マラソンの大敵の1つが足攣り。
足が攣ってマラソンをリタイアすると非常に悔しいですよね。これからマラソンに挑戦しようとする人にとっても悔しい思いはしたくないので足攣りは予防しておきたい。
フルマラソン残り数キロで足が攣ってリタイアしてしまったランナーもいますので、足攣り対策は記録だけでなく完走目的でも必須です。
本記事ではマラソンに向けた足攣り対策についてお伝えします。本番に向けて期間にゆとりのある人はトレーニングから、あまり期間のない人はせめてランニングフォームや準備・当日の戦略などを参考にしてみて下さい。
マラソン本番の足攣り対策に必ず繋がる内容になっています!!
マラソンで足が攣ってしまう原因は筋肉の負担増(+水分・ミネラル不足)

マラソン中に足が攣る最大の原因は足の筋肉が疲れすぎること
マラソン中は足を中心に全身の筋肉は収縮したり、弛緩したりをずっと繰り返しています。そうすると筋肉も疲労していき、急にギュッと縮んだまま緩まないことがあります。
これがマラソン中の足攣りです。
【マラソン中の足攣りの原因】
1.トレーニング不足・トレーニング内容の誤り
2.特定の筋肉に負担のかかりやすいランニングフォーム
3.本番に向けて準備不足
4.レース本番のペース配分や戦略ミス
マラソンで足が攣ってしまう原因は大きく分けて4つです。これらの要因が重なり合って、足が疲労し攣ってしまいます。
水分・ミネラル不足は間接的に作用
よく足攣りの原因は「水分不足や塩分不足が原因」と言われます。
しかし、実は研究では攣った人と攣らなかった人の間に、脱水率や血中ナトリウム濃度の明確な差が認められないことも多くあります。
つまり!!「足が攣る=必ず水分不足・塩分不足」ではないということ。
ただし、脱水は酸素・脂肪酸や栄養素の運搬効率を下げてしまい、糖質エネルギーを消耗しやすくなります。糖質エネルギーを消耗すると乳酸と水素イオンが生じ、水素イオンは筋肉の活動を妨げてしまいます。
ミネラル不足は筋肉の正常な活動を阻害してしまい、収縮と弛緩のバランスを崩してしまいます。
大量発汗や水分・電解質の補給不足は、全身の負担や筋疲労を強めるため、間接的に攣りやすさへ影響する可能性は十分にあります。特に暑い日のレースや、汗に塩分が多い人では補給管理が重要です。
1.Schwellnus MP. Cause of exercise associated muscle cramps: altered neuromuscular control, dehydration or electrolyte depletion? Br J Sports Med. 2009.
2.Schwellnus MP, et al. Increased running speed and previous cramps rather than dehydration or serum sodium changes predict exercise-associated muscle cramping. Br J Sports Med. 2011
マラソンの足攣り対策:トレーニング
フルマラソンのような長い距離を走り切るためのトレーニングは、実は速く走るトレーニングはさほど重要ではありません。記録更新にこだわるエリートランナーはスピード練習も行いますが、足が攣らないように完走するには速く走るよりもゆっくり長く走ることが重要です。
イージーラン

イージーランはマラソントレーニングの基本です。
会話が出来るくらいのペースで走るトレーニングをイージーランといいます。最初はイージーランを積んでいって走るための身体を作っていきます。
イージーランはマラソン中のエネルギー生成に必要なミトコンドリアを生成し、マラソン中の糖質エネルギーを節約し疲労を抑えてくれます。また、トレーニングを積んでいく段階で回復が早くなり、トレーニングの間の休息期間を短縮しどんどんトレーニングが積みやすくなります。

イージーランで筋肉のエネルギー生成効率を上げる・筋肉そのものを鍛えてマラソン中の足攣りを予防しましょう!
ロング走

ロング走は文字通り長い距離を走るトレーニングです。
長い距離を一度に走ることで筋肉内のミトコンドリアや毛細血管が適応し、脂質・酸素を使ってエネルギーを作る能力が高まりやすくなります。その結果、糖質の消費を抑えながら走る力につながります。
また、走行時間が長くなると、骨盤が落ちる、接地が前になる、ストライドが乱れるといったランニングフォーム変化が起きやすくなります。ランニングフォームが乱れると余計に筋肉が疲れてしまいます。ロング走では、疲労した状態でも姿勢やリズムを保つ練習ができます。
さらに、「この時間までなら走れる」「疲れても立て直せる」という経験は、レース中の安心感につながります。安心感はレース中の不安からの余計な力みを取り除き、筋肉の負担を減らす効果が期待できます。
筋トレ
筋肉の疲労により足攣りが生じるため、筋肉そのものを鍛えることが足攣り予防のトレーニングになります。
雨の日でランニングに行けない日は家で出来る筋トレをしましょう!鍛えたい筋肉と筋トレ方法は他記事を参考にしてみて下さい。
ただし、他メニューとの組み合わせは大切です。筋トレを行うと、筋疲労が残ってしまい翌日のトレーニングに少なからず影響が出ます。翌日にロング走や速いペースのトレーニングを取り入れたい場合は要注意です。体幹の筋トレだけをして足は控えておくなど工夫をしましょう。
マラソンの足攣り対策:走り方・ランニングフォーム
マラソン中によく足が攣ってしまう部位は「太もも前」・「太もも後ろ」・「ふくらはぎ」と言われています。
これらの筋肉はランニングフォームによっては余計に負担がかかりやすい部位です。これらの筋肉の負担を減らす効率の良いランニングフォームを身に付けることで足攣りを予防することができます。
ストライドよりもピッチを意識

走る速さは「ストライド:一歩の幅」×「ピッチ:1分間の歩数」で決まります。「ペースを上げよう」「なんとかペースを保とう」とする時にストライドを意識すると足の筋肉の負担が増えてしまいます。
ストライドを大きくするストライド走法は足の筋肉の負担が大きいため筋疲労が強くなります。長い距離を走るマラソンでストライド走法を意識すると最後まで筋肉がもちません…
「ペースを上げたい・保ちたい時」に意識するのは、ストライドではなくピッチ。つまり、足の回転数です。
ピッチ走法は足の負担を抑えながらペースを保つことに繋がります。実際に多くの経験豊富なランナーもマラソンではストライドではなく、ピッチを意識していると言われています。
足の接地位置は身体の真下をイメージ

足の着地位置は筋肉の負担に大きく関わります。
足の着地位置が身体の前になっていると着地の衝撃で膝が曲がらないように前ももに大きな負担をかけます。その結果、マラソン中に前ももが攣ってしまい、リタイアしてしまうかもしれません。
足の着地位置は身体の真下をイメージします。厳密には完全に真下というわけではありませんが、着地位置が身体に近いと着地時の前ももの負担を軽減させます。
その結果、マラソン中に前ももが攣ってしまうことを防ぎます。
地面を蹴るのではなく足を前に引き戻すイメージ

走り方の意識として大切なのは地面を蹴る意識ではなく、後ろに残っている足を前に引き戻すイメージです。
地面を蹴る意識は脚が後ろに残りやすく、身体を支える時間が増えてしまいランニングエコノミー(効率)が下がってしまいます。また、太もも裏・ふくらはぎの負担が増えてしまい、後半で攣ってしまう原因になるかもしれません。
後ろに残っている足を前に引き戻すイメージは太もも裏・ふくらはぎの筋肉の負担を減らし、代わりに腸腰筋という腹筋~足の付け根に付着している筋肉を活用します。
体幹についている筋肉は持久力に優れている性質を持つため、腸腰筋を上手に使うことで足が攣ってしまうリスクを大きく減らすことができます。
マラソンの足攣り対策:準備
マラソンの足攣りは予防するには「トレーニング」や「ランニングフォームの改善」だけでなく、本番に向けて事前準備も大切です。
水分・ミネラルを補給出来るようにしておく
脱水やミネラル不足は足攣りに直接関係するとは言い切れないものの、生理学的に足攣りに影響を与える可能性は十分にありえます。水分とミネラルをいつでも補給出来るように準備しておきましょう。
フルマラソンなどでは補給所で現地の特産物などを食べることが出来たり楽しみがあります。しかし、実は足切りタイムギリギリで走っていると補給所で食べる余裕が無かったり、すでに残っていない可能性もあります。
そんな時に水分・ミネラルをいつでも補給出来るようにボトルや塩分タブレットを準備しておくと足攣りを予防することに繋がります。
適切なランニングシューズを使用する
サイズはもちろん、自身の走る能力に合わせたランニングシューズを準備することも足攣り予防に大切です。サイズの合わない靴は足の余計な力みを生じさせてしまいます。
【例】
サイズの少し大きいランニングシューズを使用すると、シューズ内で足がズレないように指に力が入ったりします。本来必要のない力みをは消耗を増やし、筋肉を疲労させます。その結果、サイズの合わないシューズは足攣りの一要因となってしまう可能性があります。
また、能力に合わせたランニングシューズを使うことも大切です。
【例】
・走っている時に体幹ばブレてしまう人はヒールカウンターの高い安定性の高いシューズ
・体重が重めのランナーはクッション性の高いシューズ
・ふくらはぎの柔軟性が乏しい人はドロップの低すぎないシューズ
など能力・問題点に応じて適切なシューズを選びましょう。
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ランニングソックスを使用する
ランニングソックスはシューズ内で足がズレてしまうことを防いでくれる効果があります。
その結果、シューズ内で足がズレないように指に力が入ることを防ぎ、余計な消耗を抑えてくれます。見逃しやすい点ですが、ランニングシューズの次に大切なのがランニングソックス。
ランニングソックスも本番前に準備しておきましょう!!
マラソンの足攣り対策:戦略
レース本番の戦略は足攣り予防に一番大切といっても過言ではありません。トレーニングを積んで、ランニングフォームを修正して、本番に向けて準備をしても、本番で戦略をミスってしまえば足が攣ってしまうかもしれません。
レース序盤は抑え目に走る
マラソン戦略の基本ともいえるのがレース序盤は控え目に走るということ。
走り始めの約20分は糖質エネルギーを消耗しやすい状態であり、筋肉が特に疲労しやすい状態です。走り始めにタイムを稼いでおこうとして、序盤にペースを上げてしまうと筋肉が大きく疲労し後半で足が攣ってしまうリスクが高くなります。
レース開始20分はウォーミングアップのつもりで、勇気を持ってペースを落として走りましょう。
坂道はリズムを意識して走る・無理にペースを維持しない
坂道は筋肉の負担が一気に増える区間です。「上りはお尻~ふくらはぎまでの足の後ろ」・「下りは太もも前」の筋肉負担が増えてしまいます。上り坂でペースを維持、下り坂でペースを上げようとすると筋肉が大きく疲労し後半で足が攣ってしまうかもしれません。
坂道はリズムを意識して走ろうとし、無理してペースを維持したり、上げたりしないことが攻略のポイントです。
ランニングウォッチをつけている方はランニングパワーが参考になります。平坦と坂道でランニングパワーが同じになるようにペースをコントロールするとオーバーペースを防ぎ足攣りを予防することに繋がります。
風の強い区間は集団で走る
海沿いなど風の強い区間は足の負担が増えてしまいます。特に強い向かい風の中ペースを維持しようとすると足を一気に消耗してしまいます。
風の区間でも出来るだけ消耗しないでペースを維持するには集団の中で走ること。集団の後方に位置取り走ることで向かい風の影響を大きく減らすことができます。少ない人数でも風の影響を減らすことができますので、向かい風を感じたらあえて人の後ろに一度って走ることも一つの戦略です。
まとめ
本記事ではマラソン中の足攣り対策として、「トレーニング」・「走り方」・「準備」・「戦略」についてお伝えしてきました。
トレーニングとしては「イージーラン」・「ロング走」・「筋トレ」を積極的に取り入れることが足攣り対策になります。
走り方は「ピッチを意識すること」・「足の着地は身体の真下をイメージすること」・「後ろに残っている足を前に引き戻すイメージ」が足の負担を減らします。
準備は「ボトルや塩分タブレット」・「適切なランニングシューズ」・「ランニングソックス」が特に大切です。
レース本番の戦略は「レース序盤は控え目に走ること」・「坂道で無理にペースを維持・上げないこと」・「向かい風の中は集団で走ること」が足攣り対策に繋がります。

足攣り対策はマラソンの完走・記録更新のために必須です。
足攣りが原因でゴール目前でリタイアしたり、失速して記録を更新できなかったりなど後悔の内容に出来る最善を尽くしましょう!
風を切るランニング 