マラソンに出るとほぼ必ずみかけるペースメーカー。
実はペースメーカーはランナーのペースの目安となるだけでなく、マラソン大会をスムーズに進行するために欠かせない存在です。そのため、公式の大きな大会ではペースメーカーに報酬が支払われます。
本記事ではそんなペースメーカーになるためにはどうしたらいいのかをまとめてみました。
「ペースメーカーの役割・実は必要な能力」から「ペースメーカーの応募方法」「ペースメーカーになるまでのおすすめ方法」までお伝えします。
「ペースメーカーをやってみたいなー♪」「興味があるなー」という人は参考にしてみて下さい。
マラソンのペースメーカーの役割
まずはペースメーカーの役割から整理していきます。
ペースメーカーは「一定のペースで走りランナーの時計代わり」になるだけでなく、レースをスムーズに進行させるために声掛けやランナーを精神的にサポートするなどの役割があります。一つずつお伝えしていきます。
担当する目標タイムに合わせてランナーの時計代わりになる

ペースメーカーの最も基本的な役割は担当するゴールタイムに合わせて一定のペース(イーブンペース)で走り続けることです。ランナーたちは自身の目標タイムに対してペースメーカーを時計代わりにし、ペースをコントロールします。オーバーペースを防いだり、ペースメーカーを基準に集団で走ることはランナーたちにとって大きな心の支えになります。
また、時計代わりだけでなく「風よけ」としての役割もあり、集団の先頭を走ることでランナーの風よけとなり負担を減らす役割もあります。
声掛けやスムーズな誘導で混雑を避ける
ペースメーカーとして集団を率いる場合、周囲の安全に気を配りながら集団をコントロールする責任も担っています。ただただイーブンペースで走ればよいというわけではありません。
前を走っていたランナーがペースを落として追い付きそうなら、集団が通ることを声掛けで伝えたり、給水所などでのスムーズな誘や声掛けを行うことが必要です。
精神的にサポートする

盲点かもしれませんがペースメーカーとして大切な役割の1つが、他のランナーの精神的な支柱になるということ。
「良い調子できてますよ」「リラックスしていきましょう!」といった声掛けは長時間走って苦しいランナーにとって非常に大きな心の支えになります。ペースメーカーは集団を目標タイムに導くと同時に、ゴールへと導くリーダー的存在でもあります。
周囲への気配りや声掛けが非常に求められます。
マラソンのペースメーカーに必要な能力
マラソンのペースメーカーはただただ走るだけでなく、声掛けや誘導などによって大会をスムーズに進行したり、ランナーの心の支えになるなど様々な役割があることが分かりました。
そんなペースメーカーとしての役割を果たすために必要な能力について整理していきます。
一定以上の走力とペースの正確性

当たり前ですがペースメーカーには一定の走力が求められます。目標タイムよりも大幅に速い自己ベストを持っていることが最低条件です。目標タイムギリギリの記録では余裕がなくなり、周囲へ気配りするゆとりが無かったり、当日の天候変化や体調不良により、役割を遂行できないリスクがあるためです。
では具体的に「どれくらいの走力が必要なのか」ということですが、一般的に担当タイムより「30分〜1時間程度」速い自己ベストを持っていることが望ましいとされています。(目標タイムにより少々異なります。これは速いペースになるほど、タイムを縮めることが難しくなるからです。サブ3だと2時間40分前後の走力が1つの目安とされています)
また、一定のペースで走る能力も求められます。ペースメーカーなのにペースがバラバラだと時計代わりにしているランナーのペースも乱してしまい目標タイムから遠ざけてしまいます。時計を見ずに一定ペースで走り続けるには、それ用のトレーニングと経験値が必要です。
信号の少ない河川敷や周回コースを利用して、ノンストップで一定リズムを刻む練習を行ったり、ランニングクラブなどの練習会でペースメーカーとして練習するなど経験値を積むことをオススメします。
コミュニケーション能力

ペースメーカーは「走るボランティア」とも言われています。ペースメーカーとしての本質は目標に向かっているランナーに対するホスピタリティにあります。市民マラソンのペースメーカーは明るくコミュニケーションをとり、 アットホームな雰囲気を作ることが大切です。
スタート前・レース時にランナーが気軽に声をかけやすいように、スタート前から「今日は頑張りましょう!」「しっかりサポートします」などといった声をかけ、「コースの特徴や給水のポイントをアドバイス」したりすることもあります。レース中も苦しそうなランナーがいれば声をかけ、「あと少しで給水ですよ」と情報を伝えて励まします。
また、公式の大会で規模が大きくなると、同じ目標タイムのペースメーカーを複数人で行います。ペースメーカー同士の連携が不可欠であり、「少しペースが速いので落としましょう」といった意思疎通を走りながら行います。
トラブル対応能力

マラソンではいくら準備・想定をしていても予期せぬトラブルは必ずといっていいほど生じます。ランナーが転倒し集団で巻き込まれたり、具合が悪くなって吐いてしまうといったトラブルに遭遇するかもしれません。そんな時、ペースメーカーは冷静にトラブル対応をすることが求められます。
近くのスタッフや救護スタッフに大声で知らせたり、後続のランナーが巻き込まれないように誘導するなど安全性を確保することが優先です。大会によっては、ペースメーカーに対してAEDの使い方などの救命講習を推奨、あるいは義務づけているものもあります。
ペースメーカーになるための準備・心構え
ペースメーカーの役割と必要な能力について整理してきました。
次にペースメーカーになるための準備や心構えについて整理していきます。
イーブンペースで走る練習を積む

ペースメーカーは文字通り、目標タイムのペースメーカーとして集団ランナーを導きます。ペースが速くなったり、遅くなったりすることは体力を消耗することに繋がり、目標タイムの達成を妨げてしまいます。
最も重要な能力であり、時計を見ずとも体感で目標タイムのペースを維持出来る能力を積むことが求められます。
ホスピタリティを磨く

ペースメーカーはホスピタリティ能力が必要です。ホスピタリティは本番でいきなり発揮できるものではありません。
人の些細な言葉・行動から色々察知して相手のために声をかける・行動することは一種の能力です。一朝一夕では身に付きません。そんなホスピタリティを磨くためにも普段から周囲を気に掛ける精神と習慣を身に付けることが必要です。
体調管理を徹底する

ペースメーカーとして本番体調万全で役割を全う出来るように体調管理を徹底しなければいけません。体調を管理して、当日役割をきっちりこなすという責任感が必要です。間違っても前日に食べ過ぎる・飲み過ぎる・当日寝不足などで力が発揮出来ないということが無いように本番前から気を付けなければいけません。
直近の公式記録を用意する
ペースメーカーは目標タイムよりも速い走力が求められます。
当然ながら大会主催者側も実力の分からないペースメーカーを採用するわけにはいきません。走力を偽って実力と同等以上のペースで走ることになってしまっては役割を果たせず、参加して下さった多くのランナーに迷惑をかけることになってしまうためです。
目標タイムをきっちり余裕を持ってこなすことが出来るということを証明するために、直近1年以内の公式記録を用意しておきましょう。
ペースメーカーになるための募集の探し方とオススメの流れ
ペースメーカーになるための準備と心構えが出来たら後は応募していくだけです。次はいよいよペースメーカーに応募する方法を整理していきます。
大会主催者へ直接応募する
最も王道な方法がマラソン大会の公式ホームページに応募する方法です。多くの市民マラソンでは大会開始日の数カ月前からペースランナーや伴走スタッフを募集します。前回募集を行っていた大会であれば、次回も募集する可能性は高いため、応募した大会がチェックすることがオススメです。
枠が埋まってしまえば応募できないため、人気のある大会ではすぐに埋まってしまい応募が出来ないこともあります。細かく公式ホームページを確認し、募集されたらすぐに応募することが必要になります。
また、応募しても採用されるかどうかは主催者側に委ねられます。主催者側としてはペ採用したースメーカーが役割を果たせるかどうか心配になりますよね。主催者側のそういった心配が薄れるように、走ったことのある大会に応募することで採用率が高くなることが期待できます。
主催者側の立場にたつと、前回の大会に参加し3時間20分で完走しているのであればサブ4のペースメーカーを任せられそう、前回参加している経験から実践的なアドバイスや声掛けをランナーにしてくれそうなどといった期待ができます。
ランニングクラブ・ランニングチームを経由
ランニング専用のポータルサイトを活用する方法もあります。代表的なのは「RUNNET(ランネット)」や「e-moshicom(イー・モシコム)」です。
これらのポータルサイトを経由して応募する場合、自身の出た大会とベストタイムや大会実績を登録しておくと、主催者側も選考がしやすくなります。また、メッセージ機能を使って主催者に質問ができる場合もあり、条件面で不明な点があれば事前に確認することも可能です。
特に「e-moshicom(イー・モシコム)」はペースメーカーとしての練習会案件もあり経験値や実績を積む上でもオススメです。
SNS(Instagram・X)
大会主催者やペースメーカーチームがSNSでペースメーカーを応募することがあります。XやInstagramで「#ペーサー募集」「#ペースランナー募集」といったハッシュタグで検索すると、リアルタイムの情報が見つかることがあります。
採用されやすいように日頃から大会に出た実績や練習の記録を投稿したり、ペースメーカーに興味があることを発信しておくと、相手からメッセージがくるかもしれません。
自分から応募していくだけでなく、相手から声をかけてもらえるように準備しておくこともペースメーカーになるための近道となります。
ペースメーカーとして採用されやすい人の特徴
ペースメーカーに採用されやすい人はどのような人なのでしょうか?
主催者側の立場に立ってみましょう。ペースメーカーは安定した走力とホスピタリティが求められます。そのため、長年のランナーとしてトレーニングの実績だけでなく、協調性が求められます。
例えば、SNSなどで過激な投稿をしている・大会でスタッフや他のランナーともめたことがある。こういったことがあると採用されにくくなります。過激な投稿をしない・大会では他の人と強調する・気遣う姿勢を普段から心がけることが採用される一歩です。
また、採用された大会でしっかりと役割を果たし、運営スタッフと良好な関係を築けば「リピート依頼」が来ることも多いです。小さなチャンスを確実に掴み、信頼を積み重ねていくことが、安定したペースメーカーへの道となります。
もしペースメーカーに落選してしまっても、全く落ち込む必要はありません。ペーサー募集はタイミングと縁という側面もあります。めげずに他の大会や練習会を探し、経験を積んでいきましょう。走り続けていれば、必ずあなたを必要とする場面が訪れます。
ペースメーカーになるためのおすすめの流れ
ペースメーカーになるためのおすすめの流れは「e-moshicom」に登録することです。
「e-moshicom」は、練習会や小規模なイベントの登録が多く、ペーサー募集の案件も見つけやすいサイトです。練習会などに参加しチームメンバーにアドバイスを経験と実績をまずは積んでいきます。そうして、チームメンバーからペースメーカーとして斡旋してもらうことで、比較的安心してペースメーカーとして参加することができます。
ペースメーカーに応募し採用されても始めてだとちゃんと出来るか心配ですよね。「e-moshicom」はメンバーと練習が出来ますので、不安を和らげてペースメーカーとして参加することに繋がります。
まとめ
本記事は「ペースメーカーの役割や求められる能力」・「準備や心構え」・「募集の探し方とオススメの流れ」について整理してきました。
ペースメーカーはただ目標タイムに対して安定した走力だけが求められるわけではありません。ペースメーカーの本質はランナーの目標タイムを達成させるというホスピタリティです。苦しそうなランナーがいれば声をかけ勇気づけたり、事故を防ぐために誘導したりなど役割は様々です。
ペースメーカーはただ人に気遣うことが多くて大変そうですが、その一方で目標に向かっているランナーをサポートしたという達成感や感謝は非常に充実したものになります。ペースメーカーを続ける人がいる理由はここにあります。

今日が一番若い日です。ペースメーカーはランナー生活として非常に充実したものになります。
出来るかな?と心配になりますが、一番不安なく挑戦できる日が今日です。もし、興味があれば早速今日からSNS活動やポータルサイトに登録など行動してみましょう!
風を切るランニング 
