「ランニング中に手が痺れるんだけど…」
「手が痺れるのってなにか神経が原因?」
本記事にたどり着いた人はランニング中に手が痺れてきて、心配になって原因と対策を知りたい方だと思います。
ランニング中の手の痺れは私も何度か経験したことがあり、原因と対策を知ることで解決することができました。現役理学療法士+ランナーとして、ランニング中に手が痺れてしまう原因と対策をお伝えします。
ランニング中に手が痺れて心配だという人は参考にしてみて下さい。
ランニング中に手がしびれる原因と対策
① 腕や肩周囲の筋肉の緊張による神経・血管の圧迫

【メカニズム】
1.肩や首の筋肉が緊張する
↓
2.筋肉が硬くなり、神経や血管を圧迫する
↓
3.神経や血管の働きが低下し、しびれや違和感が生じる
【ランニング中によくある姿勢】
1.肩をすくめる
2.腕に力が入る
3.猫背・前かがみになる
ランニング中、肩から先はリラックスしていることが理想です。しかし、肩をすくめたり、腕に力が入っていると、首・肩周囲の筋肉の緊張状態が続きます。
また、体幹前傾姿勢を作ろうとして腰折り姿勢・猫背になってしまうと、肩や腕に余計な力が入り手がしびれてしまう原因になってしまいます。
肩や腕に余計な力が入ってしまうと「腕神経叢(首から腕へ向かう神経)」・「鎖骨周囲の血管」が圧迫され、一時的なしびれが生じることがあります。
対策

・顎を引き、背筋を伸ばす
・肩の力を抜く
・肘を約90°に曲げて自然に振る
・手は軽く楽な姿勢
・身体の軸がぶれないことを意識する
・歩幅は無理なく

よくあるのは、疲れてくると無意識に拳を強く握り、肩がすくむパターンです。
長時間走では時々肩を回すなどの工夫もオススメです。
② 手のむくみ(運動誘発性手腫脹)

【発生メカニズム】
1.運動中は体温上昇や血管拡張により、血液や水分が手にたまりやすくなる
↓
2.手に浮腫みが生じ、神経が圧迫される
↓
3.しびれ・違和感・手が重い感覚が生じる
【特徴】
1.長時間(1時間以上)のランニングで生じやすい
2.両手に出ることが多い
3.手袋がきつく、指輪が外しにくい
4.運動後に自然と改善することが多い
【浮腫みが起こりやすい人】
1.暑い環境で走ることが多い人
2.水分補給が不足している人
長時間のランニングでは手が腫れることがあります。原因として考えられるのは、「体温上昇による血管拡張」・「腕を下げた状態が続くこと」など。
手が腫れることで一時的に神経が圧迫され、「指先がジンジンする」・「手袋がきつく感じる」ことがあります。
対策
・時々手を開閉する
・ランニング後に腕を上げる
・水分補給を適切に行う

ランニング中に意図的に手を「グー・パー」するだけでも血流改善に役立ちます。
③ 首由来(頚椎)が原因の場合

首の神経が圧迫されている場合、ランニングの振動や姿勢変化で症状が出ることがあります。例えば、「頚椎症」・「頚椎椎間板ヘルニア」などです。
【特徴】
・特定の指だけしびれる
・首や肩の痛みを伴う
・日常生活でも症状がある
・片側の腕や手がしびれることが多い

この特徴に当てはまる人は要注意です。
一度医療機関を受診し、確認してもらうことをオススメします。
対策
・猫背を改善する
・首を前に突き出さない
・胸を軽く開く
・首周囲のストレッチを行う

ランニング中に首が前に出るフォームの人は症状が出やすいことがあります。
④ 脱水・電解質不足が原因の場合

【メカニズム】
1.大量の発汗・水分摂取不足により体内の水分や電解質が減少
↓
2.神経や筋肉の働きがうまくいかなくなる
↓
3.てのしびれ・こむらがえり・むくみが起こる
【こんな人に出やすい】
1.暑い環境で運動する人
2.食事でミネラルが不足している人
3.水分補給が不足している人
4.利尿剤を使用している人
5.下痢などで一時的に水分を失った人
大量の発汗によって、”ナトリウム”・”カリウム”などのバランスが崩れると、「しびれ」・「筋けいれん」が生じることがあります。ただし、手だけがしびれる場合は、神経圧迫によるものの方が一般的です。
対策
・暑い日はこまめな給水
・長時間走ではスポーツドリンクの利用
・発汗量が多い場合はナトリウム補給

特に夏場のロング走では水分・ミネラルの補給が重要です。
⑤ 過換気が原因の場合

【メカニズム】
1.不安・緊張・激しい運動などで呼吸が速く深くなる(過呼吸)
↓
2.呼吸でCO2が過剰に排出される
↓
3.血液中のCO2が減少し血管が収縮・神経が過敏状態
↓
4.てのしびれ・こむら返りなどが起こる
真面目に速く走ろうと頑張り過ぎて呼吸が乱れてしまうと、「指先のしびれ」・「手が硬直する感覚」が生じることがあります。
対策
・ペースを落とす
・呼吸を整える
・息をしっかり吐くことを意識する

ポイント練習で両手にしびれが出た時は、頑張り過ぎかもしれません。
⑥手首や肘での神経圧迫

もともと「手根管症候群(正中神経)」・「肘部管症候群(尺骨神経)」がある場合、ランニング中の腕振りや振動によって症状が出やすくなることがあります。
「親指・人差し指・中指がしびれる人は正中神経」・「小指・薬指がしびれる人は尺骨神経」が原因である可能性があります。手根管症候群・肘部管症候群の診断を受けている人・思い当たる節のある人は、対策をきっちり練りましょう。
対策
【正中神経(親指〜中指)】
・手首を反らし過ぎない
・腕振りで力を入れ過ぎない
【尺骨神経(小指・薬指)】
・肘を過度に曲げ続けない
・肘周囲の圧迫を避ける
手がしびれる部位で原因が推測できる

【親指〜中指 → 正中神経系】
親指側のしびれは手首の神経を圧迫して生じていることが多いです
【薬指・小指 → 尺骨神経系】
小指側のしびれは肘や手首の神経の圧迫が原因のことが多いです
【手の平全体 → 首の神経の可能性】
手の平全体のしびれは、首の神経の圧迫が原因のことが多いです
【手の甲側全体→首の神経または橈骨神経の可能性】
手の甲全体のしびれは首の神経や橈骨神経の圧迫が原因のことが多いです
【指先だけ→血行不良や末梢神経障害の可能性】
指先だけのしびれは血行不良や末梢神経の障害が原因のことが多いです
ランニング以外でも手がしびれる方は医療機関へ
【医療機関の受診が推奨される場合】
・ランニング後もしびれが残る
・筋力低下を伴う
・首や肩の強い痛みがある
・症状が徐々に悪化している
・日常生活でもしびれる
上記の場合は神経由来のしびれの可能性があり、放置しておくと悪化してしまう恐れがあります。
上記に当てはまる・心配な方は必ず医療機関を受診しましょう。整形外科でレントゲンなどの画像所見をとってもらうことをオススメします。
まとめ
本記事ではランニング中に手がしびれる原因と対策について解説してきました。
脱水により水分とミネラルを失うと手がしびれることがあります。特に暑い夏場で汗をかいて水分補給を疎かにしているとしびれの原因になるため、まずは水分補給を細目に行うことを意識しましょう。
水分補給をしてもしびれが変わらない方は、”少し肩を回す”・”手を挙げてみる”・”手をグーパーしてみる”などを行ってみましょう。
それでもしびれが変化しない、「ランニング後もしびれが残る」・「筋力低下を伴う」・「首や肩の強い痛みがある」・「症状が徐々に悪化している」などが生じる場合は医療機関を受診するようにしましょう!

今日が一番若い日です。今日が最も改善が期待出来るタイミングです。さっそく今日からできる対策を行っていきましょう。
心配な方は医療機関を受診するようにして下さい。
風を切るランニング 