ランナーにおすすめのプランク8選|バリエーション・やり方・練習への取り入れ方

 

マナブ
マナブ

「ランナーはプランクをした方がよい?」

「普通のプランクに慣れたら、どんなバリエーションを選べばよい?」

 プランクは、体を支えながら姿勢を保つ体幹トレーニングです。道具がほとんど必要なく、自宅でも取り組めます。

 

走(かける)
走(かける)

ランナーが取り入れるなら、長く耐えることだけを目標にせず、基本のプランク、横向きのサイドプランク、手足を動かす種目を段階的に組み合わせましょう。

 ただし、プランクだけでマラソンが速くなるとは限りません。この記事では、プランクをランニングを支える補助トレーニングとして位置づけ、初心者から経験者まで取り組める8つのバリエーションを紹介します。

ランナーがプランクを取り入れる目的

 走るときは、腕と脚が動き、片脚で体を支える局面が繰り返されます。プランクでは、それらの動きの土台となる体幹を、さまざまな負荷の下で支える練習ができます。

 種目選びでは、次の3つの課題に分けると分かりやすくなります。

練習する課題種目の例意識すること
腰が反りすぎないように支えるフロントプランクお腹を床へ落とさず、呼吸を続ける
体が横へ折れないように支えるサイドプランク肩と骨盤の位置をそろえる
手足を動かしても体がねじれすぎないように支えるショルダータップ、片脚上げ骨盤の向きを大きく変えない

 これは種目を選ぶための実践的な整理です。各種目を行えば、走行中のフォームが自動的に改善するという意味ではありません。走るときの体幹には自然な回旋もあるため、走行中まで体を固めて動きを止める必要はありません。

プランクをすればランニングは速くなる?

 体幹トレーニングが走力を支える可能性はありますが、研究結果は一様ではありません。

体幹トレーニングと5000m記録

 SatoとMokhaの研究では、6週間の体幹トレーニングを追加したランナーで5,000mの記録が改善しました。

 一方、地面から受ける力や下肢の安定性の評価では有意な改善が認められませんでした。研究を完了したのは20人で、結果の一般化には注意が必要です。

体幹トレーニングと酸素消費量

 大学の男性アスリート21人を対象とした8週間の研究では、体幹トレーニング群で体幹持久力や、一部の走行条件での酸素消費量が改善しました。

 ただし、酸素消費量には群と時間の交互作用が認められておらず、対照群より明確に優れた効果が示されたとは言い切れません。

バランスボールトレーニング効果

 また、若い男性アスリートを対象とした6週間のバランスボールトレーニングでは、体幹の安定性は改善したものの、ランニングエコノミーや走行姿勢は改善しませんでした。

 これらは複数の運動を組み合わせた研究であり、プランク単独や、バリエーション同士の優劣を直接示したものではありません。

走(かける)
走(かける)

プランクは補助トレーニングの一つとして取り入れ、ランニング練習・回復・脚の筋力トレーニングと組み合わせることが大切です。

ランナー向けプランクのバリエーションを一覧で比較

 以下の難易度はおおよその目安です。肩や手首の状態、体幹の持久力によって、取り組みやすさは変わります。

種目難易度の目安主な練習課題開始時の目安
① 膝つきフロントプランク初級短い支持距離で姿勢を保つ10〜20秒
② フロントプランク初級〜中級腰の反りを抑えて支える15〜30秒
③ 膝つきサイドプランク初級横向きで体を支える左右各10〜20秒
④ サイドプランク中級横方向の負荷に耐える左右各15〜30秒
⑤ プランク・ショルダータップ中級片手を離しても姿勢を保つ左右各4〜6回
⑥ 片脚上げプランク中級脚を動かしても骨盤を保つ左右各4〜6回
⑦ ゆっくりマウンテンクライマー中級膝を引き寄せながら支える左右各4〜6回
⑧ サイドプランク・脚上げ上級横向きで支えながら脚を動かす左右各3〜5回

秒数・回数は、無理なく始めるための実践上の目安です。ランナーに最適な量として研究で確立された数値ではありません。

走(かける)
走(かける)

最初は2〜3種目を各1セットから始め、余裕があれば2セットにします。セット間は30〜60秒程度休み、呼吸と姿勢が整ってから再開しましょう。

ランナーにおすすめのプランク8選

1.膝つきフロントプランク

 基本のプランクが難しい人の導入に適した種目です。

やり方
  1. うつ伏せになり、肩の真下に肘を置きます。
  2. 前腕と膝で体を支え、胸とお腹を床から持ち上げます。
  3. 頭から肩・股関節・膝までがおおむね一直線になる位置を保ちます。
  4. 息を止めず、10〜20秒を目安に続けます。

ポイント:

お尻を後ろへ引いて四つ這いに近い姿勢になると、負荷が変わります。膝で支えながら、肩から膝までを長く保つイメージで行いましょう。

2.フロントプランク

 前腕とつま先で体を支える基本種目です。まずはこの姿勢で呼吸を続けられることを目指します。

やり方
  1. 肩の真下に肘を置き、前腕を床につけます。
  2. 両脚を伸ばし、前腕とつま先で体を支えます。
  3. お腹とお尻に力を入れ、頭からかかとまでをおおむね一直線に保ちます。
  4. 15〜30秒を目安に保持し、ゆっくり体を下ろします。

ポイント:

腰を床へ落とす、お尻を高く上げる、肩をすくめる動きに注意します。顎を突き出さず、視線は床へ向けましょう。姿勢を保ちながら呼吸することが基本です。

3.膝つきサイドプランク

 横向きで体を支える練習です。通常のサイドプランクが難しい場合に選びます。

やり方
  1. 横向きになり、下側の肘を肩の真下に置きます。
  2. 両膝を曲げ、膝を重ねます。
  3. 下側の前腕と膝で支え、骨盤を床から持ち上げます。
  4. 頭・肩・股関節・膝がおおむね一直線になる位置で10〜20秒保持します。
  5. 反対側も同じように行います。

ポイント:

胸が床へ向いたり、骨盤が後ろへ倒れたりしないようにします。上側の手を腰に置くと、骨盤の向きを確認しやすくなります。

4.サイドプランク

 脚を伸ばした姿勢で横方向の負荷に耐える種目です。

やり方
  1. 横向きになり、肩の真下に肘を置きます。
  2. 両脚を伸ばします。最初は上側の足を下側の足より少し前に置いても構いません。
  3. 下側の前腕と足で支え、骨盤を持ち上げます。
  4. 頭から足までをおおむね一直線に保ち、左右各15〜30秒を目安に行います。

ポイント:

下側の肩へ沈み込まず、前腕で床を押して支えます。骨盤が落ちる場合は、保持時間を短くするか膝つきに戻しましょう。

5.プランク・ショルダータップ

 片手を床から離し、反対側の肩に触れる種目です。支持点が減っても、体のねじれを小さく保つ練習になります。

やり方
  1. 手を肩の真下に置き、腕立て伏せの開始姿勢になります。
  2. 足を肩幅程度、必要ならそれより広く開きます。
  3. 右手で左肩に軽く触れ、床へ戻します。
  4. 左手で右肩に触れ、床へ戻します。
  5. 左右各4〜6回を目安に、ゆっくり繰り返します。

ポイント:

手を離すときに骨盤を大きく回さないようにします。多少の重心移動は必要ですが、肩に触れるために体全体を振り回さないことが大切です。

難しい場合は足幅を広げるか、膝を床につけて行います。

6.片脚上げプランク

 フロントプランクから片脚を少し浮かせる種目です。脚の動きに合わせて、腰が反ったり骨盤が回ったりしないように支えます。

やり方
  1. 前腕で支えるフロントプランクになります。
  2. 右脚を伸ばしたまま、つま先が床から離れる程度に持ち上げます。
  3. 1〜2秒止め、ゆっくり下ろします。
  4. 左脚も同様に行い、左右各4〜6回を目安に繰り返します。

ポイント:

脚を高く上げる必要はありません。脚の高さを優先して腰が反るなら、上げ幅を小さくしましょう。

7.ゆっくりマウンテンクライマー

 腕で体を支えながら、片膝ずつ前へ引き寄せる種目です。ここでは、体幹のコントロールを練習するためにゆっくり行います。

やり方
  1. 手を肩の真下に置き、腕立て伏せの開始姿勢になります。
  2. 右膝を、無理のない範囲で胸の方向へ引き寄せます。
  3. 右脚を戻してから、左膝を引き寄せます。
  4. 左右各4〜6回を目安に繰り返します。

ポイント:

膝を胸につけようとして背中を大きく丸めたり、お尻を高く上げたりしないようにします。呼吸と姿勢を保てる範囲で動かしましょう。

 ランニングに似た脚の動きはありますが、この種目を行うだけで走行フォームが改善すると証明されているわけではありません。

8.サイドプランク・脚上げ

 サイドプランクを保ちながら、上側の脚を動かす発展種目です。通常のサイドプランクに十分な余裕がある人が対象です。

やり方
  1. 脚を伸ばしたサイドプランクになります。
  2. 上側の脚をゆっくり持ち上げます。
  3. 骨盤の向きを保てる位置で止め、ゆっくり戻します。
  4. 左右各3〜5回を目安に行います。

ポイント:

脚を上げるときに骨盤を後ろへ倒したり、つま先を天井へ大きく向けたりしないようにします。

難しい場合は、下側の膝を床につけ、上側の脚だけを伸ばして行います。上級種目を無理に選ぶ必要はありません。

目的別にプランクを選ぶなら

 8種目すべてを行う必要はありません。現在の課題に合わせて2〜3種目を選びましょう。

現在の状態・目的組み合わせ例
プランクを初めて行う膝つきフロント+膝つきサイド
基本の姿勢を保つ練習をしたいフロント+サイド
手足を動かすと姿勢が崩れるフロント+ショルダータップ+片脚上げ
基本種目に余裕があり、課題を増やしたいサイド+ゆっくりマウンテンクライマー+サイド脚上げ

 

走(かける)
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走っているときに腰が落ちる、体が左右に揺れるなどの悩みがあっても、原因が体幹の弱さだけとは限りません。

疲労、走行ペース、脚の筋力なども関係するため、プランクだけで解決しようとしないことが大切です。

プランクは何秒・何セット・週何回行う?

 初めて取り入れるなら、週2回、1回5〜10分程度から始める方法があります。

項目開始時の目安
種目数2〜3種目
静止する種目1セット10〜30秒程度
動く種目左右各3〜6回程度
セット数各1セットから始め、余裕があれば2セット
セット間の休憩30〜60秒程度。必要なら長くする
頻度週2回から開始

 これらは導入例です。姿勢が崩れる場合は、表の秒数や回数よりも少なくして構いません。

 負荷を増やすときは、秒数・回数・セット数・種目の難易度のうち、一つだけを変えます。例えば20秒を安定してできるようになったら25〜30秒にし、十分な余裕ができてから手足の動きを加えます。

走(かける)
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1分以上できるかどうかを、ランナーの体幹の強さを判定する合格基準にする必要はありません。

ランニング前・後・休養日でどう取り入れる?

ランニング前

 行う場合は、慣れた種目を短く実施し、疲労を残さない量にします。例として、フロントプランク10〜15秒、膝つきサイドプランク左右各10秒を各1セット程度です。

 ただし、走る前にプランクが必須というわけではありません。軽いジョグや動的なウォームアップも行い、体幹を追い込まないようにしましょう。

軽いジョグの後

 5〜10分の補助トレーニングを組み込みやすいタイミングです。ただし、走った後に姿勢を保てないほど疲れている場合は、その日は短縮するか別日に回します。

休養日・筋力トレーニングの日

 ランニングとは別に行っても構いません。休養日の目的が疲労回復なら、プランクで疲労を追加する必要はありません。筋力トレーニングの日には、スクワットやカーフレイズなどと合わせて、全体の負荷を調整しましょう。

 インターバル走やロング走の直前に、新しい種目や限界までの保持を入れるのは避けます。

 少人数の予備的研究では、体幹・上半身を疲労させた後に高強度のランニングエコノミーが悪化する可能性が示されています。ただし、短時間の軽いプランクにも同じ影響があるとは断定できません。

初心者向け|4週間の始め方

 次の表は週2回の導入例です。週が進んだからといって、自動的に難しくする必要はありません。

期間種目量の目安
1週目膝つきフロント、膝つきサイド10〜15秒、左右各10秒を各1セット
2週目同じ2種目15〜20秒、左右各10〜15秒を各1〜2セット
3週目余裕があればフロントへ変更。サイドは膝つきでも可15〜25秒、左右各15秒を各1〜2セット
4週目安定した基本種目を継続。余裕があればショルダータップを追加基本種目は各1〜2セット、タップは左右各3〜4回を1セット

 

走(かける)
走(かける)

次へ進む条件は、呼吸を続けられる、狙った姿勢を保てる、痛みがない、次のランニングに疲労を残さないことです。条件を満たさなければ、同じ内容を続けましょう。

ランナーがプランクでやりやすい失敗

よくある失敗修正方法
秒数を伸ばすために腰を反らせるそのセットを終え、次は短くするか膝つきにする
息を止めて耐える負荷を下げ、自然に呼吸できる姿勢へ戻す
肩をすくめる、肩へ沈み込む肘・手の位置を確認し、床を押して支える
手足を大きく動かして骨盤が回る動く範囲を小さくし、ゆっくり行う
最初から全種目を毎日行う2〜3種目、週2回から始める
記録が伸びないためプランクだけを増やすランニングの内容、回復、補給、脚の筋力も見直す

 フォームを確認するときは、横から撮影すると腰の反りやお尻の高さを、正面・後方から撮影すると骨盤の傾きや回旋を確認しやすくなります。

プランクを行うときの注意点

 お腹やお尻に力が入り、筋肉が疲れる感覚と、腰・肩・手首に出る痛みを分けて考えましょう。

 運動中に痛みが出たら中止します。腰を反らせないようにしても痛む場合は、無理に続けません。痛みが続く、しびれがある、日常動作やランニングにも支障がある場合は、医療機関へ相談しましょう。

 基本のプランクについても、ACEは腰痛が出た場合の中止と医師への相談を案内しています。

 手首がつらい場合は前腕で支える種目を検討できますが、肩の負担までなくなるわけではありません。床でのプランクが難しい場合は、壁に手をつく方法や、動かない安定した台に前腕を置く方法で負荷を下げられます。台は体重をかけても滑ったり倒れたりしないものを使ってください。

 持病などで運動上の制限がある人は、その指示に従って負荷と呼吸を調整します。

よくある質問

プランクは毎日行った方がよい?

毎日行う必要はありません。まずは週2回から始め、筋肉痛や疲労、次のランニングへの影響を見ながら調整しましょう。

普通のプランクとサイドプランクはどちらがよい?

支える方向が異なるため、両方を組み合わせる方法があります。初心者は膝つきで構いません。どちらが走力向上に優れるかは、この記事で確認した研究からは判断できません。

プランクだけでマラソン後半のフォーム崩れを防げる?

プランクだけで防げるとは言い切れません。後半のフォームには、持久力、脚の疲労、序盤のペース、補給なども関係します。体幹トレーニングとともに、レースに必要な練習と当日の走り方を整えましょう。

プランクはランニングのケガ予防になる?

体幹の能力を高める補助運動にはなりますが、プランク単独でランニングのケガが減ると、この記事で紹介した研究から断定することはできません。走行量の増やし方、回復、下肢の筋力なども合わせて考えます。

不安定なボールや器具を使った方が効果的?

器具は負荷を変える手段の一つです。ただし、難しいほどランナーに有効とは限りません。まずは安定した床で姿勢を保ち、必要に応じて手足の動きを加えましょう。

まとめ

 ランナーがプランクを取り入れるなら、基本のフロントプランクとサイドプランクから始め、余裕が出たらショルダータップや片脚上げへ進めます。

 

走(かける)
走(かける)

長く耐えることよりも、呼吸を続けながら姿勢を保つことを優先しましょう。週2回、2〜3種目から始め、ランニングに疲労を残さない範囲で続けることが、無理なく取り入れるポイントです。

参考文献