
「走ると脛(すね)の内側が痛い…」

「最初は違和感だけだったのに、最近は走っている途中でも痛くなる…」
そんな悩みを抱えるランナーは非常に多く、特に初心者ランナーや練習量が増えた時期に起こりやすいのが シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎) です。
シンスプリントは、単なる“走りすぎ”だけが原因ではありません。
実は、「ランニングフォーム:特に足の着き方」「筋力や柔軟性不足」「不適切なランニングシューズ」「練習量の増やし方」など、さまざまな要因が関係しています。
また、無理して走り続けると、疲労骨折へ進行するケースもあるため脛の痛みは決して我慢し続けてはいけません。
【本記事内容】
1.シンスプリントとは
2.シンスプリントの原因
3.シンシスプリントの対策
「脛の痛みを改善したい」・「再発を防ぎながら長く走りたい」そんな方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
シンスプリントとは?

シンスプリント:主に 脛(すね)の内側 に痛みが出る障害
【特に痛みが多い部位】
・脛骨内側(内くるぶしの上〜中央)
・ヒラメ筋・後脛骨筋などの付着部
・骨膜への繰り返しストレス
初期は、「走り始めだけ痛い」・「温まると軽減する」ということが多いです。
しかし、悪化すると「練習中ずっと痛い」・「歩行でも痛い」・「押すと強い圧痛」が出てきます。

走り始めだけ我慢すればいい!を繰り返すと痛みが悪化してきます。
すぐに原因を分析し対策を練りましょう。
シンスプリントの主な原因

① 練習量の急増(オーバーユース)
シンスプリントの最も多い原因がオーバーユースです。
「急に走行距離を増やす」「ポイント練習(スピード練習)を増やす」「坂道練習を増やす」「久しぶりに走り始める」、シンスプリントに悩むランナーはこういった背景があることが多いです。
身体の負担が急激に増えると、”骨・筋肉・腱が適応するより先に負荷が増加”してしまいと、脛骨周囲にストレスが蓄積します。

特に、「週の走行距離を急激に増やした」ケースは非常に多いです。
② 下腿(ふくらはぎ)の筋力不足・柔軟性不足

シンスプリントに関係しやすい筋肉は、「ヒラメ筋・腓腹筋・後脛骨筋・長趾屈筋」など”ふくらはぎ”にある筋肉です。
ふくらはぎの筋肉が硬くなると足首の動きが制限されてしまいます。また、ふくらはぎの筋力低下は着地の際に衝撃吸収を低下させます。ふくらはぎの”柔軟性低下による動きの制限”および”筋力低下による着地衝撃吸収低下”が、脛の周囲の筋肉や骨に繰り返し負荷を与えます。
その結果、脛の内側に微細な炎症が生じるようになり、痛みや違和感(シンスプリント)の原因となってしまいます。
③ オーバープロネーション(過回内)

また、中殿筋(骨盤の横にある筋肉)の機能低下は足の着地の際に骨盤が不安定になり、膝が内側に入ってしまいます。膝が内側に入ることで脛にある筋肉が過剰に引っ張られ、ストレスがかかることで痛みが生じます。
脛が痛むのでお尻の筋肉は関係ないようですが、着地の不安定性が脛への過剰なストレスに繋がる為、走っている時に体幹がぶれてしまう・膝が内側に入ってしまうというランナーはシンスプリントになりやすいです。
④ 着地衝撃が強いフォーム

着地の衝撃が強いランニングフォームだと脛の負担が増加します。
具体的には「オーバーストライド(足の着地が身体より前)」・「ランニングの上下動が大きい」・「猫背になっている」ようなランニングフォームです。
これらは足の着地の際に、脛への負荷を増大させてしまいシンスプリントの原因となってしまいます。
⑤ シューズの問題
ランニングシューズはランナーにとって最も重要なアイテム。
「用途やレベルが合っていないシューズを使用」・「使い込みでクッション性が低下したシューズを使用」すると、シンスプリントの原因となってしまいます。
特に初心者ランナーさんは安定性の高いシューズやクッション性の高いシューズを使用することをオススメします。ランニングに耐えることが出来る身体が作られていないためです。
また、ベテランランナーでは寿命を超えたランニングシューズには要注意です。ランニングシューズは一般的に、走行距離は500〜800km程度でクッション性能低下が起きやすいと言われています。それぞれのシューズの走行距離を把握しておくことが大切です。
⑥ 固い路面を走り過ぎ
アスファルトのような硬い路面は足の着地の衝撃が自然と強くなります。近代では舗装されたアスファルトが多いため、多くのランナーはアスファルトの上を走らざるを得ませんが、もし土の上を走ることが出来る環境があるのであればコンクリートを避けることも検討しましょう。
また、荒れた悪路を走るとランニングフォームがブレてしまい、「オーバープロネーション(過回内)」→「シンスプリント」になってしまうため、アスファルトの上を走らざるを得ない状況でも舗装された道を選ぶこともポイントです。
シンスプリントの対策

① 練習量を急に増やさない
練習量は故障・ケガの予防の観点からかなり重要です。
特に走行距離を急激に増やすことでオーバーユースとなりシンスプリントになってしまうケースが多いと言われています。
走行距離を増やす目安:週の走行距離は10%以内の増加が基本。
また、速く走る為のポイント練習は身体の負荷が非常に大きいため、急激に増やすと故障に繋がりやすいです。
特に、「インターバル走」「坂ダッシュ」「ロング走」を同時に増やすのは危険です。
② 一時的に負荷を下げる
脛に痛みや違和感がある時は、一時的に練習の負荷を下げましょう!具体的には「ランニングの距離を減らす」「ランニングのペースを落とす」ことが挙げられます。
ランニング距離・ペースを落としてランナーとしてのレベルが落ちないか心配…という方はクロストレーニングを検討してみましょう。
足の負担を抑えつつ心肺機能を鍛えるトレーニングとして、「自転車」・「水泳」などが有効です。
③ ふくらはぎの柔軟性と筋力改善

ふくらはぎの筋肉の柔軟性が乏しいと足首の可動範囲が乏しくなり、ランニング中に足に負担が集中してしまいます。つまり、シンスプリントを予防するために特に重要なのは、「腓腹筋とヒラメ筋のストレッチ」です。
【腓腹筋のストレッチ】
1.壁に両手をついて片足を前、対側足を後ろに接地します
2.前足の膝を曲げながら体重を乗せていきます(後ろ足の膝は伸びている状態)
3.後ろ足のふくらはぎが伸びているのを感じながら30秒キープします
※つま先の向きは前(外側を向かないように注意)を意識
【ヒラメ筋のストレッチ】
1.1.壁に両手をついて片足を前、対側足を後ろに接地します
2.前足の膝を曲げながら体重を乗せていきます(後ろ足の膝は少し曲がっている状態)
3.後ろ足のふくらはぎが伸びているのを感じながら30秒キープします
※つま先の向きは前(外側を向かないように注意)を意識

段差に片足の前半分だけ乗せて、かかとを下げるようにすることでふくらはぎの筋肉を伸ばすことができます。
膝を伸ばした状態で行うと腓腹筋、膝を曲げた状態で行うとヒラメ筋が伸びます。
ランニングにおける着地の衝撃吸収は、特にふくらはぎの筋肉(特にヒラメ筋)がかなり重要と言われています。

【ふくらはぎを鍛える代表的な筋トレ:カーフレイズ】
1.足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、壁や手すりに手をカるく添える
2.ゆっくりとかかとを持ち上げ、つま先たちになる
3.ふくらはぎの収縮を意識しながらキープする
4.ゆっくりとかかとを下ろし、元の位置に戻る

特にヒラメ筋は、膝を軽く曲げたカーフレイズで刺激しやすいです。
シンスプリントを予防・対策をしたいのであれば、膝を曲げたカーフレイズも取り入れましょう!
④ 体幹・股関節周囲の筋力強化
ランニング中に体幹のブレが大きいと足に負担がかかり、シンスプリントに繋がってしまいます。ランニング中の体幹を安定性を高めるトレーニングとして体幹トレーニングやヨガなどを取り入れてみてもいいでしょう。
ランニングエコノミーが高まり、より楽に走ることが出来るようになります。
⑤ ランニングフォーム改善
シンスプリントを予防するにはランニングフォームを改善することは非常に重要。
練習量の調整・筋トレやストレッチなどで身体を調整してもランニングフォームを改善しないと、余計な負担がかかってしまうことに変わりはありません。
【足の着地は身体の真下】

足の着地位置はシンスプリントを予防するためには非常に重要。
足の着地位置が身体より前にあると、ブレーキとなり脛に大きな負担がかかってしまうことが分かっています。足の着地は身体の真下を意識しましょう!
また、足の着地が”つま先”からになるとふくらはぎの筋肉に負担がかかってしまいます。走る身体が作られているベテランランナーであれば、つま先を接地を推進力に活かすことができます。しかし、身体が作られていない初心者ランナーではつま先接地はふくらはぎの筋肉で衝撃を吸収することが難しく脛に負担がかかってしまいます。

初心者ランナーさんは”身体の真下に接地”・”足裏全体接地”を意識してみましょう!
【ピッチを上げる】

ピッチ走(足の着地回数を増やす)は、走っている時の上下動が少なく着地の衝撃が少ない傾向があります。
特に初心者ランナーさんはケガを予防するためにピッチ走がオススメされています。
⑥ シューズの見直し

ランニングシューズはモデルによって安定性・クッション性・軽量性・反発性など特化した機能が異なってきます。
特に走るための身体が十分に作られていない初心者ランナーさんは、安定性に優れたモデルが好ましいと言われています。安定性モデルに優れたランニングシューズを使うことで足首が安定性しオーバープロネーションを防ぐことができます。
体重が重めのランナーさんの場合はクッション性も大切です。クッション性に優れたシューズを使うことで着地の衝撃を緩和し脛の負担を減らすことができます。

脛に痛みや違和感がある人はランニングシューズを見直してみるといいかもしれません。
安定性・クッション性に優れたシューズを選びましょう!
まとめ
本記事では「シンスプリントとは?」「シンスプリントの原因と対策」についてお伝えしてきました。
シンスプリントは主に 脛(すね)の内側 に痛みが出る障害のことを言います。
シンスプリントは”ふくらはぎの筋肉の柔軟性・筋力低下”による衝撃吸収能力が足りない…”体幹がぶれてしまい、膝が内側に入ることで脛が内側に引っ張られ負担がかかる”ことが原因で生じるため、ふくらはぎの筋トレやストレッチ、体幹の筋トレをして走るための身体作りをしましょう!
また、ランニングフォームも重要です。足の接地位置が身体より前にあるとブレーキが強くなり、脛に負担がかかってしまいます。”足の着地位置は身体の真下”・”足の接地は足裏全体”が初心者ランナーさんにオススメです。
さらに、ランニングシューズも適当に選んでしまっているのであれば見直してみましょう!”脛に違和感がある”・”初心者ランナーさん”は安定性に優れたモデルがオススメです。また、体重が重めのランナーはクッション性も重要視しましょう!

脛に違和感がある人は、身体作りやランニングフォーム・シューズの見直しをしてみましょう。
今日が一番若い日です。今日からできることを始めて楽しいランニング生活を継続しましょう!
風を切るランニング 