ランニングシューズには、走行中の汗や皮脂、砂、泥、雨水などが付着します。
汚れたまま放置すると臭いやカビの原因になるだけでなく、アッパーの繊維やシューズ内部へ汚れが残りやすくなります。一方で、洗濯機や乾燥機を使ったり、強い力でこすったりすると、シューズを傷める可能性があります。
ランニングシューズを長く快適に使うために大切なのは、毎回丸洗いすることではありません。
- 走った後は砂や小石を取り除く
- 汗や雨で濡れたときは早めに乾かす
- 汚れが目立ったら素材に合った方法で手洗いする
- 洗濯機、高温、直射日光を避ける
この記事では、ランニングシューズの基本的な洗い方・乾かし方から、雨天後や臭いへの対処、保管方法、やってはいけない手入れまで解説します。
ランニングシューズは毎回洗う必要がある?

ランニングシューズを、走るたびに丸洗いする必要はありません。
普段のランニング後は、次のような簡単な手入れで十分です。
- アウトソールに挟まった小石や枝を取り除く
- 表面の砂や乾いた泥をブラシで落とす
- 靴ひもを緩めてシューズ内部へ空気を通す
- 風通しのよい日陰で乾燥させる
- 完全に乾いてから収納する
大量に汗をかいたときや雨で濡れたときは、取り外せるインソールを外して別々に乾燥させます。

丸洗いする頻度に一律の基準はありません。泥汚れや臭いが目立つ、シューズ内部に汗や汚れが残っていると感じたタイミングで洗いましょう。
手入れを始める前に素材と取扱方法を確認する

ランニングシューズには、メッシュ、ニット、合成皮革、天然皮革、防水透湿素材など、さまざまな素材が使われています。
一般的なメッシュ素材のランニングシューズは手洗いできる場合がありますが、すべてのシューズを同じ方法で洗えるわけではありません。
実際に、アシックスはシューシャンプーを使った水洗い方法を案内していますが、ニューバランスでは素材によって洗濯を避けるよう説明しています。
まずは、シューズに付属する取扱説明書やメーカー公式サイトを確認してください。
特に注意したいのは次のようなシューズです。
- 天然皮革やスエードを使用している
- 防水透湿メンブレンを使用している
- インソールが接着されている
- プリントや装飾が多い
- メーカーが水洗いを禁止している
- レース用の軽量シューズでアッパーが薄い

洗い方が分からない場合は、シューズ全体を水につけず、柔らかい布による拭き取りから始めるとよいでしょう。
ランニングシューズを洗うために用意するもの

一般的なランニングシューズを手洗いするときは、次の道具を用意します。
- シューズ用洗剤または少量の中性洗剤
- 柔らかいブラシ
- アウトソール用のブラシ
- スポンジ
- 柔らかい布やタオル
- 洗面器やバケツ
- 吸水用の白い紙またはキッチンペーパー
- 必要に応じてゴム手袋

使い古した歯ブラシでも代用できますが、ニットや薄いメッシュ素材を強くこすらないようにしてください。
アッパーとアウトソールでは汚れの種類や素材が異なるため、可能であればブラシを分けます。
ランニングシューズの基本的な洗い方

1.靴ひもとインソールを外す
靴ひもを外すと、タンやアイレット周辺まで洗いやすくなります。
インソールが取り外せる場合は、無理のない範囲で外してください。接着されているインソールを力任せに剥がしてはいけません。
外した靴ひもとインソールは、本体とは別に手洗いします。
2.砂や乾いた泥を落とす
洗う前に、アウトソールに挟まった小石や枝を取り除きます。
シューズが泥で濡れている場合は、いったん乾かしてからブラッシングすると、泥を落としやすくなります。濡れた泥を強くこすると、メッシュの奥へ押し込んでしまうことがあります。

左右のシューズを強く打ち合わせて泥を落とす方法は、アッパーやミッドソールへ余計な衝撃が加わるため避けましょう。
3.水またはぬるま湯で湿らせる
水洗いできるシューズであることを確認したうえで、水またはぬるま湯を使います。

熱いお湯へのつけ置きは、色落ち、変形、接着部分への負担につながる可能性があります。アシックスも、熱いお湯への長時間のつけ置きを避けるよう案内しています。
必要以上に長く水へつけず、短時間で洗いましょう。
4.洗剤を泡立てて優しく洗う
シューズ用洗剤または薄めた中性洗剤をブラシやスポンジにつけ、泡立てながら洗います。
部位ごとに道具を使い分けると、素材を傷めにくくなります。
| 部位 | 洗い方 |
|---|---|
| メッシュ・ニットのアッパー | 柔らかいブラシやスポンジで優しく洗う |
| ミッドソール側面 | 布や柔らかいブラシで汚れを拭き取る |
| アウトソール | やや硬めのブラシで溝の汚れを落とす |
| タン・履き口 | 柔らかい布やスポンジで優しく洗う |
| 靴ひも | 洗剤液の中で軽くもみ洗いする |
| インソール | 柔らかいブラシで表面を優しく洗う |

強くこすっても汚れが完全に落ちるとは限りません。特に薄いメッシュやプリント部分は、毛羽立ちや剥がれが起こらないよう注意してください。
5.洗剤が残らないようにすすぐ
洗剤がシューズ内に残ると、変色や肌への刺激につながることがあります。
泡やぬめりがなくなるまで十分にすすぎます。ただし、シューズをねじって絞ってはいけません。
すすぎ不要のクリーナーを使う場合は、その製品の使用方法に従ってください。
6.タオルで水分を取る
乾いたタオルでシューズを包み、上から軽く押して水分を吸収させます。
ミッドソールやヒールカウンターを折り曲げたり、シューズを雑巾のようにねじったりしないでください。

シューズ内には、白い紙やキッチンペーパーを軽く入れると水分を吸収できます。新聞紙は便利ですが、濡れるとインクがシューズ内部へ移る可能性があります。
紙が濡れたら、新しいものへ交換します。
ランニングシューズの正しい乾かし方

洗った後は、形を整えて風通しのよい日陰で自然乾燥させます。
靴ひも、インソール、本体は分けて干しましょう。サーキュレーターや扇風機の冷風を当てると、空気が循環して乾燥を助けます。
完全に乾くまでの時間は、湿度、気温、シューズの厚さによって異なります。表面が乾いていても、つま先やインソールの下に湿気が残っている場合があるため、内部まで確認してください。
アシックス、HOKA、Onはいずれも、高温による強制乾燥や直射日光を避け、自然乾燥させるよう案内しています。
- ドライヤーの温風を近くから当てる
- ストーブやヒーターの前に置く
- 衣類乾燥機を使用する
- 炎天下の車内に放置する
- 強い直射日光へ長時間当てる
- 濡れたままシューズケースへ入れる
高温はアッパーやミッドソールの変形、接着部分の劣化につながる可能性があります。
雨で濡れたランニングシューズの手入れ

雨天後のシューズは、時間を置かずに乾燥させることが重要です。
- 靴ひもを緩める
- 取り外せるインソールを外す
- 表面の泥や水分をタオルで取る
- シューズ内へ白い吸水紙を軽く入れる
- 紙が濡れたら交換する
- 風通しのよい日陰で乾かす
- 完全に乾いてからインソールと靴ひもを戻す
泥が大量に付着している場合を除き、雨に濡れるたびに丸洗いする必要はありません。まず水分を取り、乾燥を優先します。
雨の日にも頻繁に走る人は、ランニングシューズを2足用意すると、片方を十分に乾かしている間にもう片方を使えます。
ただし、2足を交互に使えばシューズの総走行距離が必ず延びるとは限りません。主な利点は、乾燥時間を確保しやすくなることです。
ランニングシューズの臭いを抑える方法

ランニング後のシューズ内部には、汗や皮脂、水分が残ります。
臭いを香りで隠すだけではなく、汚れと湿気への対処を組み合わせることが大切です。
走り終わったシューズを袋や下駄箱へすぐに収納せず、靴ひもを緩めて風を通します。
大量に汗をかいた日は、インソールを外して乾かしましょう。
シューズだけでなく、靴下にも汗や皮脂が付着します。
吸汗速乾性のあるランニングソックスを使用し、走るたびに洗濯してください。濡れた靴下をシューズ内部へ入れたまま持ち帰らないようにします。
シューズ本体を頻繁に丸洗いできない場合は、取り外したインソールだけを手洗いする方法があります。
中性洗剤で優しく洗い、タオルで水分を取って自然乾燥させます。洗濯機や乾燥機の使用は避けましょう。
乾燥後も臭いが気になる場合は、靴用の除湿剤や消臭スプレーを補助的に使います。
ただし、消臭スプレーは洗浄や乾燥の代わりにはなりません。濡れたまま大量にスプレーすると、かえってシューズ内部の湿気が増えることがあります。製品表示に従い、換気できる場所で使用してください。
洗っても強い臭いが戻る、内部にカビがある、アッパーやインソールが劣化している場合は、交換も検討します。
ランニングシューズの保管方法

完全に乾いたシューズは、直射日光と高温多湿を避け、風通しのよい場所に保管します。
- 汗や雨を十分に乾かしてから収納する
- 靴ひもを強く締めたままにしない
- シューズの上へ重い物を置かない
- シューズ袋へ長期間入れっぱなしにしない
- 下駄箱を定期的に換気する
- 長期間使わない場合も、ときどき状態を確認する
玄関の直射日光が当たる場所、湿気の多い収納、夏の車内などは避けましょう。

シューズを箱に入れて保管する場合も、汗や雨を完全に乾燥させてから収納してください。
手入れをすればランニングシューズの寿命は延びる?

適切な手入れは、汚れや湿気を放置することによる変色、臭い、カビ、素材への余計なダメージを防ぐのに役立ちます。
ただし、手入れによって摩耗したアウトソールや、圧縮されたミッドソールのクッション性が元に戻るわけではありません。
Brooksは一般的な交換距離の目安として300~500マイル、約500~800kmを示していますが、これはすべてのシューズに共通する寿命ではありません。
実際の寿命は、次の条件によって変わります。
- ランナーの体格
- 走り方や接地方法
- 走行ペース
- 路面
- シューズの構造
- 使用頻度
- 保管環境
- アウトソールの摩耗位置
走行距離だけでなく、次の変化も確認してください。
- アウトソールが大きくすり減っている
- 左右で摩耗に大きな差がある
- ミッドソールに強いへたりや変形がある
- アッパーや履き口が破れている
- ヒールカウンターが潰れている
- シューズが以前より不安定に感じる
- 同じ練習で足や膝に違和感が出る
アプリへ使用したシューズを登録しておくと、複数足を使い分けている場合でも走行距離を管理しやすくなります。
ランニングシューズでやってはいけない手入れ

洗濯機の回転や衝撃は、繊維、接着部分、シューズの形状へ負担をかけます。
HOKAは洗濯機や乾燥機の使用によって素材が傷み、保証へ影響する可能性があると案内しています。
メーカーが明確に許可している場合を除き、手洗いを基本としましょう。
高温や長時間のつけ置きは、色落ち、変形、接着部分の劣化につながる可能性があります。
水またはぬるま湯を使用し、短時間で洗います。
硬いブラシはアウトソールの泥落としには使えますが、メッシュやニット素材には向きません。
アッパーには柔らかいブラシやスポンジを使いましょう。
漂白剤や溶剤は、変色、色落ち、プリントの剥がれ、素材の変質を起こす可能性があります。
白いランニングシューズでも、製品表示で使用可能と確認できない限り、塩素系漂白剤は避けてください。
温風や高温乾燥は、ミッドソールや接着部分を傷める可能性があります。
急ぐ場合はタオルと吸水紙で水分を取り、扇風機やサーキュレーターの冷風を利用します。
濡れたシューズを袋や下駄箱へ入れると、臭いやカビが発生しやすくなります。
必ず内部まで乾いたことを確認してから収納してください。
ランニングシューズの手入れにおすすめの商品
| 商品 | 主な用途 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| コロンブス スニーカーケア リキッドシャンプー Fabrics | 水洗いできる布・ナイロン・合皮の洗浄 | 泥や汗汚れをしっかり洗いたい人 |
| コロンブス スニーカーケア フォームシャンプー プラス | 水を使わない部分洗い | 手軽に表面の汚れを落としたい人 |
| ドライペット スピード吸湿 くつ用 | シューズ内部の除湿・脱臭 | 汗をかきやすい人、雨の日にも走る人 |
| シューズの気持ち プレミアムハイブリッド 無香性 | 消臭・抗菌 | 乾燥後も臭いが気になる人 |
※価格や仕様は変更される場合があります。使用できる素材と注意事項を購入前に確認してください。
布地、ナイロン、ビニール、合皮などを使用したスニーカー向けの洗剤です。
水洗いできる一般的なメッシュ系ランニングシューズの汚れをしっかり落としたい人に向いています。公式サイトでは、シューズを水で湿らせて洗い、十分にすすいだ後、風通しのよい日陰で乾かす方法が案内されています。
天然皮革には対応する別製品があるため、シューズの素材を確認して選びましょう。
- 内容量:150mL
- 公式価格:1,320円(税込)
- 使用量の目安:1足あたり3~4mL
- 向いている用途:定期的な手洗い、泥・汗汚れ
水を使わず、泡を使って汚れを落とすすすぎ不要のクリーナーです。
シューズ全体を水洗いするほどではないものの、ミッドソール側面やアッパーの表面的な汚れが気になる場合に使いやすい商品です。
ランニング後の簡単な手入れや、シューズを洗って乾かす時間を確保しにくい人に向いています。
- 内容量:200mL
- 公式価格:1,650円(税込)
- 特徴:すすぎ不要、消臭・抗菌
- 向いている用途:日常的な拭き取り、部分的な汚れ
走った後のシューズ内へ入れて、湿気と臭いを取り除くための除湿剤です。
天日に干すことで繰り返し使用できます。雨天後の乾燥をこれだけで完了させるものではありませんが、普段の汗や湿気対策として使いやすい商品です。
- 内容:1足分2個入り
- 特徴:繰り返し使用可能
- 向いている用途:毎回のランニング後、雨天後の補助的な除湿
シューズや靴下、シューズケースなどに使える消臭・抗菌スプレーです。
香りでごまかしたくない人には無香性タイプが使いやすいでしょう。ただし、濡れたシューズへ繰り返しスプレーするのではなく、まず洗浄と乾燥を行ったうえで補助的に使用します。
- 内容量:280mL
- 特徴:無香性、消臭・抗菌
- 向いている用途:乾燥後も残る臭いへの対策
ランニングシューズの手入れに関するよくある質問
洗浄で戻るのは主に清潔さや外観です。圧縮されたミッドソールのクッション性や、摩耗したアウトソールは元に戻りません。
洗濯ネットを使用しても、シューズへ加わる水流や衝撃をなくすことはできません。メーカーが許可している場合を除き、手洗いを基本にしてください。
早く乾く可能性はありますが、変色、変形、素材や接着部分への負担が考えられます。風通しのよい日陰で乾かしましょう。
泥や汚水が大量に付着していなければ、毎回丸洗いする必要はありません。タオルで水分を取り、インソールを外して早めに乾かすことを優先します。
シューズの素材と防水スプレーの対応素材を確認してください。通気性や色合いへ影響する可能性もあるため、目立たない部分で試してから使用します。
まとめ
ランニングシューズの手入れでは、毎回丸洗いするよりも、走った後に汚れと湿気を残さないことが大切です。

普段は砂や小石を取り除き、靴ひもを緩めて陰干しします。泥や臭いが気になるときは、靴ひもとインソールを外し、素材に合った洗剤と柔らかいブラシを使って手洗いしましょう。
洗濯機、乾燥機、ドライヤーの温風、熱いお湯、長時間の直射日光は、シューズを傷める可能性があります。
また、手入れによって清潔な状態は保てても、摩耗したアウトソールや潰れたクッション性までは回復しません。走行距離だけでなく、摩耗、変形、履き心地の変化も確認しながら、必要なタイミングで交換してください。
風を切るランニング 
