
「マラソンのパフォーマンスを上げるには筋トレが先?ランニングが先?」

「ダイエットやマラソンならどっちが正解?」
走る理由は人それぞれですが、多くの方が一度は疑問に思うことがランニングが先か筋トレが先か。
結論から言うと、筋トレとランニングの順番には絶対的な正解はありません。なぜなら、マラソンの記録更新・筋力アップ・ダイエットなど、目的によって最適な順番が変わるからです。
また近年のスポーツ科学では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで起こる「干渉効果(インターフェレンス効果)」についても多くの研究が行われています。
間違った順番でトレーニングを続けると、「ランニングトレーニングの質が落ちる」・「筋トレのパフォーマンスが下がる」といった可能性があります。
この記事では、科学的な研究結果をもとに「目的別のオススメの順番」・「ランニングと筋トレの干渉」・「相互干渉を和らげる工夫」についてについて分かりやすく解説します。
「自分の場合はどちらを先に行うべきなのか?」この記事を読めば、その答えが分かるはずです。ぜひ参考にしてみて下さい。
オススメ別:筋トレ・ランニング順番
| 目的 | オススメ順番 |
|---|---|
| マラソンの記録更新 | ランニング→筋トレ |
| 筋力アップ・筋肥大 | 筋トレ→ランニング |
| ダイエット | どちらでもOK |
| 健康維持 | 続けやすい順 |
①マラソンの記録更新を狙う:ランニング→筋トレ

マラソン記録向上なら「ランニング→筋トレという順番」がオススメです。
理由は思ったより単純であり、先に筋トレをすると「筋・神経疲労」・「筋グリコーゲン消費」により、ペース走・閾値走・インターバル走などのトレーニングの質が落ちてしまいます。
ポイント練習は高い強度でトレーニングを行うことが大切です。筋トレを先に行うとランニングのトレーニング強度が下がってしまうため、狙いたい効果を得ることが難しくなってしまいます。
先にスクワットやランジを行うと「体幹・股関節周囲筋」が疲れてしまい、ランニングフォームが悪くなってしまいます。
筋トレを先に行うトレーニングを続けると、悪いランニングフォームを身体で覚えてしまう可能性があります。特に下半身の筋トレはランニング中の「接地時間増加」・「ストライド低下」・「ランニングエコノミー低下」が起こることが知られています。
筋力UP・筋肥大:ランニング→筋トレ

最終的に筋力を鍛えたい場合も「筋トレ→ランニングの順番」がオススメです。
筋力向上には「高重量」・「高出力」が必要。しかし、先にランニングすると”疲労”や”エネルギー消費”により高重量・高出力の筋トレに必要なパフォーマンスが低下します。研究では有酸素運動後の筋トレは「最大筋力」・「発揮パワー」が低下することが報告されています。
また、筋力UP・筋肥大を目的としたアスリートレベルの筋トレは糖質エネルギーをかなり使います。そのため、筋トレ後のランニングは糖質エネルギーが不足していることが予想されます。糖質エネルギーが不足している状態で高強度のトレーニングをしてしまうと糖質不足により筋分解を促進してしまうリスクがあります。
筋トレ後のランニングはイージーランの強度にしておきましょう!
ダイエット目的:どちらでもOK

ダイエット目的であれば基本的にどちらが先でもOKです。自分が続けやすい方を選ぶようにしましょう!
最近までは筋トレを先に行ってからランニングを後に行うと効率よく脂肪燃焼効果があると言われていました。しかし、最近の研究では長期的な脂肪減少量はほぼ同じという結果が多いです。
結局、一番大切なのは”摂取カロリー”を”消費カロリー”を上回らないこと。つまり、カロリーのマイナスを作るということです。長期的にカロリーのマイナスを作るにはやはり継続力が大切です。

自分自身が継続しやすい順番がポイントです。
健康維持:継続しやすい順番

健康維持目的も基本的にどちらが先でもOKです。自分が続けやすい方を選びましょう!
運動は一番に継続することが大切。運動が辛くて…時間が取れなくて…という理由で継続出来ない人は非常に多いです。
運動に対するハードルを下げて継続しやすい仕組みを作ることが継続のポイント!!筋トレ・ランニング、どちらが始めるためのハードルが低いのかは人それぞれです。一度運動を始めてしまえば、あとは自然と最後まで出来るケースがほとんど。

気軽に始めやすい方から行うようにしましょう!
ランニングと筋トレはトレードオフの関係(干渉効果:インターフェレンス効果)

持久力適応が優先される
「筋肉を付けること」「持久力を付けること」、両者はある意味トレードオフと言えます。
筋トレはmTORC1と呼ばれる酵素が活性化します。このmTORC1が活性化することでタンパク質合成を促進し、筋肉が発達していきます。タンパク質を十分に摂取することで筋肉が徐々に付いてくるようになります。
しかし一方で、持久力トレーニングによってAMPKと呼ばれるものが活性化します。このAMPKはMTORC1の働くを抑制する作用があり、筋肉の合成を阻害してしまいます。
持久力トレーニングによって活性化するAMPKmTORC1(筋肉の合成を促進)を抑制

月間300km以上の走行距離であるランナーは筋肥大が難しい…という話もあります
干渉効果(インターフェレンス効果)を抑える工夫
【干渉効果が生じやすい状態】
1.筋トレとランニングを連続で行う
2.長時間・高強度のランニングを行う
3.ランニング量が多い
【干渉効果を抑える工夫】
1.筋トレとランニングをできるだけ6時間以上空ける
2.ランニングはイージーランの強度にする
3.栄養・睡眠を疎かにしない

筋トレとランニングを連続で行うと干渉効果は避けられません。筋肥大を目的とする場合、筋トレを併用する日は高強度の練習を行わずイージーランの強度にする、距離を抑えるなどの工夫が必要です。
まとめ
本記事では「筋トレはランニングの”前に行うべき”か”後に行うべき”か」についてお伝えしてきました。
「ランナーとしてレベルを上げたいのであればランニング→筋トレという順番」・「筋力UP・筋肥大が目的なら筋トレ→ランニングという順番」がオススメです。これは、疲労によりパフォーマンスが落ちることを考慮されており、よりパフォーマンスを大切にしたい方を先に行っておくという考え方で良いようです。
この背景には、スピード持久力・スピードの強化にはインターバル走・レぺテンションのような高強度のトレーニングが必要であり、糖質不足・疲労状態ではトレーニングの質が落ちてしまいます。反対に、筋力UP・筋肥大にはゆっくりじわじわ高重量のトレーニングを行う必要があり、こちらも糖質エネルギーが欠かせません。
それぞれ、狙った成果を出す為にはトレーニングの質を確保することが重要であるということ。
ダイエットや健康維持のようなエクササイズレベルの低強度~中強度のトレーニングではどちらが先でも大きな影響はないと思われます。運動は継続力が非常に大切であるため、取り組みやすい順番で行うことがポイントです。
ランニングと筋トレはトレードオフの関係(干渉効果:インターフェレンス効果)です。持久力トレーニングの効果は筋トレによる筋肥大効果を抑制する効果があります。ランニングの影響をできるだけ抑えるためには、ランニングをイージーランのような低強度~中強度にする、ランニングと筋トレの間を6時間空けるなどの工夫が必要です。

今日が一番若い日です。知識は行動に移して始めて意味があります。
工夫の恩恵を最も得られるのが今日です。今日から出来ることに取り組んでいきましょう!
風を切るランニング 