ランニングのスピード持久力を鍛える方法|ペースを維持する練習と週間メニュー

 

マナブ
マナブ

「最初は目標ペースで走れるのに、後半になると失速する」

 そんなときに高めたいのが、速いペースを保ちながら走る力です。ランニングでは、これを「スピード持久力」と呼ぶことがあります。

 ただし、スピード持久力は単一の数値で測れる能力ではありません。5kmを速く走り続ける力と、マラソンの目標ペースを保つ力では、必要な練習も変わります。

 この記事では、まず楽に走る練習を土台にして、テンポ走とインターバル走をどう加えるかを解説します。

ランニングのスピード持久力とは?

 スピード持久力とは、この記事では目標とする距離で、必要な速さを維持する力を指します。

 長距離走のパフォーマンスには、最大酸素摂取量(VO₂max)、乳酸・換気閾値、ランニングエコノミーなどが関わります。「短い距離なら速く走れる」というだけでは、レース後半まで同じペースを保てるとは限りません。

目標鍛えたい力の例
5km・10kmきついペースを維持する力
ハーフマラソン速めの一定ペースを長く保つ力
フルマラソン疲労がたまっても目標ペースを保つ力

 

走(かける)
走(かける)

そのため、全力疾走を繰り返すだけでなく、目的に合った速さと時間で走ることが大切です。

スピード持久力を鍛える3つの練習

1.テンポ走:速めのペースを一定時間保つ

 テンポ走は、楽ではないものの、最後まで大きくペースを落とさずに走れる強度で行います。始める際は、次のような感覚を目安にしてください。

  • 呼吸は弾み、長い会話はしにくい
  • 全力疾走ではない
  • 終了後に「もう少しなら走れそう」と感じる

 会話のしやすさは運動強度をつかむ手がかりになります。ただし、会話だけで乳酸閾値や正確なトレーニングペースを決められるわけではありません。

メニュー例

ウォームアップ10〜15分

↓

テンポ走10〜20分

↓

ゆっくり走る

 

走(かける)
走(かける)

連続して走るのが難しければ、8分×2本、間はゆっくり3分から始めてもよいでしょう。時間と本数は、研究で示された万人共通の最適値ではなく、取り組みやすい実践例です。

2.インターバル走:速い動きを繰り返す

 インターバル走は、速く走る時間と、ゆっくり走る回復時間を交互に設ける練習です。テンポ走より速いペースで走る機会を作れます。

メニュー例

ウォームアップ10〜15分

↓

速く走る3分+ゆっくり走る3分を4本

↓

クールダウン

 速い区間は全力にせず、最後の1本までおおむね同じペースを保てる速さにします。

 高強度インターバルがVO₂maxの改善に役立った研究はありますが、その結果を「このメニューが全ランナーに最適」という意味には解釈できません。

3.楽なランニング・ロング走:速く走るための土台を作る

 スピード持久力を鍛えたいときも、毎回速く走る必要はありません。楽なランニングは練習量を積む土台になり、ハーフやフルに向けては長く走る練習も重要です。

 中長距離ランナーのトレーニングを調べたレビューでは、低強度の走行量を多く確保し、その中に閾値付近や高強度の練習を組み合わせる方法が報告されています。

 ただし、理想的な割合をすべての市民ランナーに一律で当てはめることはできません。

 

走(かける)
走(かける)

楽な日は、会話できる程度を目安に走りましょう。速い練習の間にも余裕を持たせることが、継続しやすい組み方です。

目的別|どの練習を優先する?

目標優先したい練習最初のメニュー例
5km・10kmの後半失速を減らすテンポ走+短めのインターバル走テンポ走10〜15分、または速い3分×4本
ハーフの目標ペースを保つテンポ走+楽なロング走テンポ走8分×2本、週末に余裕のある長めのラン
フルの後半失速を減らす楽な走行量・ロング走+適量のテンポ走普段のランを安定させてからテンポ走を追加

走(かける)
走(かける)

フルマラソン後半の失速には、ペース配分や補給も関わります。テンポ走だけを増やすのではなく、目標距離を走るための準備全体を見直しましょう。

走力別|スピード持久力を鍛える週間メニュー

週2〜3回走る人

 まずは週1回、短い速めの練習を取り入れます。

曜日例内容
火楽なランニング20〜40分
木ウォームアップ後、テンポ走8分×2本
日楽なランニング40〜60分

 テンポ走がきつすぎる場合は、速めに2分+ゆっくり2分を4〜5本に変え、余裕を持って終えます。

週4〜5回走る人

 すでに継続して走れているなら、速めの練習を週1〜2回検討できます。

曜日例内容
月休養
火テンポ走15〜20分
水楽なランニング
木休養または楽なランニング
金速い3分×4〜5本のインターバル走
土休養または短い楽なランニング
日楽なロング走

 これはメニューの一例です。疲労が残る場合は金曜のインターバル走を省き、速めの練習を週1回にします。研究で使われる練習配分は参考になりますが、普段の走行頻度や回復状況に合わせた調整が必要です。

4週間で始めるなら

 速い練習に慣れていない人は、一度にペース・本数・走行距離を増やさず、まず速めに走る時間を少しずつ延ばしましょう。

週週1回の速めの練習例
1週目速めに2分×4本、間はゆっくり2分
2週目速めに3分×4本、間はゆっくり3分
3週目テンポ走8分×2本、間はゆっくり3分
4週目テンポ走15〜20分、または前週と同じ内容

 4週目に必ず時間を延ばす必要はありません。最後までペースを保てて、翌日以降の通常練習にも支障が少ないことを確認してから進めます。

練習効果を得るための5つのポイント

  1. 最初から飛ばさない。 速い区間の1本目を抑え、最後までペースをそろえます。
  2. 速い練習の前後にゆっくり走る。 急に目標ペースへ上げず、終わった後も呼吸を整えます。
  3. ペースだけで強度を決めない。 暑さ、坂、疲労の影響も踏まえ、呼吸や主観的なきつさを確認します。
  4. 速い日と楽な日を分ける。 毎回のランニングを「ややきつい」強度にしないようにします。
  5. 同時に多くを増やさない。 速さ・本数・週間走行量をまとめて増やすと、負荷の変化を把握しにくくなります。

走(かける)
走(かける)

ランニングの負荷とケガの関係には不確かな点もあり、「週に何%までなら必ず安全」という数字はありません。痛みや回復の状態を見ながら調整してください。

よくある質問

スピード持久力はジョギングだけでも鍛えられますか?

走り始めたばかりの人は、継続して走るだけでも持久力の向上が期待できます。一方、特定のレースペースを保つ力を高めたい段階では、土台となる楽なランニングに加えて、目的に合った速めの練習を少しずつ取り入れるとよいでしょう。

テンポ走とインターバル走は両方必要ですか?

最初から両方行う必要はありません。週2〜3回走る人なら、まずはどちらかを週1回取り入れ、無理なく続けられるか確認してください。

ダッシュを繰り返せばスピード持久力はつきますか?

短い全力ダッシュだけでは、5km以上の距離で目標ペースを保つ練習の代わりにはなりません。レース距離に応じて、テンポ走、インターバル走、楽なランニングを組み合わせます。

どのくらいで効果が出ますか?

変化の時期には個人差があります。まず4〜8週間ほど継続し、同じコース・似た条件で「一定ペースを保ちやすくなったか」「後半の落ち幅が小さくなったか」を確認しましょう。4週間で必ず記録が向上するという意味ではありません。

まとめ

 ランニングのスピード持久力を鍛える方法は、楽なランニングを継続しながら、目標距離に合う速めの練習を加えることです。

 

走(かける)
走(かける)

まずは週1回、テンポ走10分前後か、数分間のインターバル走から始めてください。最後までペースを保てる強度に抑え、慣れてから走る時間や本数を増やしましょう。

参考文献