スクワット
- ランニング前のウォーミングアップ

股関節周囲の筋肉を意識しやすく、トレーニング初心者でも比較的取り入れやすいアイテムです。
- 股関節周囲の補助トレーニングを行いたい
- ランニング前のウォーミングアップに使いたい
- 小さく収納できる器具が欲しい
- 強度を少しずつ変えたい
ミニバンドを使った運動だけで、下半身全体の筋力トレーニングを完結できるわけではありません。
また、「中殿筋を鍛えればランニング障害を予防できる」と断定することもできません。
ミニバンドは、
- スクワット
- ランジ
- デッドリフト
- カーフレイズ
などの基本的な筋力トレーニングを補う器具として活用しましょう。
4.PROIRON 折りたたみヨガマット6mm
体幹トレーニングやストレッチを自宅で行う場合、トレーニングマットがあると膝や肘への圧迫を軽減できます。
PROIRONの折りたたみヨガマットは、使用後に折りたたんで収納できるタイプです。丸めるマットよりも形が整いやすく、棚やクローゼットへ収納しやすい点が特徴です。
ランナー向けには、次のような種目に利用できます。
- プランク
- サイドプランク
- デッドバグ
- バードドッグ
- ヒップリフト
- クラムシェル
- ストレッチ
- モビリティトレーニング
- 床運動で膝や肘が痛くなりやすい
- 丸めたマットを置く場所がない
- 体幹トレーニングやストレッチを行いたい
- 使用後に棚へ収納したい
厚みのあるマットは床運動には使いやすい一方、立った姿勢で重いダンベルを持つと足元が不安定になることがあります。
ダンベルスクワットやデッドリフトなどを行う場合は、硬く滑りにくい床面を使用しましょう。
ダンベルによってマットが傷む可能性もあるため、重量物用のフロアマットとは用途を分けて考える必要があります。
5. トレーニング用縄跳び
縄跳びは、収納スペースをほとんど必要とせず、短時間で心拍数を高めやすいアイテムです。
連続したジャンプによって、
- 足関節周囲の筋力
- 腱の弾性利用
- 接地のリズム
- 素早い切り返し
- 短時間の心肺刺激
を取り入れられます。
- 短時間で運動強度を高めたい
- ジャンプ系トレーニングを取り入れたい
- 小さく収納できる器具が欲しい
- ランニング前の準備運動として使いたい
プライオメトリックトレーニングによってランニングエコノミーが改善する可能性は報告されています。
ただし、研究で行われているプライオメトリックトレーニングと、一般的な縄跳びは同じ内容ではありません。
縄跳びを行えば必ずランニングパフォーマンスが高まる、とまではいえません。
また、縄跳びは見た目以上に、
- ふくらはぎ
- アキレス腱
- 足裏
- 前足部
へ負荷がかかります。
最初は20〜30秒程度を数セット行い、翌日の痛みや張りを確認しながら増やしましょう。
集合住宅では騒音や振動にも注意が必要です。
6.MUELLER リカバリーケアローラーEZミニ
フォームローラーは筋力を高める器具ではなく、運動前後のセルフケアに使用するアイテムです。
MUELLERのリカバリーケアローラーEZミニは、一般的なフォームローラーよりも短く、収納しやすいタイプです。
ランナーは主に次の部位へ使用できます。
- ふくらはぎ
- 前もも
- ハムストリングス
- 殿部周辺
- 背中周辺
研究では、フォームローリングによって関節可動域が一時的に改善し、強い筋力低下を生じにくい可能性が報告されています。
運動後の筋肉痛や主観的な不快感を軽減する可能性も示されています。
- 大きなフォームローラーを置く場所がない
- ランニング前後に身体を動かしやすくしたい
- 硬すぎるローラーが苦手
- 遠征先でもセルフケアを行いたい
フォームローラーについて、
- 筋膜をはがす
- 癒着を完全に取り除く
- 疲労物質を流す
- ランニング障害を予防する
と断定することはできません。

フォームローラーは、運動前後に身体を動かしやすくしたり、主観的な心地よさを得たりする補助用品として使用しましょう。痛みを我慢して強く押しつける必要はありません。
目的別に選ぶおすすめアイテム

- TOP FILM 可変式ダンベル
- STEADY トレーニングチューブ
- PROIRON 折りたたみヨガマット
筋力向上を重視する場合は、可変式ダンベルを最優先にします。
チューブやマットは、ダンベルだけでは行いにくい上半身・体幹トレーニングを補う目的で使用するとよいでしょう。
- STEADY トレーニングチューブ
- GronG エクササイズバンド
- トレーニング用縄跳び
これらは収納袋へまとめやすく、棚や引き出しにも収納できます。
ただし、収納性だけで選ぶと下半身への負荷が不足する場合があります。筋力向上が目的であれば、片脚種目や動作速度の調整なども活用しましょう。
- GronG エクササイズバンド
- STEADY トレーニングチューブ
- PROIRON 折りたたみヨガマット
最初から多くの器具をそろえる必要はありません。
軽い負荷から始め、トレーニングに慣れてから可変式ダンベルを追加する方法もあります。
- トレーニング用縄跳び
- トレーニングマット
- 可変式ダンベル
ジャンプだけでなく、カーフレイズやスクワットなどの筋力トレーニングも組み合わせましょう。
- MUELLER リカバリーケアローラーEZミニ
- PROIRON 折りたたみヨガマット
セルフケア用品は便利ですが、ランニング負荷の調整、睡眠、栄養、筋力トレーニングの代わりにはなりません。
最初にそろえるならどの3点?
自宅トレーニングを始める市民ランナーには、次の3点がおすすめです。
下半身へ段階的に負荷をかけられるため、筋力向上を目的とする場合の優先度が最も高い器具です。
上半身、体幹、股関節、足関節など、ダンベルでは行いにくい運動を補えます。
体幹トレーニングや床運動を快適に行いやすくなります。
この3点があれば、下半身、上半身、体幹まで幅広くトレーニングできます。
自宅トレーニングの基本メニュー
週1〜2回の筋力トレーニング例
6〜12回×3セット
可変式ダンベルを胸の前で持ち、股関節と膝を曲げます。
6〜12回×3セット
股関節を後ろへ引き、ハムストリングスや殿部へ負荷をかけます。
左右6〜12回×2〜3セット
片脚で身体を支える能力を鍛えやすい種目です。
左右10〜20回×2〜3セット
ふくらはぎや足関節底屈筋群へ負荷をかけます。
10〜15回×2〜3セット
チューブを引き、背中や肩周囲を鍛えます。
左右8〜12回×2セット
チューブに身体を回されないように姿勢を保ちます。
ジャンプを取り入れる場合
- 縄跳び:20〜30秒×3〜5セット
- その場ジャンプ:5〜8回×2〜3セット
- スプリットジャンプ:左右3〜5回×2セット
ジャンプの高さや着地の安定性が低下する前に終了します。
回数を増やすことより、一回ごとの動作の質を優先しましょう。
自宅トレーニングを行うときの注意点

限界まで追い込みすぎない
毎回すべてのセットを限界まで行うと、筋肉痛や疲労によってランニングの質が低下する可能性があります。
セット終了時に、あと1〜3回程度できそうな余裕を残す方法が実践しやすいでしょう。
重要なランニング練習の直前に行わない
インターバル走やロング走の前日に、高負荷の下半身トレーニングや大量のジャンプを行うと、ランニングフォームや練習強度へ影響する可能性があります。
優先度の高いランニング練習との間隔を調整してください。
いきなり高重量を扱わない
高負荷筋力トレーニングの効果が研究で示されていても、初心者が最初から重いダンベルを扱う必要はありません。
まずは動作を練習し、その後に回数、セット数、重量を段階的に増やしましょう。
ジャンプの回数を増やしすぎない
プライオメトリックトレーニングは、少ない回数でも負荷が高くなります。
ジャンプの高さ、接地の短さ、着地の安定性が低下する前に終了してください。
硬い床や滑りやすい床を避ける
滑りやすいフローリングや、周囲に家具が多い場所では、転倒や衝突の危険があります。
ジャンプやダンベルトレーニングを行う前に、床面と周囲のスペースを確認しましょう。
器具の劣化を確認する
トレーニングチューブやミニバンドには、使用によって傷やひび割れが生じます。
切れかかったバンドを使用すると、顔や身体へ当たる危険があります。
使用前に毎回確認し、傷みがある場合は交換してください。
痛みがある状態で続けない
筋肉の疲労感と、関節や腱の痛みは分けて考える必要があります。
アキレス腱、膝、足裏、腰などに明確な痛みが出た場合は、負荷を減らすか運動を中止してください。
よくある質問
トレーニング初心者であれば、チューブでも一定の筋力向上は期待できます。
ただし、下半身の筋力が高くなると、チューブだけでは負荷が不足する可能性があります。
長期的に負荷を増やす場合は、可変式ダンベルや片脚種目と組み合わせるのがおすすめです。
ミニバンドは短い輪状のバンドで、サイドウォークやクラムシェルなどに使いやすい器具です。
トレーニングチューブは長く、ローイング、パロフプレス、レッグカールなど幅広い種目に使用できます。
一つだけ選ぶ場合は、用途の広いトレーニングチューブを優先しやすいでしょう。
すべてのランナーに必要な器具ではありません。
バランス能力を練習する目的では使えますが、ランニングパフォーマンス向上を目的とする場合は、まず実際のランニングと筋力トレーニングを優先しましょう。
腹筋ローラーは、体幹前面に高い負荷をかけられます。
一方で、腰が反りやすく、初心者には難しい場合があります。
最初はデッドバグ、プランク、パロフプレスなどから始め、姿勢を保てるようになってから取り入れる方法がおすすめです。
強い痛みや皮膚の異常がなければ、軽い刺激で使用することは可能です。
ただし、強く押せば効果が高まるわけではありません。
心地よく感じる範囲で使用し、あざや痛みが残るほど強く行わないようにしましょう。
最初は週1回から始め、慣れてきたら週2回へ増やす方法が実践しやすいでしょう。
重要なのは回数だけではなく、ランニングとの組み合わせです。
重要なランニング練習の質が低下する場合は、筋力トレーニングの量や実施日を調整してください。
まとめ
省スペースで自宅トレーニングを行いたい市民ランナーには、可変式ダンベル、トレーニングチューブ、折りたたみ式マットの3点が基本になります。
さらに目的に応じて、
- 股関節周囲の補助運動にはミニバンド
- ジャンプ刺激には縄跳び
- 運動前後のケアにはコンパクトなフォームローラー
を追加するとよいでしょう。
ただし、たくさんの器具を購入する必要はありません。
ランナーにとって重要なのは、器具の数ではなく、
- ランニングで不足しやすい負荷を補える
- 無理なく継続できる
- 段階的に負荷を増やせる
- ランニング練習の質を低下させない
ことです。

まずは自分の目的に合った器具を1〜3点選び、継続的に使用することから始めましょう。
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