
「筋トレとランニングを同じ日にするなら、どちらを先にすればいいの?」
「ランニング前にスクワットをすると走りに影響する?」
「ダイエット目的なら筋トレとランニングはどっちが先?」
ランニングに筋トレを取り入れていると、順番に迷うことがあります。
結論からいうと、筋トレが先、ランニングが先と一律に決める必要はありません。
市民ランナーの場合は、その日に最も大切なトレーニングを先に行うのが基本です。
たとえば、
- インターバル走をしっかり行いたい → ランニングを先
- テンポ走・閾値走を行いたい → ランニングを先
- ロング走の日 → ランニングを優先
- イージーラン+筋トレ → どちらでも調整可能
- ダイエット・健康目的 → 継続しやすさを優先
という考え方ができます。

本記事では、ランニングを中心に運動している市民ランナーを対象に、筋トレとランニングの順番について科学的な知見をもとに解説します。

結論|ランナーは「その日のメイン練習」を先にする

まずは目的別に整理します。
| トレーニング内容・目的 | 基本的な順番 |
|---|---|
| インターバル走 | ランニング → 筋トレ |
| テンポ走・閾値走 | ランニング → 筋トレ |
| レースペース走 | ランニング → 筋トレ |
| ロング走 | ランニングを優先 |
| イージーラン+筋トレ | どちらでも調整可能 |
| 回復目的のジョギング+筋トレ | 疲労に合わせて調整 |
| ダイエット目的 | 順番より継続・総運動量を優先 |
| 健康維持目的 | 継続しやすい順番でOK |
| どちらも高負荷 | 可能なら時間を空ける・別日にする |

記録更新を目指しているランナーの場合は、ポイント練習の質を落とさないことを優先します。そのため、重要なランニング → 筋トレという順番が基本になります。
一方、健康維持やダイエットが目的であれば、順番そのものに神経質になる必要はありません。
なぜ筋トレとランニングの順番が重要なのか

筋トレでもランニングでも、運動後には疲労が生じます。
たとえば下半身の筋トレを先に行うと、
- 脚が重くなる
- 筋力が一時的に低下する
- 筋疲労が生じる
- 主観的な疲労感が高くなる
ことがあります。
その状態でランニングをすると、
- 設定ペースを維持しにくい
- フォームが乱れる
- ストライドが変化する
- ランニングの質が低下する
可能性があります。
反対に、長時間のランニングや高強度ランニングを行った後は、筋トレの重量や反復回数が低下する可能性があります。
つまり、先に行った運動の疲労が、後から行う運動に影響するということです。

そのため、順番を決めるときは、「筋トレとランニングのどちらが正しいか」ではなく、今日は何を一番しっかり行いたいのかを考えることが重要です。
ランニングと筋トレを組み合わせても大丈夫?

持久力トレーニングと筋力トレーニングを同時期に行う方法は、コンカレントトレーニング(Concurrent Training)と呼ばれます。
以前から、「ランニングと筋トレを一緒にすると、お互いの効果が低下するのではないか」という干渉効果が研究されています。
一方、近年の研究では、適切にトレーニング量やスケジュールを調整すれば、持久力トレーニングと筋トレを組み合わせること自体が問題になるとは限らないことが示されています。
ランナーにとって重要なのは、
- 筋トレをやりすぎない
- ランニングの質を落とさない
- 高負荷練習を詰め込みすぎない
- 回復時間を確保する
- 週間スケジュール全体で考える
ことです。

「ランニングと筋トレを同じ日にしたら意味がない」と考える必要はありません。
記録更新を狙うランナーは「ランニング→筋トレ」

5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソンなどで記録更新を目指す場合、基本的には重要なランニングを先にします。
特に、
- インターバル走
- テンポ走
- 閾値走
- レースペース走
- 坂ダッシュ
などは、一定のスピードやフォームを維持することが重要です。
その前に高負荷の下半身筋トレを行うと、脚に疲労が残った状態で走ることになります。
たとえば、
スクワット
↓
ブルガリアンスクワット
↓
カーフレイズ
↓
1000mインターバル
という順番では、インターバル走の質が低下する可能性があります。
記録更新を狙う場合は、
ウォームアップ
↓
インターバル走
↓
クールダウン
↓
必要に応じて筋トレ
とする方が目的に合っています。
インターバル走の日はランニングを先にする
インターバル走は、高いランニング強度を繰り返すトレーニングです。
たとえば、1000m×5本を設定した場合、重要なのは単に5本走ることではありません。
- 狙ったペース
- 適切なフォーム
- 適切な休息時間
- 必要な運動強度
を確保することが重要です。
下半身の筋トレで脚が疲れた状態では、本来設定していたペースを維持できない場合があります。
インターバル走 → 筋トレを基本
ただし、インターバル走だけで強い疲労が残っている場合は、無理に筋トレを追加する必要はありません。
テンポ走・閾値走もランニングを優先する
テンポ走や閾値走でも、ランニングを先にするのが基本です。これらのトレーニングでは、一定時間ある程度高い強度を維持します。
筋トレ後に行うと、「呼吸には余裕があるのに脚だけ重い」という状態になる場合があります。そうなると、本来狙っていたランニング強度を維持できなくなる可能性があります。
テンポ走・閾値走 → 筋トレとする方が取り入れやすい
レースペース走もランニングを先にする
フルマラソンやハーフマラソンでは、レースペース付近で走る練習を行うことがあります。
レースペース走では、
- ペース感覚
- フォーム
- 呼吸
- 補給
- シューズ
- レース中の感覚
なども確認します。
そのため、筋トレの疲労が残った状態で行うよりも、できるだけ普段に近い状態で走る方が実践的です。
レースペース走を行う日は、ランニングを優先
ロング走の日は筋トレを無理に入れなくてもいい
ロング走はランニングだけでも身体への負担が大きくなります。
特に、
- 20〜30km以上走る
- マラソンペースを含める
- 坂道が多い
- 暑い環境で長時間走る
場合は、かなりの疲労が生じることがあります。
ロング走の日はロング走だけでも問題ありません
どうしても筋トレと同日に行う場合は、
ロング走
↓
水分・糖質補給
↓
十分に休憩
↓
少量の筋トレ
など、筋トレ量を調整します。
毎週ロング走の後に無理やり筋トレを追加する必要はありません。
イージーランと筋トレなら順番に神経質にならなくていい

市民ランナーで多いのが、「30〜60分程度のジョギングと筋トレを同じ日に行う」ケースです。
イージーランであれば、ポイント練習ほど順番にこだわる必要はありません。
たとえば、
イージーラン
↓
筋トレ
でも、
筋トレ
↓
イージーラン
でも構いません。

重要なのは、どちらかを行ったことで疲労が大きくなりすぎないことです。
ただし、「イージーランのつもりだったのに毎回ペースを上げてしまう」場合は注意が必要です。ランニングと筋トレの両方が高負荷になると、全体の疲労量が大きくなります。
ダイエット目的ならどちらが先?

ダイエット目的では、「脂肪を燃やすなら筋トレを先にした方がいい」・「ランニングを先にすると痩せにくい」といった説明を見かけることがあります。
しかし、体脂肪を減らすうえで重要なのは、長期的なエネルギー収支です。
筋トレとランニングの順番だけで、体脂肪の減り方が大きく決まるわけではありません。
ダイエット目的なら、
- 継続できる
- 疲れすぎない
- 運動時間を確保できる
- 食事管理を続けられる
ことを優先します。
たとえば、
筋トレ20分
↓
ランニング30分
でも、
ランニング30分
↓
筋トレ20分
でも構いません。

ランニングを楽しみたいのであれば、ランニングを先にしても問題ありません。
健康目的なら続けやすい順番でいい

健康維持を目的として、
- ジョギング
- ウォーキング
- 軽い筋トレ
を組み合わせている場合も、順番に強くこだわる必要はありません。
健康目的では、「どちらを先にするか」よりも、ランニングと筋トレの両方を無理なく継続できることの方が重要です。
仕事の後に、
軽い筋トレ
↓
ジョギング
の方が続けやすいのであれば、その順番で構いません。
反対に、先に走ってから自宅で筋トレする方が習慣化しやすい人もいます。
自分が継続しやすい方法を選びましょう。
初心者ランナーはどちらを先にする?
ランニングを始めたばかりの場合は、順番よりも総負荷を増やしすぎないことが重要です。
たとえば、
30分ランニング
+
スクワット
+
ランジ
+
ジャンプトレーニング
をいきなりまとめて行うと、筋肉痛や疲労が強くなる可能性があります。
初心者の場合は、
20〜30分程度のランニング
↓
少量の筋トレ
などから始めます。
または、ランニングの日・筋トレの日と分ける方法でも構いません。
まずは身体を運動に慣らすことを優先しましょう。
筋トレをランニング前のウォームアップ代わりにしてもいい?

高負荷の筋トレをランニング前のウォームアップ代わりにする必要はありません。
ポイント練習の前には、
- 軽いジョギング
- 動的ストレッチ
- ランニングドリル
- 流し
などを行う方が、ランニングにつなげやすいでしょう。
一方、
- 自重スクワット
- 軽いランジ
- カーフレイズ
- バンドエクササイズ
などを少量行うことは可能です。
ただし、ウォームアップの段階で疲労するほど行わないようにします。
筋トレとランニングは時間を空けた方がいい?

時間に余裕がある場合は、ランニングと筋トレを分ける方法もあります。
たとえば、
朝:ランニング
夜:筋トレ
という方法です。
2つのトレーニングの間に時間を確保すれば、最初の運動による疲労をある程度回復させてから次の運動を行えます。
ただし、「必ず6時間空けないといけない」・「24時間空けなければ効果がなくなる」という明確な基準があるわけではありません。
市民ランナーでは、
- 仕事
- 家事
- 睡眠
- 食事
- トレーニング時間
とのバランスも重要です。

無理に理想的な間隔を作るより、継続可能なスケジュールを優先しましょう。
ランニングと筋トレは別日にした方がいい?

必ずしも別日にする必要はありません。
むしろ、ランニングと筋トレを同日にまとめることで、回復日を確保しやすくなる場合があります。
たとえば、
月:イージーラン
火:インターバル走+筋トレ
水:休養または軽いジョギング
木:イージーラン
金:筋トレ+軽いランニング
土:休養または軽いランニング
日:ロング走
という組み方があります。
この方法では、負荷の高い日と軽い日を分けやすいというメリットがあります。
一方、
月:インターバル走
火:高負荷筋トレ
水:テンポ走
木:高負荷筋トレ
金:ロング走
のように高負荷の日が連続すると、疲労が蓄積する可能性があります。
順番だけではなく、週間スケジュール全体を見ることが重要です。
筋トレの翌日にポイント練習をしてもいい?

筋トレの内容によります。
特に、
- スクワット
- ブルガリアンスクワット
- ランジ
- デッドリフト
- プライオメトリックトレーニング
などを多く行うと、翌日に筋肉痛や脚の重さが残ることがあります。
その状態でインターバル走やテンポ走をすると、本来予定していたペースを維持できない可能性があります。

重要なポイント練習を行う前日は、強い筋肉痛が残るような下半身筋トレを避ける方法が取り入れやすいでしょう。
「ハードな日はまとめる」という考え方もある

経験のあるランナーでは、
インターバル走
+
筋トレ
を同日にまとめる方法もあります。
たとえば、
火曜日
インターバル走+筋トレ
水曜日
休養またはイージーラン
とすれば、水曜日を回復日にできます。
反対に、
火曜日:インターバル走
水曜日:筋トレ
木曜日:テンポ走
とすると、脚への負荷が何日も続く場合があります。
そのため、負荷の高い練習を同日にまとめ、翌日を軽くするという考え方があります。
ただし、初心者が最初から高負荷のランニングと筋トレをまとめる必要はありません。
トレーニング経験に合わせて少しずつ調整します。
ランニング後すぐ筋トレをしてもいい?

同じ時間帯に続けて行う場合、「○分空ければ大丈夫」という明確な基準はありません。
ポイント練習後であれば、
- クールダウン
- 水分補給
- 必要に応じた糖質補給
- 心拍数を落ち着かせる
時間を作ってから筋トレへ移る方法があります。
ただし、走り終わった時点で、
- 脚が強く震える
- フォームが大きく崩れている
- 強い疲労感がある
場合は、筋トレを無理に追加する必要はありません。
筋トレ前のランニングはどのくらいなら大丈夫?

筋トレ前に走る場合でも、軽いジョギング程度であれば問題になりにくいでしょう。
たとえば、
5〜15分程度の軽いジョギング
↓
動的ウォームアップ
↓
筋トレ
といった流れです。
一方、
- インターバル走
- テンポ走
- 90分以上のランニング
- ロング走
を先に行えば、筋トレを始める時点ですでに疲労しています。

ランニングと筋トレの両方をしっかり行いたい場合は、トレーニング間隔を空けることも検討しましょう。
目的別|市民ランナーのおすすめ順番

ウォームアップ
↓
インターバル走・テンポ走など
↓
クールダウン
↓
筋トレ
重要なランニングの質を優先します。
イージーラン
↓
必要に応じて筋トレ
または、
筋トレ
↓
短時間のイージーラン
でも構いません。
※ただしロング走の日は、ロング走を優先します。
ランニング
+
筋トレ
を継続できる順番で行います。
順番よりも、長期的な食事管理と運動習慣が重要
続けやすい順番で構いません。
ランニングと筋トレを無理なく習慣化することを優先します。
こんな組み合わせには注意
記録更新を狙っているランナーが、
高負荷スクワット
↓
ブルガリアンスクワット
↓
ランジ
↓
1000mインターバル
と行うと、インターバル走を始める時点ですでに脚が疲労している可能性があります。
また、
30kmロング走
↓
高負荷の下半身筋トレ
のような組み合わせも、総負荷が大きくなります。

重要なのは、筋トレが先か、ランニングが先かだけではなく、1日の総負荷が適切かということです。
順番より週間スケジュールの方が重要な場合もある

ランニングと筋トレでは、その日の順番だけに注目しすぎないことも大切です。
実際には、
- 週何回走るか
- ポイント練習は何曜日か
- ロング走はいつ行うか
- 筋トレを週何回行うか
- 完全休養日はあるか
- 睡眠を確保できているか
- 筋肉痛が残っていないか
といった要素も重要です。
たとえ順番が理想的でも、高負荷トレーニングを毎日続ければ疲労は蓄積します。
反対に、多少順番が理想通りでなくても、無理なく継続でき、十分に回復できていればトレーニングを続けやすくなります。

ランニングと筋トレを組み合わせるときの注意点

ランナーが筋トレを行う目的は、毎回強い筋肉痛を作ることではありません。
筋トレによる疲労が大きすぎれば、その後のランニングに影響します。特にポイント練習やロング走の前後では筋トレ量を調整しましょう。
脚に強い筋肉痛がある状態で、無理にスピード練習を行う必要はありません。
フォームが大きく変化する場合は、
- イージーランへ変更
- 距離を短くする
- 休養する
といった判断も必要です。
筋トレを始めた時期に、ランニング距離まで急激に増やすと総負荷が大きくなります。
新しいトレーニングを追加するときは、少量から始めましょう。
よくある質問
筋トレ後にランニングを行っただけで、すぐに筋肉が減るわけではありません。
身体への影響は、
- 総摂取エネルギー
- タンパク質摂取量
- ランニング量
- 筋トレ量
- 睡眠
- 回復
など複数の要因によって変わります。
短時間のランニングを追加しただけで、「筋トレが全部無駄になる」と考える必要はありません。
ランニング後でも筋トレを行うことはできます。
ただし、ランニングによる疲労が非常に大きい場合は、筋トレの質が低下する可能性があります。無理にすべて同日に行う必要はありません。
ダイエットでは順番より、長期的なエネルギー収支と継続の方が重要です。
続けやすい順番を選びましょう。
たとえば、
火曜日
インターバル走 → 筋トレ
金曜日
筋トレ → イージーラン
のように、その日の練習内容によって変えて構いません。
まとめ|ランナーは「今日何を優先するか」で順番を決めよう
筋トレとランニングの順番に、すべての市民ランナーに共通する正解はありません。
基本となる考え方は、その日に最も大切なトレーニングを先に行うことです。
記録更新を狙って、
- インターバル走
- テンポ走
- 閾値走
- レースペース走
などを行う場合は、
ランニング → 筋トレ
を基本とします。
一方、
- イージーラン
- 健康目的のジョギング
- ダイエット目的の運動
であれば、順番に神経質になる必要はありません。
続けやすさや疲労度を見ながら調整しましょう。
また、
- 朝と夜に分ける
- 別日にする
- 負荷の高い日をまとめる
- 回復日を確保する
など、週間スケジュール全体を考えることも重要です。

「筋トレは絶対に先」・「ランニングは必ず先」と決めるのではなく、自分のランニング目的と、その日の練習内容に合わせて順番を決めましょう。
参考文献
- Wilson JM, et al. Concurrent training: a meta-analysis examining interference of aerobic and resistance exercises. Journal of Strength and Conditioning Research. 2012.
- Schumann M, et al. Compatibility of concurrent aerobic and strength training for skeletal muscle size and function: an updated systematic review and meta-analysis. Sports Medicine. 2022.
- Robineau J, et al. Specific training effects of concurrent aerobic and strength exercises depend on recovery duration. Journal of Strength and Conditioning Research. 2016.
- Chtara M, et al. Effects of intra-session concurrent endurance and strength training sequence on aerobic performance and capacity. British Journal of Sports Medicine. 2005.

風を切るランニング 
