
「ランニングしかしていないのに、プロテインは必要なの?」
「種類が多すぎて、どの商品を選べばよいのか分からない」
同じように悩んでいるランナーも多いのではないでしょうか。
プロテインは、筋肉を大きくしたい人だけが利用する食品ではありません。
ランニングでは筋肉が繰り返し収縮し、着地のたびに下半身へ負荷が加わります。走行距離や練習頻度が多い人、減量中の人、練習後すぐに食事を取れない人は、食事だけではたんぱく質が不足することがあります。
一方で、普段の食事から必要なたんぱく質を摂取できていれば、すべてのランナーにプロテインが必要なわけではありません。
プロテインは、食事の代わりではなく、食事だけでは不足するたんぱく質を補うための食品です。
まずは、今回紹介するプロテインを目的別にまとめます。
目的別|ランナーにおすすめのプロテイン
プロテインは、単純なランキングではなく、原材料、飲みやすさ、乳糖への耐性、摂取したい栄養素などから選ぶことが大切です。
| 目的 | おすすめ商品 | 1食あたりのたんぱく質 | 主な特徴 | 第三者認証 |
|---|---|---|---|---|
| たんぱく質とビタミン・ミネラルを摂りたい | WINZONE ホエイプロテイン プレーン ナチュラルミルク風味 | 20.9g/29g | ホエイたんぱく、ビタミン11種、ミネラル4種 | Informed Choice |
| 原材料がシンプルな商品を選びたい | ビーレジェンド WPCプロテイン GENMATSU | 23.0g/30g | 原材料は乳清たんぱくのみ | Informed Choice |
| ランニング後にさっぱり飲みたい | ザバス アクア ホエイプロテイン100 グレープフルーツ風味 | 20.0g/28g | 酸味のあるタイプ、クエン酸・ビタミン配合 | Informed Protein、Informed Choice |
| ホエイでお腹がゴロゴロしやすい | WINZONE おなかにやさしいホエイプロテイン 完熟バナナ風味 | 20.8g/35g | 乳糖を約99%分解したホエイ原料、ラクターゼ配合 | Informed Choice |
| 定番商品を少量から試したい | ザバス ホエイプロテイン100 リッチショコラ味 | 19.5g/28g | ホエイたんぱく、ビタミン類配合 | Informed Protein、Informed Choice |
| たんぱく質と追加成分をまとめて摂りたい | DNS ホエイプロテインSP チョコレート風味 | 26.5g/34g | HMB、グルタミン、シトルリン、アルギニン配合 | Informed Choice |
| 植物性プロテインを選びたい | WINZONE ソイプロテイン きなこショコラ風味 | 16.1g/20g | 大豆たんぱく、ビタミン・ミネラル・植物性乳酸菌 | Informed Choice |
※商品情報は、2026年7月22日時点で各公式サイトに掲載されていた内容をもとにしています。フレーバーや容量によって栄養成分と原材料が異なる場合があります。
たんぱく質とビタミン・ミネラルを摂りたいランナー
日本新薬 WINZONE(ウィンゾーン)ホエイ プロテイン PERFECT CHOICE 1袋(1kg)抹茶風味 価格:4880円 |
日本新薬 WINZONE(ウィンゾーン)ホエイ プロテイン PERFECT CHOICE 1袋(1kg)濃厚リッチチョコ風味 価格:4880円 |
WINZONE ホエイプロテイン
WINZONE ホエイプロテインのプレーン ナチュラルミルク風味は、1食29gあたり20.9gのたんぱく質を摂取できます。
BCAAは1食あたり5,054mg含まれています。
- ロイシン:2,375mg
- イソロイシン:1,386mg
- バリン:1,293mg
さらに、11種類のビタミンと、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムの4種類のミネラルが配合されています。
Informed Choiceを取得している点も、競技会に参加するランナーが商品を選ぶ際の判断材料になります。
- たんぱく質と一緒にビタミンやミネラルも摂りたい
- BCAA含有量が明記された商品を選びたい
- 成分全体のバランスを重視したい
- 第三者認証のある商品を選びたい

ただし、ビタミンやミネラルが配合されていても、野菜、果物、海藻、乳製品などの代わりになるわけではありません。
食事の補助として利用しましょう。
原材料がシンプルな商品を選びたいランナー
総合1位【LINE登録で最大1000円OFF】 WPC プロテイン 白バラコーヒー風味【 30食分 600g 】 ビーレジェンド 価格:4980円〜 |
ビーレジェンド WPCプロテイン GENMATSU
ビーレジェンドのGENMATSUは、1食30gあたり23.0gのたんぱく質を摂取できます。
原材料は、オーストラリア製造の乳清たんぱくのみです。
香料、甘味料、ビタミン、ミネラルなどは配合されていません。
- 甘味料や香料を避けたい
- 原材料がシンプルな商品を選びたい
- 甘いプロテインが苦手
- コーヒーやヨーグルトなどに混ぜて使いたい

味付けされていないため、一般的なフレーバー付きプロテインより飲みにくく感じる場合があります。
水だけで飲みにくい場合は、牛乳、豆乳、コーヒー、ヨーグルトなどに加える方法があります。
ランニング後にさっぱり飲みたいランナー
ザバス アクア ホエイプロテイン100 グレープフルーツ風味 800g 【ザバス(SAVAS)】 価格:5098円 |
ザバス アクア ホエイプロテイン100
グレープフルーツ風味は、1食28gあたり20.0gのたんぱく質を摂取できます。
ミルク系の濃厚な味ではなく、水に溶かして飲む酸味のあるタイプです。
1食あたりクエン酸が2,400mg配合されています。
- ランニング後に濃厚な飲み物を避けたい
- 水でさっぱり飲めるプロテインを探している
- 夏場のトレーニング後に利用したい
- 第三者認証を重視したい

糖質も含まれていますが、この商品だけでロング走後に必要な糖質を十分補給できるとは限りません。
長時間走ったあとは、おにぎり、パン、バナナなども組み合わせましょう。
ホエイプロテインでお腹がゴロゴロしやすいランナー
価格:1200円〜 |
WINZONE おなかにやさしいホエイプロテイン
完熟バナナ風味は、1食35gあたり20.8gのたんぱく質を摂取できます。
乳糖を約99%分解したホエイ原料が使用され、乳糖の分解を助けるラクターゼも配合されています。
BCAAは1食あたり4,981mg含まれています。
- 牛乳を飲むとお腹が張りやすい
- 通常のWPCプロテインで腹部症状が出やすい
- 低乳糖タイプを検討したい
- ビタミンやミネラルも一緒に摂取したい

乳糖が分解されていても、乳成分を含む商品です。
乳アレルギーがある人向けの商品ではありません。また、すべての胃腸症状を防げるわけではないため、最初は少量から試しましょう。
定番商品を少量から試したいランナー
ザバス ホエイプロテイン100 リッチショコラ味(980g)【sav03】【meijiAU04】【ザバス(SAVAS)】[インフォームドプロテイン認証] 価格:5698円 |
ザバス ホエイプロテイン100 すっきりフルーティー風味 700g 【ザバス(SAVAS)】 プロテイン 価格:2982円 |
ザバス ホエイプロテイン100 マルチビタミン&ミネラル ミルクショコラ風味 900g 【ザバス(SAVAS)】 価格:3705円 |
ザバス ホエイプロテイン100
リッチショコラ味は、1食28gあたり19.5gのたんぱく質を摂取できます。
ホエイたんぱくに加えて、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなども配合されています。
- 定番ブランドから選びたい
- 少量サイズから試したい
- チョコレート系の味を好む
- ビタミン類も一緒に摂取したい

初めてプロテインを飲む人は、少量サイズから味、溶けやすさ、胃腸への影響を確認するとよいでしょう。
たんぱく質と追加成分をまとめて摂りたいランナー
価格:8491円 |
DNS ホエイプロテインSP
チョコレート風味は、1食34gあたり26.5gのたんぱく質を摂取できます。
さらに、1食あたり次の成分が配合されています。
- HMBカルシウム:1,500mg
- グルタミン:5,000mg
- シトルリン:500mg
- アルギニン:500mg
- 1食あたりのたんぱく質量を重視したい
- ランニングに加えて筋力トレーニングも行っている
- HMBやアミノ酸類もまとめて摂取したい
- 配合成分を理解したうえで選びたい

ただし、追加成分が多いほど、すべてのランナーの回復効果が高くなるとは限りません。
まずは、総摂取エネルギー、糖質、たんぱく質、睡眠を優先しましょう。
植物性プロテインを選びたいランナー
価格:14618円〜 |
WINZONE ソイプロテイン
きなこショコラ風味は、1食20gあたり16.1gのたんぱく質を摂取できます。
主原料は大豆たんぱくで、BCAAは1食あたり2,812mg、アミノ酸スコアは100です。
ビタミン、ミネラル、植物性乳酸菌なども配合されています。
- 乳製品を避けたい
- 植物性プロテインを選びたい
- 大豆由来のたんぱく質を摂取したい
- ビタミンやミネラルも一緒に補いたい

1食あたりのたんぱく質量は、今回紹介したホエイプロテインより少なめです。
必要なたんぱく質量に合わせて、食事との組み合わせや使用量を調整しましょう。
大豆アレルギーがある人は摂取できません。
プロテインは目的と体質に合わせて選ぶ

今回紹介した商品の選び分けを、もう一度整理します。
- 栄養素のバランスを重視するなら、WINZONE ホエイプロテイン
- 原材料のシンプルさを重視するなら、ビーレジェンド GENMATSU
- ランニング後の飲みやすさを重視するなら、ザバス アクア ホエイプロテイン100
- 乳糖による腹部症状が気になるなら、WINZONE おなかにやさしいホエイプロテイン
- 定番商品を少量から試すなら、ザバス ホエイプロテイン100
- 追加成分もまとめて摂取するなら、DNS ホエイプロテインSP
- 乳製品を避けるなら、WINZONE ソイプロテイン

ただし、プロテインは飲めばランニングが速くなる食品ではありません。
自分に必要な商品を選ぶためには、ランニングでどのようにエネルギーが作られ、なぜランナーにもたんぱく質が必要なのかを理解することが大切です。
プロテインとは?
プロテインは、日本語で「たんぱく質」を意味します。
一般的にプロテインと呼ばれている商品は、牛乳や大豆などからたんぱく質を抽出し、粉末状に加工した食品です。
肉、魚、卵、牛乳、大豆製品などに含まれているたんぱく質を、手軽に補うための食品と考えると分かりやすいでしょう。
プロテインを飲むだけで筋肉が増えたり、ランニングが速くなったりするわけではありません。

日々の食事とトレーニングを基本として、食事だけでは不足するたんぱく質を補うために利用します。
ランニングで使われるエネルギーの仕組み

ランニング中、筋肉を動かすために直接使われるエネルギーはATPです。
ATPは体内に大量に蓄えておくことができないため、運動中は継続的に再合成する必要があります。
ATPの再合成には、主に次の栄養素が利用されます。
- 糖質
- 脂質
- 一部のアミノ酸

どの栄養素を多く利用するかは、ランニングの強度、運動時間、トレーニング状態、食事内容などによって変化します。
糖質は速いペースを支える重要なエネルギー源

食事から摂取した糖質は、ブドウ糖として利用されるほか、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられます。
糖質はATPを比較的速く再合成できるため、次のような場面で重要です。
- インターバル走
- 閾値走
- 坂道トレーニング
- レース
- ラストスパート
- ペースの速いランニング

一方で、体内に蓄えられるグリコーゲンの量には限界があります。
長時間走り続けると筋グリコーゲンが減少し、ペースを維持しにくくなることがあります。
マラソンやロング走で糖質補給が重要になる理由の一つです。
脂質は長時間運動を支えるエネルギー源
脂質は、主に低〜中強度の運動で利用されるエネルギー源です。
体内には糖質よりも多くのエネルギーを脂肪として蓄えることができます。
ただし、脂質からATPを作るには酸素が必要であり、エネルギーを供給する速度も糖質より遅くなります。
そのため、運動強度が高くなるほど糖質の利用割合が高まり、ゆっくり長く走る場面では脂質も多く利用されます。
糖質か脂質のどちらか一方だけが使われるわけではありません。
実際には両方が同時に使われ、運動強度や時間などによって利用割合が変化します。

たんぱく質もエネルギーとして使われる?

たんぱく質は、通常、ランニングにおける主要なエネルギー源ではありません。
しかし、次のような状況では、アミノ酸の一部がエネルギー生成に利用される割合が高まる可能性があります。
- 長時間走り続けている
- 筋グリコーゲンが減少している
- 空腹状態で走っている
- 摂取エネルギーが不足している
- 減量中で食事量を減らしている
- 練習量に対して回復が追いついていない
ここで関係するのが、BCAAと呼ばれるアミノ酸です。
BCAAとは?

BCAAは「Branched-Chain Amino Acids」の略で、日本語では分岐鎖アミノ酸と呼ばれます。
BCAAに含まれるのは、次の3種類です。
- ロイシン
- イソロイシン
- バリン
これらは、体内で十分に合成できない必須アミノ酸です。そのため、食事から摂取する必要があります。
BCAAは、ほかの多くのアミノ酸と比べて骨格筋で代謝されやすいことが特徴です。
ランニング中には、筋肉内でBCAAが分解され、その一部がエネルギー生成経路に入ります。
食事やプロテインに含まれるたんぱく質
↓
消化によってアミノ酸へ分解
↓
BCAAが筋肉内で代謝される
↓
エネルギー生成経路へ入る
↓
ATPの再合成に利用される
ロイシンは主にアセチルCoAなどへ、イソロイシンとバリンはスクシニルCoAなどへ変換され、走る為のエネルギー生成に関わります。

ただし、BCAAはランニング中の主要なエネルギー源ではありません。ランニングで中心となるのは、あくまで糖質と脂質です。
「BCAAがエネルギーになるから、ランナーはBCAAサプリメントを飲むべき」と単純に結論づけることはできません。
ランナーにたんぱく質が必要な理由

筋肉の修復とトレーニング適応を支える
ランニングでは、下半身を中心とした筋肉が何度も収縮します。
特に次のようなトレーニングでは、筋肉への負荷が大きくなります。
- ロング走
- 坂道ランニング
- インターバル走
- レペティション走
- 下り坂トレーニング
- 筋力トレーニング

トレーニング後は、負荷を受けた筋たんぱく質の修復と、新しい筋たんぱく質の合成が行われます。
その材料となるのが、食事やプロテインから摂取するアミノ酸です。
腱や結合組織の材料になる
たんぱく質は筋肉だけの材料ではありません。腱、靱帯、皮膚、骨を構成する組織にも、コラーゲンなどのたんぱく質が含まれています。
ランニングでは、アキレス腱、膝蓋腱、足底部などへ繰り返し負荷が加わります。繰り返し負荷により傷ついた組織の修復には材料であるタンパク質が必要です、ただし、プロテインを飲めば腱や関節のケガを予防できるという意味ではありません。
練習量の調整、睡眠、総摂取エネルギー、糖質、ビタミン、ミネラルなども含めて考える必要があります。
酵素やホルモンなどの材料になる
たんぱく質は、筋肉を作るだけではありません。
体内で働く酵素、ホルモン、免疫に関わる物質などの材料としても利用されます。練習量が多いランナーほど、身体のさまざまな機能を正常に保つための栄養摂取が重要です。
エネルギー不足時の筋肉量低下を防ぐ
摂取エネルギーが不足すると、身体は体内の組織を分解してエネルギーを確保しようとします。
特に次のようなランナーは注意が必要です。
- 減量中
- 食事量が少ない
- ロング走の頻度が高い
- 朝食前に長時間走る
- 月間走行距離が急に増えた
- 練習後の食事が遅くなる

十分な糖質と総摂取エネルギーを確保したうえで、必要なたんぱく質を摂取することが、筋肉量やコンディションの維持につながります。
ランナーに必要なたんぱく質量
スポーツ栄養に関する複数のガイドラインでは、運動習慣のある人に対して、体重1kgあたり1日1.2〜2.0g程度のたんぱく質摂取が示されています。
たとえば、体重60kgの場合は次のようになります。
- 1.2g/kg:1日72g
- 1.5g/kg:1日90g
- 2.0g/kg:1日120g
ただし、すべてのランナーが上限に近い量を摂る必要はありません。
練習量が少ない市民ランナーは低めの範囲から考え、次のような時期には必要量が増える可能性があります。
- 走行距離が多い時期
- 高強度トレーニングを行っている時期
- 筋力トレーニングも行っている
- 減量中
- エネルギー不足が起こりやすい
- ケガから復帰している

また、1回に大量のたんぱく質を摂取するよりも、朝食・昼食・夕食・間食などに分けて摂取する方が、1日を通して筋たんぱく質の合成を支えやすくなります。
ランナー全員にプロテインが必要なわけではない

プロテインは便利な食品ですが、すべてのランナーに必須ではありません。

肉、魚、卵、牛乳、ヨーグルト、豆腐、納豆などから必要なたんぱく質を摂取できていれば、無理にプロテインを追加する必要はありません。
プロテインが役立ちやすいのは、次のようなケースです。
- 朝練後に食事を取る時間がない
- 練習後から次の食事まで時間が空く
- 食事量が少ない
- 肉や魚をあまり食べない
- 走行距離や練習頻度が多い
- 減量中で摂取エネルギーを調整している
- 外出先でも手軽にたんぱく質を補給したい
- 食事だけでは必要量を満たせない
プロテインは、食事の代わりではなく、不足分を補うために使うのが基本です。
BCAAとプロテインの違い
BCAAサプリメントとプロテインは、同じものではありません。
| 比較項目 | プロテイン | BCAA |
|---|---|---|
| 主な成分 | 複数の必須・非必須アミノ酸 | ロイシン・イソロイシン・バリン |
| 筋肉の材料 | 幅広いアミノ酸を補給できる | 3種類のみ |
| エネルギー利用 | 含まれるアミノ酸の一部が利用される | 筋肉内で一部利用される |
| 筋たんぱく質合成 | 必要なアミノ酸をまとめて補いやすい | ほかの必須アミノ酸が不足する |
| 基本的な優先度 | 食事で不足する場合に利用する | 補助的に考える |
ロイシンには、筋たんぱく質合成を開始するシグナルとしての役割があります。
しかし、新しい筋たんぱく質を作り続けるためには、ロイシンだけでなく、ほかの必須アミノ酸も必要です。BCAAだけを摂取しても、筋肉を作るために必要な材料がすべて揃うわけではありません。

食事やプロテインから十分なたんぱく質を摂取できている場合、BCAAを別に追加する必要性は高くありません。
ランニング中はBCAAより糖質補給を優先する
長時間のランニングでは、BCAAよりも糖質補給の優先度が高くなります。
マラソンやロング走では筋グリコーゲンが減少しやすいため、次のような食品を利用して糖質を補給します。
- スポーツドリンク
- エネルギージェル
- バナナ
- エネルギーバー
- ようかん
- おにぎり

BCAAを摂取していても、糖質が不足すれば、運動強度を維持しにくくなる可能性があります。糖質もしっかり補給しましょう!
運動中の栄養補給は、次の順番で考えると分かりやすいでしょう。
- 水分
- 発汗量に応じた電解質
- 運動時間と強度に応じた糖質
- 必要に応じてアミノ酸やたんぱく質
※BCAAは、糖質の代わりにはなりません。
ランニング後は糖質とたんぱく質を組み合わせる

練習後の回復では、たんぱく質だけでなく糖質も重要です。
糖質は、運動によって減少した筋グリコーゲンの回復に使われます。
たんぱく質は、筋肉や身体組織の修復に使われます。

そのため、練習後にプロテインだけを飲んで終わるのではなく、糖質を含む食品も一緒に摂取しましょう。
組み合わせの例は次のとおりです。
- プロテイン+おにぎり
- プロテイン+バナナ
- 牛乳+パン
- ヨーグルト+果物
- 卵+ご飯
- ツナサンド+牛乳
- 豆乳+バナナ
※練習後すぐに通常の食事を取れる場合は、必ずしもプロテインを飲む必要はありません。
プロテインを飲むおすすめのタイミング

練習後から食事まで時間が空くとき
練習後すぐに食事を取れない場合は、プロテインを利用すると手軽にたんぱく質を補給できます。
一般的には、1回20〜40g程度のたんぱく質が目安として示されることがあります。ただし、体重、食事量、1日の必要量によって適量は異なります。
プロテイン粉末の重さではなく、栄養成分表示に記載された「たんぱく質量」を確認しましょう。
朝食でたんぱく質が不足するとき
朝食がパンとコーヒーだけ、あるいはおにぎりだけの場合、たんぱく質が少なくなりやすくなります。
卵、ヨーグルト、牛乳、豆乳などを追加できない場合は、プロテインを活用する方法があります。
間食として利用するとき
昼食から夕食まで時間が空く場合や、夕方にランニングする場合は、間食としてプロテインを利用できます。
ただし、ランニング前のエネルギー補給が目的なら、プロテインだけでなく、バナナやパンなどの糖質も一緒に摂取しましょう。
就寝前
夕食のたんぱく質が少ない場合や、練習後の夕食から就寝まで時間が空く場合は、就寝前にたんぱく質を補う方法があります。
ただし、胃腸への負担や1日の総摂取エネルギーも考慮する必要があります。
ランナー向けプロテインの選び方
パッケージに「高たんぱく」と書かれていても、1食あたりのたんぱく質量は商品によって異なります。
粉末の量ではなく、1食あたり何gのたんぱく質を摂取できるか確認しましょう。
ホエイ・ソイ・カゼインの違いを確認する
牛乳由来のプロテインです。
水に溶けやすく、運動後にも利用しやすいため、最初のプロテインとして選ばれることが多い種類です。
ホエイには、主にWPCとWPIがあります。
WPC:比較的価格を抑えやすい一方、乳糖が残りやすい傾向
WPI:たんぱく質以外の成分がより除去されており、乳糖が少ない傾向
※ただし、WPIであっても乳成分を含むため、乳アレルギーの人が利用できるという意味ではありません。
大豆由来の植物性プロテインです。
乳製品を避けたい人や、植物性食品を中心にしている人の選択肢になります。
商品によっては、ホエイよりも溶けにくさや粉っぽさを感じる場合があります。
牛乳由来で、消化吸収が比較的ゆっくりとされるプロテインです。
間食や就寝前に利用されることがあります。
ただし、ランナーが必ずカゼインプロテインを選ぶ必要はありません。
通常は、食事とホエイまたはソイプロテインで対応できます。
糖質量を確認する
プロテイン商品には、たんぱく質が中心の商品と、糖質も含まれるリカバリー向けの商品があります。
練習後におにぎりや果物を食べる場合は、低糖質のプロテインでも構いません。
一方、練習後に食事を用意できない場合は、糖質を含むリカバリー商品を利用する方法もあります。
「糖質が少ないほど優れている」とは限りません。目的に応じて選びましょう。
乳糖への耐性を確認する
牛乳を飲むとお腹が張る、腹痛や下痢が起こる人は、WPCのホエイプロテインが合わない場合があります。
その場合は、次の選択肢があります。
- WPIのホエイプロテイン
- 乳糖を分解したホエイプロテイン
- ソイプロテイン
- ピープロテイン
- 乳糖を含まない製品

症状が強い場合や、乳アレルギーが疑われる場合は、自己判断で無理に摂取しないでください。
継続しやすい味を選ぶ
栄養成分が優れていても、味が苦手で続けられなければ利用しにくくなります。
最初は大容量を購入せず、少量パックやお試しサイズで味、溶けやすさ、胃腸への影響を確認すると失敗を減らせます。
第三者認証を確認する
競技会に参加するランナーは、禁止物質の混入リスクにも注意が必要です。
必要に応じて、Informed Choiceなど、第三者機関による検査・認証の有無を確認しましょう。
認証があってもリスクが完全にゼロになるわけではありませんが、商品選びの判断材料になります。
第三者認証があれば絶対に安全?
Informed Choiceは、スポーツで禁止されている物質などを対象に検査を行う第三者認証プログラムです。
Informed Proteinは、製品に含まれるたんぱく質の品質や表示内容を確認する認証プログラムです。
ただし、同じメーカーのすべての商品が認証対象とは限りません。
競技者は、次の点を確認してください。
- 商品名が認証機関の公式リストに掲載されているか
- 購入するフレーバーが認証対象か
- 商品ラベルに認証マークがあるか
- 最新の認証状況に変更がないか
- 対象ロットに関する情報が掲載されているか
第三者認証は、禁止物質混入のリスクを低減するための判断材料です。
※ただし、あらゆるリスクを完全にゼロにすることを保証するものではありません。
プロテインを飲むと太る?

プロテインそのものが、特別に体脂肪を増やすわけではありません。
ただし、プロテインにもエネルギーがあります。普段の食事で必要なエネルギーとたんぱく質を十分に摂取している状態で、さらにプロテインを追加すれば、総摂取エネルギーが増えます。
摂取エネルギーが消費エネルギーを長期間上回れば、体重や体脂肪が増える可能性があります。
そのため、プロテインを追加するときは、1日の食事全体を確認しましょう。
運動しない日もプロテインは必要?
筋肉や身体組織の修復は、ランニングをしている時間だけに行われるわけではありません。休養日にも必要なたんぱく質を摂取することが大切です。
ただし、休養日も必ずプロテインを飲まなければならないわけではありません。食事から必要量を摂取できていれば、プロテインは不要です。
女性ランナーにもプロテインは必要?
たんぱく質は、性別に関係なく必要な栄養素です。
女性ランナーでも、次のような場合はたんぱく質が不足する可能性があります。
- 食事量が少ない
- 減量している
- 練習量が多い
- 肉や魚をあまり食べない
- 朝食を抜くことが多い
- 練習後の食事が遅くなる

一方で、プロテインを飲むだけで身体が大きくなったり、急激に筋肉が増えたりすることは通常ありません。
月経異常、疲労の蓄積、体重減少、骨のケガを繰り返している場合は、たんぱく質だけでなく、総摂取エネルギー不足にも注意が必要です。
ランナーはBCAAとプロテインのどちらを選ぶべき?

食事から必要なたんぱく質を摂取できていない場合は、BCAAよりもプロテインを優先した方が、複数の必須アミノ酸をまとめて補給できます。
BCAAは、ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類しか含んでいません。筋肉の修復や筋たんぱく質合成を支えるには、ほかの必須アミノ酸も必要です。
基本的な優先順位は次のようになります。
- 十分な総摂取エネルギー
- ランニングに必要な糖質
- 食事からのたんぱく質
- 不足分を補うプロテイン
- 必要性を検討したうえでBCAAなどのサプリメント

「BCAAを飲んでいるから、食事やプロテインは必要ない」という考え方は適切ではありません。
まとめ
ランニング中の主なエネルギー源は、糖質と脂質です。
BCAAを含むアミノ酸も一部エネルギー生成に利用されますが、ランニングにおける主要なエネルギー源ではありません。
特に長時間運動、筋グリコーゲンの減少、空腹状態、摂取エネルギー不足などの状況では、アミノ酸の利用が増える可能性があります。
ランナーにとって大切なのは、BCAAだけを摂取することではなく、十分な総摂取エネルギー、糖質、たんぱく質を確保することです。
食事から必要なたんぱく質を摂取できている場合、プロテインは必須ではありません。
一方で、次のような人にはプロテインが役立ちます。
- 練習後すぐに食事を取れない
- 走行距離が多い
- 減量中
- 食事量が少ない
- 朝食のたんぱく質が不足している
- 外出先でも手軽に補給したい
プロテインを選ぶときは、広告やランキングだけで判断せず、次のポイントを確認しましょう。
- 1食あたりのたんぱく質量
- ホエイ・ソイなどの原料
- WPC・WPIの違い
- 糖質と脂質の量
- 乳糖への耐性
- 味と溶けやすさ
- 第三者認証
- 自分の食事で不足している栄養
プロテインは、飲めば速くなる魔法のサプリメントではありません。
日々の食事とトレーニングを基本として、自分に不足している栄養を補うために上手に活用しましょう。
参考文献
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風を切るランニング 
