【科学的】回復力が高いランナーと低いランナー何が違う?回復力を高めるトレーニングとは?

回復力はトレーニング負荷を上げていくためには非常に大切!

回復力が高いランナーは故障やケガのリスクが低く、十分なトレーニングを積みレース本番でパフォーマンスを発揮することができます。反対に回復力の低いランナーは故障やケガのリスクが高く、トレーニング負荷を上げていくことが難しくレース本番で思ったほどパフォーマンスを発揮できません。

回復力の高いランナーと低いランナーの違いはなんでしょうか?

この記事では「回復力の高いランナーと低いランナーの違い」・「回復力を高めるトレーニング」・「疲労が抜けているサイン」について解説します。

ぜひ、参考にしてみて下さい!!

結論:回復力が高いランナーと低いランナーの違い

回復力が高いランナー回復力が低いランナー
有酸素能力が高いいつも中途半端にキツイ
低強度はゆっくり走る高強度に偏りすぎ
栄養摂取を大切にしている糖質不足
睡眠の質が高い睡眠不足・質が低い
練習にメリハリがある水分不足
フォームが安定トレーニング目的を理解していない

回復力が高いランナーの特徴

有酸素能力が高い(ミトコンドリアが多い)

細胞にあるミトコンドリアは酸素と脂肪をエネルギーに変換するもの。脂質をエネルギーに変換しやすく、糖質を温存しやすくなり、乳酸が生じにくい身体ができています。つまり、ミトコンドリアが多いランナーはエネルギー供給が早く、疲れにくい身体ができているということ。

また、ミトコンドリアは乳酸処理も行うため疲労回復に貢献します。高強度のスピード練習で生じた乳酸を処理してくれるため、ミトコンドリアが多いランナーは回復も早くなります。

ミトコンドリアが多いランナーは「疲れにくい」+「疲労回復が早い」身体ができており、トレーニングが継続しやすくなります。

低強度はゆっくり走る

低強度のトレーニングと決めた日は、ゆっくりジョグをする。

ゆっくり走ることで疲労を溜め込まず、血液の循環が進むことで身体の回復が進み、次のトレーニングの質が上がります。

低強度のジョグ(イージーラン)は「毛細血管の密度向上」・「ミトコンドリアの生成」といった、酸素を供給し疲れにくい・回復を高める身体作り効果が期待できます。つまり、低強度のジョグはトレーニングをするための土台を作る上で非常に大切ということ。

低強度と決めた日は、ゆっくり走る!走る目的をしっかり意識することが大切です

栄養摂取を大切にしている

疲労回復の基本は、【エネルギーの回復】+【損傷の修復】+【炎症のコントロール】

これらを促すには栄養補給が必要不可欠です。

回復の早いランナーほど、走った後の食事を大切にします。失ったエネルギーの回復に糖質と水分補給、損傷した筋線維の修復にタンパク質とビタミン、活性酵素を処理し、炎症を抑えるにはビタミンと脂質、これらは何一つ欠かすことは出来ません。

レベルの高いランナーほど、走った後の食事・栄養バランスを考えて身体を作っていきます!

睡眠の質が高い

栄養摂取が回復の材料とすると、睡眠は回復の時間。

深い睡眠は成長ホルモンが分泌され、走ることで損傷した筋線維の修復を促す効果があります。十分な睡眠時間を確保する・睡眠の質が深いランナーは、十分な回復が期待できます。

また、睡眠は神経を回復させる時間でもあり、いわゆるランニングのキレに関わるため、次のトレーニング負荷に関わってきます。

睡眠の質を高めるポイントは以下の通りです。

1.「成長ホルモンが分泌される22時~2時は寝るようにする」

2.「夕方以降はカフェインを摂取しない」

.「寝る2~3時間前にはトレーニングを済ませる」

4.「寝る前はスマフォやパソコンでブルーライトを眼に浴びない」

練習にメリハリがある

回復力が高いランナーはトレーニング目的がはっきりしており、イージー・ハードをその日によって分けています。回復力が高いランナーは負荷が軽いトレーニングの目的をしっかり理解しており決して無茶はしません。

イージーラン(ジョグ)は「ミトコンドリアを増やす」・「毛細血管の密度を上げる」といった回復力を高める身体作りの効果が期待できます。

ランニングフォームが安定

ランニングフォームによって身体にかかるダメージは大きく異なります。身体のダメージが少ないランニングフォームを理解し、実践しているランナーは身体の余計なダメージを抑えています。

「足はどこで着地しているのか」・「つま先・足裏全体・かかとのどの部分で接地しているのか」・「反り腰になっていないか」「ピッチで走るのか、ストライドで走るのか」など、ランニングフォームを構成する要素はたくさんです。

回復力が高いランナーは走り方を理解し、ランニングフォームが安定しています。ランニングフォームの安定は、身体の余計なダメージを抑えることで、次のトレーニング負荷を上げることができます。

走り方が分からないという人は、まずは走り方の勉強をオススメします。

回復力が低いランナーの特徴

いつも中途半端にキツイ

ジョグのつもりでも、走るスピードが中途半端に速いと疲労が抜けず、回復が追い付きません。ジョグと決めた日は、スピードを上げずゆっくり走ることを徹底する。これが疲れを残さない秘訣です。

ジョグの日に中途半端に速く走ると次のトレーニングの負荷も落ちてしまい、満足にトレーニング出来ません。

ジョグでもきっちりこなすことで持久力を向上させ、回復力を高めることが出来るため決してサボりではありません。

高強度に頼り過ぎ

高強度のトレーニングは心肺機能を鍛えるには効果的であり、持久力を向上させることができます。しかし、高強度のトレーニングは長時間維持することが難しく、ミトコンドリアが増えにくいため回復力は伸びません。

速く走るトレーニングだけを行っているランナーはピークが短く、ジョグも取り入れているランナーはピークが長いと言われています。

ジョグは本当に大切なトレーニング!必ず取り入れましょう。

糖質不足

糖質は大切なエネルギー源。糖質の不足はグリコーゲンの回復が遅れてしまい、常にエネルギー不足の状態になってしまいます。

トレーニングだけでなく、日常生活でもグリコーゲンは使用します。慢性的なグリコーゲンの不足はケトン体を生み出してしまい、身体が疲弊してしまう原因に…

ランニング後は思い切って糖質をしっかり補給しましょう!

睡眠不足・質が悪い

睡眠は身体を回復させる時間。

睡眠不足は身体を回復させる時間が減り睡眠の質の低下は成長ホルモンの分泌を妨げ、損傷した筋線維の修復が不十分となってしまいます。

また、神経疲労が抜けず、ランニングのキレが戻らなくなり、重だるいような走りになってしまいます。

水分不足

水分補給が足りないと、血流量が減るため、回復に必要な酸素・栄養が筋肉に届きにくくなります。また、ランニングによって生じた老廃物(代謝産物)が滞り、回復スピードそのものが低下してしまいます。

グリコーゲンは水分と共に筋肉に蓄えられます。水分不足はグリコーゲンの取り込みが不足するため、エネルギー回復が遅れてしまいます。

水分だけでなくミネラルも回復には重要であり、ナトリウムは身体に蓄える水分量に影響を与えます。

ミネラルの不足は、足攣り・倦怠感・パフォーマンス低下を引き起こすため、水分と共にミネラルの摂取が重要です。

脱水状態は少ない血液を全身に送ろうとするため、心拍数は高いまましっかり水分補給をすることで心拍数が落ち着きやすく、心身がリラックスモードに入りやすくなります。

・失った水分の150%を補給(体重1㎏減➝約1.5L補給)

・ランニング後すぐに500ml前後

・その後こまめに補給

・汗を多くかいた時はナトリウム不足になるため、水分の吸収効率が低下します。

そのため水だけでなく、スポーツドリンク経口補水液などの摂取がオススメです!

トレーニング目的を理解していない

走る強度によって得られるトレーニング効果は異なります。

ゆっくり走るジョグは毛細血管の密度向上・ミトコンドリアの生成

速く走る閾値走やインターバルトレーニングは心肺機能の向上や乳酸処理能力向上

ほぼ全力で走るレぺテンショントレーニングはランニングエコノミーの向上や神経の活性化

ただただガムシャラに走るのは本当に危険。回復が足りず、故障やケガのリスクが高くなってしまいます。

トレーニング知識を身に付けることは自身の身体を守ることに繋がります。トレーニング知識を身に付けて正しくトレーニングを積んでいきましょう。

回復力を高めるトレーニング

身体の回復は栄養だけでなく、酸素を取り込むことも大切!

酸素を効率よく取り込める身体は、「毛細血管の密度向上」「ミトコンドリアの数を増やす」こと。

毛細血管の密度向上とミトコンドリアの数を増やすトレーニングはイージーラン、いわゆるジョグです。

ゆっくり走るジョグは身体の土台を作る目的で行う大切なトレーニングであり、回復力を高めるトレーニングでもあります。ジョグをきっちり行うことで、「高負荷のトレーニングに耐えられる身体」「回復力が高い身体」を作ることができます。

【オススメ書籍】

最新のランニング・トレーニング本であり、体力向上やレース結果にこだわりたい人トレーニング理論とプログラムを提供します。中距離の800mからフルマラソン、トライアスロンまで持久系スポーツを幅広く対応し効率的なトレーニングを知ることが出来ます。VDOTにより自身の能力や目標に対してどのような練習をすれば良いのか分かりやすく多くのランナーのバイブルになっています。

疲労が抜けているかの指標

主観的な指標

・身体が軽い➝回復している

・だるい、重たい➝疲労が残っている

・張りが強い➝回復が不十分

・軽い張り程度➝OK

※強い筋肉痛はまだ回復途中

・走りたい➝OK

・走りたくない➝神経疲労あり

・同じペースなのにきつい➝回復出来ていないサイン

客観的な指標

【安静時心拍数(RHR)】

通常より+5~10拍➝疲労・回復不足の可能性

高い➝回復している

低い➝疲労状態

装着するだけで自動的に測定し記録しています。

一番上に現在の心拍数、その下に安静時心拍数(RHR)が示されています。この安静時心拍数(RHR)が普段より高い場合、疲労が残っている可能性があります。

過去1週間の安静時心拍数と平均が記録されます。

月曜日にスピード練習、火・水曜日は雨天でランニングは休み、木曜日はスピード練習をしています。

そのため、火曜日の安静時心拍は上昇し、火・水曜日と休んだため、木曜日の安静時心拍数は低めです。木曜日にサイドスピード練習を行ったので、金曜日に安静時心拍数が上昇しています。

7日間の平均心拍変動と昨夜の平均が示されています。

心拍変動が緑ライン内であれば、トレーニング負荷と回復が釣り合っているということ。

緑ライン範囲外になると、トレーニング負荷に回復が間に合っておらず、負荷が高すぎるということです。

まとめ

本記事では「回復力が高いランナーと低いランナーの違い」「回復力を高めるトレーニング」「疲労が抜けているかの指標」についてお伝えしてきました。

回復力が高いランナー回復力が低いランナー
有酸素能力が高いいつも中途半端にキツイ
低強度はゆっくり走る高強度に偏りすぎ
栄養摂取を大切にしている糖質不足
睡眠の質が高い睡眠不足・質が低い
練習にメリハリがある水分不足
フォームが安定トレーニング目的を理解していない

回復力が高いランナーは、低強度のジョグをしっかり取り入れており、回復のために栄養補給と睡眠を大切にしています。

低強度のジョグは、回復力を高める身体を作る大切なトレーニングメニュー。低強度のジョグを大切に取り入れているランナーほど、ピークが長く、ケガや故障のリスクも少ない優良ランナーです。

疲労が抜けているかどうかは、「朝に身体が軽いかどうか」・「筋肉の張りが強くないか」・「また走りたいと思えるか」が主観的な指標。しかし、出来れば客観的な指標である「安静時心拍数(RHR)」「心拍変動(HRV)」を参考にするのが望ましいでしょう。

そのためにはスポーツウォッチの装着がオススメです。スポーツウォッチ