マラソンは体に悪い?ーーーこんなことを聞くと不安になったり、本当にそうなのかな?と疑問に思いますよね。
マラソンは実際に体に悪いのでしょうか?走ることは体力がつき、健康そうにも思えます。
本記事では「マラソンが健康に悪いのか?」「マラソンが体に悪いと言われる理由」「マラソンのトレーニングを積んでいく過程は健康面に良い影響」「マラソンが危険になりやすい人」「体への負担を減らしてフルマラソンを走るポイント」について解説していきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
結論:マラソンは体に悪いとは言い切れない
【結論】
適切な準備と体調管理ができていれば、マラソンが必ず体に悪いとは言えません。
ただし、フルマラソンは健康づくりに必要な運動量を大きく超えるため、一時的に筋肉・腎臓・心臓などへ負担がかかります。
マラソンそのものは運動量を考えれば健康的に様々なメリットがあります。しかし、やり方を間違えたりケアを怠ると健康面に悪影響を及ぼすリスクもあります。
例えば紫外線です。紫外線は一定の量であれば、セロトニンの分泌であったり、ビタミンDの生成など健康効果がありますが、浴びすぎてしまうと免疫機能が落ちたり、皮膚がんのリスクも上がります。
他には早朝から速く走るトレーニングは身体にあまり良くない影響もあります。健康的にマラソン・トレーニングをするには様々な知識と準備が必要です。
マラソンが体に悪いと言われる理由
まずはマラソンが体に悪いと言われる理由を整理したいと思います。
①筋肉や腱に大きなダメージが加わる

フルマラソンは、同じ動作を何万回も繰り返し、何万回も着地の衝撃を身体で受け止めます。
特に負担がかかりやすいのは、「太ももの前後」・「ふくらはぎ」・「アキレス腱」・「足底」・「膝や股関節周囲」です。
フルマラソンレース後の筋肉痛や脚の重さは、エネルギー切れだけでなく、着地の衝撃吸収など筋肉を繰り返す使うことで生じる微細な損傷も関係します。
フルマラソンは組織損傷が非常に大きく健康的な範囲を超えることから体に悪いと言われています。
②心臓に一時的な負担がかかる
マラソン中は、長時間にわたって心拍数が高い状態になります。心臓も疲労するため長時間の心拍数が高い状態は心臓に負担をかけてしまいます。
また、フルマラソン中は身体はずっと興奮状態であり、マラソン後の自律神経のバランスが崩れてしまいます。心臓をコントロールするのは自律神経であり、自律神経のバランスが崩れることは心臓に負担をかける可能性があります。
③脱水によって腎臓に負担がかかる

腎臓へ送られる血液量が減ると腎臓に負担がかかります。マラソンで汗をかいて体内の水分が減ると、腎臓へ流れる血液も減りやすくなります。
特に、「暑い日のレース」・「発汗量が多い人」・「水分補給が不足した場合」・「鎮痛薬を使用して走った場合」は注意が必要です。
「脚の痛みを抑えるために鎮痛薬を飲んで走る」という行動は、痛みを隠して無理をしやすい点でもおすすめできません。
④水分の摂りすぎでも体調を崩すことがある
汗により血液の循環量が減ると腎臓に負担をかけてしまいます。脱水を恐れて、水だけを必要以上に飲み続けるのも安全とは限りません。
汗で塩分を失っている状態で大量の水を飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下することがあります。ナトリウムは身体に水分を蓄える役割があり、水だけでは体内に水分を蓄えることが出来ません。
そのため、給水は「多ければ多いほどよい」ではなく、塩分タブレットなども合わせて考える必要があります。
⑤胃腸に負担がかかる

マラソン中は走り続けるために筋肉へ血液を送り、上がった体温を汗によって下げるために皮膚へも血液を送らなければいけません。
そのため、マラソン中は相対的に胃腸への循環量が減ってしまい、働きが低下しやすくなります。その結果、「吐き気」・「腹痛」・「下痢」・「食欲低下」・「エネルギー補給を受け付けない」といった症状が起こることがあります。
⑥疲労によってフォームが崩れ、ケガにつながる

マラソン後半では筋力や集中力が必ず低下します。疲労による筋力低下・集中力低下はランニングフォームの維持が困難になり、フォームが乱れてしまい余計に身体に負担がかかってしまいます。
例えば、「足の着地が体より前になる」・「腰が落ちる」・「上下動が大きくなる」・「膝や足首の動きが不安定になる」などの変化が起こり、局所的な負担が増えます。
「走ると膝が必ず悪くなる」とは言えませんが、準備不足や痛みを抱えた状態で走り続ければ、ケガのリスクは高まります。
⑦レース後は回復に時間が必要になる

身体にとってフルマラソンは完走したら終わりというわけではありません。ゴールした後も、数週間は体が完全に回復しているとは限りません。
レース後は筋肉痛だけでなく、「全身のだるさ」・「睡眠の乱れ」・「食欲低下」・「自律神経の乱れ」が続くことがあります。
完走後しばらくは身体が疲労している状態であり、日常生活に支障が出たり、ケガをする可能性があります。
マラソンのトレーニングを積んでいく過程は健康面に良い影響
フルマラソンは健康づくりに必要な運動量を大きく超えるため体にとって悪いと言えます。
しかし、トレーニングを積んでいく過程そのものは健康に繋がることが期待できます。また、トレーニングを積むことでフルマラソンの悪影響を抑えることができます。
マラソンに向けて継続的に走ることは、「心肺機能の向上」・「体重管理」・「血圧や血糖の管理」・「ストレスの軽減」・「睡眠や生活習慣の改善」などが期待できます。
もしマラソンで健康効果を得ることが目的である場合、フルマラソンを走る必要はありません。ウォーキングや短時間のランニングでも、継続することで十分なメリットがあります。健康に良いのは「無理のない運動習慣」であり、42.195kmそのものではありません。
マラソンが危険になりやすい人・状況
マラソンは心身を整えたり、鍛えたりすることで様々な健康効果が期待できます。極端に42.195kmも一度に走らなければ腱的です。しかし、そんなマラソンもやり方・考え方を間違えてしまうと健康面に悪影響を及ぼしてしまいます。
1.十分な練習をせずに出場する

フルマラソンやハーフマラソンに十分なトレーニングを積まずに出場することは身体が長い距離を走ることに適応してません。そのため、身体の負担は非常に大きくなり許容を超えやすくなります。
「若いから大丈夫♪」
「ゆっくり走るから大丈夫♪」
というわけにはいかず、そもそもマラソンは強度の高いスポーツであり、十分なトレーニングを積んでおかないと健康面にも悪影響が出やすくなります。
2.下痢がある
ランナーによくある症状の1つとして走っている時のお腹の不調です。
走っている時にお腹が痛くなり、トイレに駆け込むことは珍しくありません。
これは走っている時の上下運動が腸に与える刺激や走ることによる胃腸への血液循環量が減ることが関係しています。十分な対策をとれば問題ありませんが、お腹が痛く下痢になっている状態で走ることは健康的にはあまりよくありません。
脱水の原因となってしまいますので、健康面を考えると下痢がある時は走ることを控えた方がいいでしょう。
3.胸痛や動悸がある
マラソンは筋肉・関節だけでなく、呼吸器・心臓にも負担をかけます。
日常生活はもちろん、走っている時に胸痛・動悸がある時は危険のサインかもしれません。走ることを控え医療機関に相談するようにしましょう。
4.暑い日に目標ペースへ固執する

暑い時期は自然と身体の負担が増えていきます。
暑い時期は疲れやすい…ということはなんとなく実感されている方も多いのではないでしょうか?
マラソンでは暑い時期に走ると、上がった体温を汗をかいて下げようと皮膚への血液循環量が増えてしまいます。皮膚への血液循環量が増えることから心臓の負担が増えて心拍数が上昇しやすくなります。また、筋肉への血液量も相対的に減ってしまうこともあり、十分な酸素・脂肪酸が届かず糖質エネルギーを消費しやすくなります。
その結果、走るペースは変わらないのに「心拍数が高い」「足が重たくなる」ということになってしまいます。暑い時期は冬と比べて身体の負担が大きいため、ペースに固執し過ぎるとオーバーワークになってしまいます。

暑い時期はペース・心拍数に固執せず、主観的な疲労度や強度を重視しましょう!
5.痛み止めを飲んで無理に走る

痛みは身体の危険信号のサインです。
痛みがあるということは、痛みがある原因が身体のどこかにあるということ。痛み止めはそんな身体の信号を抑えてしまうため、痛み止めを飲んで走ることは身体の余計に悪化させてしまうリスクがあります。
6.水分を極端に制限する、または飲みすぎる
走っている時の水分をどのようにして持ち運ぶのか難しいですよね。かといって途中でコンビニや自動販売機で飲み物を買うのはお金がかかるから嫌…その気持ちはすごくわかります。
しかし、水分を持ち運ぶのが手間・お金を使うのが嫌だということで水分補給をせずに長い時間走るーーーこれは循環する血液量が減ってしまうため身体の負担が非常に大きくなります。筋肉だけでなく胃腸や腎臓への血液循環量が減ってしまうため健康面に悪影響です。
反対に脱水が心配だからということで水分を飲み過ぎることもまた身体に負担をかけてしまいます。適切な水分量を細目に摂取することが大切ですね。
7.持病があるのに医療機関へ相談していない
持病がある方はマラソンをする前に医療機関へ相談することが必須といっても過言ではありません。
マラソンそのものが身体の負担が大きいため、持病によってはマラソンによって悪化してしまう恐れがあります。また、持病を悪化させないために、どのようなことに気を付ければいいのかを聞くことも出来るためまずは医療機関で相談しましょう。
8.痛みを抱えたまま走行距離を増やす

マラソンは片足ジャンプと片足着地を何千回・何万回と繰り返します。
着地の衝撃は筋肉だけでなく、骨や関節にまでダメージを蓄積させます。本来なら、徐々に走る距離を伸ばしていき身体を適応させていきます。しかし、いきなり走行距離を一気に伸ばしたりすると身体が適応する前にダメージだけがどんどん蓄積されていきます。
身体が適応しきれないと身体に痛みが生じるため、痛みを抱えたまま走行距離を伸ばすことはケガや故障に繋がってしまうリスクがあります。
体への負担を減らしてフルマラソンを走るポイント
フルマラソンは健康づくりに必要な運動量を大きく超えるため体にとって悪いと言えます。しかし、フルマラソンに出場することを否定したいわけではありません。フルマラソンを完走することで大きな経験値や達成感を得ることもできるでしょう。
フルマラソンが健康面にできるだけ悪影響を与えないようにするには事前準備が大切です。フルマラソンに出場する前に行っておきたいことを整理していきます。
数か月かけて走行距離を増やす

走る距離は徐々に伸ばすことがポイントです。
具体的には1週間単位で10%走行距離を伸ばして様子をみます。1週間で15km走ったのなら翌週は16.5kmという感じです。走行距離を伸ばして身体に痛みが出なければ、また翌週も10%伸ばして様子をみましょう。
もし走行距離を伸ばして身体に痛みが出てくれば、距離を戻してしばらくは同じ走行距離で走るようにします。
走る身体は数カ月かけて作っていきます。骨や関節が走ることに適応するには非常に時間がかかり数カ月かかるとも言われています。痛みの無い範囲で徐々に距離を伸ばしていきましょう。
ロング走で長時間動くことに慣れる
ロング走は一度にゆっくり長い距離を走るトレーニングを言います。フルマラソンは非常に長い距離を走るため、本番1ヶ月以上前に最低1回でも長い距離を走るトレーニングを積むことが大切です。
一度に長い距離を走るトレーニング、経験値はフルマラソン本番で非常に大きな恩恵を与えてくれるためオススメです。詳しくは下記記事を参考にして下さい。
給水・補給を練習中に試す
プロのスポーツ選手でも通常の練習の他に、本番を想定した練習や練習試合を行います。
マラソンも同様であり、実践を想定した練習が必要です。マラソン本番を想定した給水・補給を練習しておくことで、マラソン本番時に、どの程度走ったら水分を補給するのか、補給をするのが適切なのかを知っておくことは身体の負担を減らしながら走ることに繋がります。
走るペースが人それぞれであるように、給水・補給するタイミングも人それぞれです。身体の負担が減る給水・補給のタイミングを知るためにも練習中に色々試行錯誤しましょう。
気温や体調に合わせてペースを下げる

走るペースに固執したり、走行距離にこだわるとオーバーワークになってしまい、体調を崩してしまうかもしれません。
気温が高い日は自然と心臓や腎臓・筋肉の負担が増えてしまうため、暑い時は走るペースや距離を落とすなど調整しましょう。主観的なキツさ・疲労度でトレーニングを調整し、無理のないようにしましょう。
レース後は休養とケアを大切にする
フルマラソンは完走したらおしまいというわけにはいきません。フルマラソンを走った直後の身体は大きなダメージを受けているため、完走後の休息・ケアが非常に大切です。
フルマラソン完走後は失ったエネルギーを補給するために糖質、微細な損傷を繰り返した筋肉などを回復させるためのタンパク質、汗をかいて減った水分をしっかり補給するようにしましょう。ただし、完走直後は内臓も疲弊しているため、完走後落ち着いて30分以上経過してから徐々に補給するようにしましょう。
完走後に一気に食べ物を補給してしまうと消化器官に大きなダメージを与えてしまいます。
まとめ
本記事では「フルマラソンは体に悪いのか?」ということを整理してきました。
フルマラソンは健康づくりに必要な運動量を大きく超えるため体にとって悪いと言えます。しかし、フルマラソンに参加するためのトレーニングの過程や走る習慣は健康的な身体を作ることに繋がります。
フルマラソンに参加し完走することは非常に大きな経験値・達成感を得ることに繋がるでしょう。そのため、フルマラソンに出場することを否定したいわけではありません。
フルマラソンに参加する前に入念に準備をしておくことで、体への負担を減らすことが出来ます。フルマラソンに参加する前に数カ月かけて「イージーラン」「ロング走」などのトレーニングを積んでおきましょう。

今日が一番若い日です。フルマラソンに挑戦し完走することが出来る最大のチャンスが今日です。
フルマラソンに参加する予定のある方・挑戦したい方は今日から出来るトレーニングを積んでいきましょう。
風を切るランニング 