
「ランニングをしているけれど、おやつを食べてもよい?」
「走る前や走った後には、何を食べるとよい?」
間食は、楽しみとして食べるだけでなく、食事の間に足りないエネルギーや栄養を補う方法にもなります。
ランナーのおやつ選びで大切なのは、何を食べるかに加えて、いつ・何のために食べるかです。
この記事では、市民ランナーにおすすめのおやつ・間食を、走る前・走った後・普段の生活に分けて紹介します。特定の商品ではなく、スーパーやコンビニで選びやすい食品を中心にまとめました。
ランナーのおやつ・間食は目的に合わせて選ぶ

まずは、次の3つを目安にしてください。
| 食べる場面 | 選び方 | 組み合わせ例 |
|---|---|---|
| 走る前のエネルギー補給 | 糖質を中心に、胃腸への負担も考える | バナナ、小さめのおにぎり、食パン |
| 走った後、食事まで時間が空く | 糖質とたんぱく質を組み合わせる | おにぎり+牛乳、パン+ヨーグルト |
| 普段の空腹や食事の不足を補う | 次の食事までの時間と不足している食品を考える | 果物+ヨーグルト、ナッツ+牛乳 |
運動前後の栄養では、運動の燃料になる糖質と、筋肉の修復などに必要なたんぱく質を、場面に応じて補うことが基本です。
ただし、**毎回のランニングに間食が必要なわけではありません。**食事を十分に摂れていて、短いジョギングの後にすぐ食事ができるなら、通常の食事で補う方法もあります。
以下の食品や量は、こうした栄養の考え方を日常に取り入れるための実践例です。特定の食品を食べるだけで、マラソンの記録が向上するという意味ではありません。
ランナーにおすすめのおやつ・間食10選

1.バナナ|走る前に取り入れやすい
バナナは、皮をむくだけで食べられる手軽な糖質源です。
朝のランニング前や、昼食から時間が空いた夕方の練習前などに使いやすい食品です。
まずは小さめ1本程度を例に、空腹の強さや走り始めるまでの時間に合わせて調整しましょう。直前に食べるとお腹が張る人は、時間を空けるか量を減らしてください。
走った後なら、ヨーグルトや牛乳と組み合わせる方法もあります。
2.おにぎり|しっかりエネルギーを補いたいときに
おにぎりは、糖質を補いたいランナーに便利です。「おやつは甘い物」というイメージがあるかもしれませんが、小さめのおにぎりも間食になります。
夕方の練習前や、ロング走の後に食事まで時間が空くときなどに向いています。
走る前は、塩むすびや梅など、脂質の少ない具を選ぶと調整しやすくなります。マヨネーズや揚げ物を使った具は、走るまでの時間や自分の消化のしやすさも考えて選びましょう。
3.食パン・ロールパン|量を調整しやすい
食パンやシンプルなロールパンは、食べる量を調整しやすい糖質源です。
練習前なら、食パン半枚〜1枚など、少量から試す方法があります。
クリームやバターを多く使った菓子パンは、糖質とともに脂質も多くなる場合があります。走る直前の補給には、シンプルなパンの方が選びやすいでしょう。
走った後は、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどを添えると、たんぱく質も補えます。
4.ヨーグルト|果物やパンと組み合わせやすい
ヨーグルトは、たんぱく質やカルシウムを補える食品です。
普段の間食や、走った後に使いやすく、バナナやパンと組み合わせると糖質も補えます。
たんぱく質を多めに摂りたいときは、高たんぱくタイプも選択肢です。ただし、含有量は製品によって異なります。
**無糖タイプだけが正解ではありません。**加糖タイプを選ぶ場合も、ほかの食事や間食を含めて量を考えましょう。乳製品でお腹が不調になる人は、無理に選ぶ必要はありません。
5.牛乳・豆乳|食欲がないときにも取り入れやすい
牛乳や豆乳は、飲み物として栄養を補える選択肢です。
走った後に固形物が食べにくいときや、パン・おにぎりにたんぱく質源を添えたいときに使えます。
牛乳と豆乳では栄養成分が異なり、豆乳のカルシウム量も製品によって違います。目的に合わせて表示を確認してください。
長く走った後の補給では、飲み物だけで済ませず、バナナやパンなどの糖質源を合わせると組み立てやすくなります。
6.ゆで卵・チーズ|たんぱく質を追加したいときに
ゆで卵やチーズは、普段の間食や運動後の補給に、たんぱく質源を追加したいときに便利です。
ただし、どちらも単独では糖質を十分に補いにくいため、走った後ならおにぎりやパンと組み合わせましょう。
卵やチーズだけを食べて「ランニングのエネルギー補給は十分」と考えず、食事全体の組み合わせを見ることが大切です。
7.焼き芋・干し芋|普段の間食や時間に余裕があるときに
焼き芋や干し芋は、糖質に加えて食物繊維も摂れる食品です。
普段のおやつや、走るまで時間に余裕がある場面の候補になります。一方、直前に多く食べると、お腹の張りが気になる人もいます。
干し芋は少量でも食べ進めやすいため、袋からそのまま食べ続けるより、食べる分を取り分けると量を把握しやすくなります。
8.果物・ドライフルーツ|持ち運びや食べやすさで選ぶ
みかん・りんご・キウイなどの果物は、普段の間食に変化をつけたいときに使えます。
ドライフルーツは持ち運びやすい一方、水分が少なく、少量に糖質がまとまっています。
走る前は、果物の種類や量によってお腹の張り・便意が出る人もいるため、練習で試してください。
食事まで時間が空くなら、ヨーグルトなどを添える組み合わせもよいでしょう。
9.ナッツ|普段の間食として少量を楽しむ
ナッツは、脂質や食物繊維などを含む食品です。食感を楽しみたい普段の間食に向いています。
小袋を選ぶか、小皿に取り分けると量を調整しやすくなります。
ただし、走る直前の糖質補給には、ナッツだけでは対応しにくい点に注意しましょう。直前はバナナやパンなどを優先し、ナッツは走る時間から離して食べると使い分けやすくなります。
10.ようかん・カステラ・せんべい|甘い物やお菓子も使い方次第
ようかん・カステラ・せんべいなども、糖質を補う選択肢になります。
小さめの個包装を選べば、量を把握しやすく、持ち運びにも便利です。
ただし、和菓子やせんべいなら何でも同じではありません。ナッツ入り、油を使った物、クリーム入りなど、製品によって脂質や食物繊維が異なります。
走った後は、こうしたお菓子だけで補給を終えず、牛乳やヨーグルトなどを合わせると、たんぱく質も補えます。
走る前の間食は何時間前に食べる?

運動前の食事は、一般に1〜4時間前の範囲で、量や自分の消化のしやすさに合わせて調整します。
間食も、食べる量が多いほど余裕を持たせると考えやすくなります。
| 走り始めるまでの時間 | 間食の実践例 |
|---|---|
| 2時間以上ある | 小さめのおにぎり、パンなど。空腹や前の食事に合わせて量を調整 |
| 1〜2時間程度 | バナナ、少量のパン、ようかんなど、食べ慣れた物 |
| 1時間未満 | 必要なら、食べ慣れた糖質源を少量。胃腸が弱い人は時間を空ける |
この表は、全員に当てはまる固定ルールではありません。速く走る日とゆっくり走る日でも、食べやすさは変わります。
走る前は、糖質が多く、脂質が少ない、食べ慣れた食品を基本にすると選びやすくなります。
大会当日に初めて試すのではなく、普段の練習で「食品・量・食べてから走るまでの時間」を確認しましょう。
走った後の間食は糖質とたんぱく質を組み合わせる

ロング走や強度の高い練習の後は、糖質によるエネルギー補充と、たんぱく質による筋肉の修復を意識します。
実践しやすい組み合わせは、次のとおりです。
- おにぎり+牛乳
- バナナ+高たんぱくヨーグルト
- パン+ゆで卵
- カステラ+豆乳
これらは組み合わせの例であり、どの組み合わせも1回で必要量をすべて満たすわけではありません。製品の量や、その後の食事で調整してください。
**走った後にすぐ食事ができるなら、その食事を補給に使えます。**逆に、食事まで長く空く場合や、同じ日に再び練習する場合は、早めに間食を用意する意味が大きくなります。
たんぱく質は、運動後の1回だけに集中させず、1日の食事と間食に分けて摂ることも大切です。
間食の量は「毎日同じ」にしなくてよい

ランナー全員に共通する、間食の最適なカロリー量はありません。
まずは、次の3つを確認しましょう。
- 次の食事まで、どのくらい時間があるか
- 今日の練習は、短いジョグか、長い・強度の高い練習か
- 直前の食事で、何をどのくらい食べたか
例
夕食まで1時間で、短いジョギングを終えたところなら、夕食を早める方法があります。一方、ロング走後で昼食まで数時間あるなら、間食でつなぐ方法が使えます。
体重を管理したい場合も、必要な補給まで一律に削らず、練習量と食事を合わせて見直しましょう。運動量に対してエネルギー不足が続くと、健康とパフォーマンスに悪影響が生じる場合があります。
コンビニで選ぶならこの組み合わせ

| 場面 | 選びやすい例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 夕方のランニング前 | バナナ、塩むすび、シンプルなパン | 走るまでの時間と食べる量 |
| 走った後、食事が遅れる | おにぎり+牛乳、パン+ヨーグルト | 糖質とたんぱく質の両方があるか |
| 普段の午後の間食 | 果物+ヨーグルト、小袋ナッツ+牛乳 | 次の食事を食べられる量か |
| 持ち運びを優先 | 個包装ようかん、せんべい、バー類 | 栄養表示と保存条件 |
バー類は、「プロテイン」「エネルギー」という商品名だけで判断せず、糖質・たんぱく質・脂質の表示を確認しましょう。
また、乳製品や卵などは、持ち歩く時間と保存温度にも注意してください。
ランナーがおやつを食べるときによくある失敗

運動後の補給と、楽しみとしてのおやつは、両方あって構いません。
ただし、袋から食べ続けると量を把握しにくくなります。まず食べる分を取り分け、空腹や次の食事に合わせて調整しましょう。
焼き芋やナッツなどは普段の間食に使える食品ですが、走る直前に多く食べると合わない人もいます。
普段食べやすい食品と、運動直前に食べやすい食品は、分けて考えましょう。
運動後にプロテイン飲料だけを飲んで、その後も食事を摂らないと、糖質の補給が不足する場合があります。
商品の栄養表示を見て、必要ならおにぎりやパンなどを加えてください。
忙しい日に間食でつなぐことはあっても、お菓子やバー類だけで食事を済ませる習慣は避けたいところです。
間食を使いながら、主食・主菜・副菜を含む食事を基本にしましょう。
よくある質問
ランナーはチョコレートやアイスを食べてもよい?
走る直前の補給に使う場合は、脂質の量や胃腸への影響を確認してください。糖質補給が目的なら、バナナやシンプルなパンなども選択肢になります。
プロテインバーはランナーに必要?
持ち運びやすさを重視する場合には便利ですが、製品ごとに成分が違うため、目的に合うか確認しましょう。
休養日も間食を食べてよい?
「休養日だから必ずゼロ」「走った日だから必ず追加」と固定せず、1日の食事全体で調整しましょう。
夜に走った後は、太るのが心配なので食べない方がよい?
夕食をまだ食べていないなら、まず食事を。夕食後に走り、補給が必要なら、食べやすい物を量を調整して選びます。就寝直前に多く食べると胃が重くなる人は、夕食と運動後の補給を分ける方法もあります。
まとめ
ランナーのおやつ・間食は、目的に合わせると選びやすくなります。
- **走る前:**バナナ・おにぎり・パンなど、糖質を中心に
- **走った後:**糖質とたんぱく質を組み合わせ、次の食事につなぐ
- **普段の間食:**空腹と食事の不足に合わせて、量を調整する

甘い物を一律に禁止する必要はありません。食べる楽しみも大切にしながら、練習と食事の間をつなぐ方法として間食を活用しましょう。
参考文献・資料
- Academy of Nutrition and Dietetics. Timing Your Pre- and Post-Workout Nutrition. Reviewed July 23, 2024.
- Sports Dietitians Australia. Recovery Nutrition.
- Sports Dietitians Australia. What to eat before, during and post exercise.
- Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20.
- Mountjoy M, et al. 2023 International Olympic Committee’s (IOC) consensus statement on Relative Energy Deficiency in Sport (REDs). Br J Sports Med. 2023;57:1073–1097.
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