ランニング能力を説明するときは、VO₂maxが注目されがちです。しかし、VO₂maxが同程度のランナーでも、同じペースを楽に維持できる人と、早く疲れる人がいます。
この違いに関係する要素の一つが、**ランニングエコノミー(Running Economy:RE)**です。
ランニングエコノミーがよいランナーは、同じ速度をより少ない酸素摂取量・エネルギー消費量で走れます。ただし、ランニングエコノミーはフォームだけで決まるものではありません。代謝、心肺機能、筋力、腱の働き、体格、シューズ、路面、気温などが組み合わさって決まります。
本記事では、ランニングエコノミーの意味と測定方法、数値の見方、走り方との関係、改善を目指すトレーニングについて、市民ランナー向けに解説します。
ランニングエコノミーとは

ランニングエコノミーとは、一定の最大下速度で走るために必要な酸素量またはエネルギー量です。
自動車の燃費にたとえると分かりやすいでしょう。同じ速度で走っていても、使う燃料が少ない車ほど燃費がよいと考えられます。ランナーも同様に、同じペースで必要なエネルギーが少ないほど、ランニングエコノミーがよいと評価されます。
ランニングエコノミーがよい状態
- 同じペースでも酸素摂取量が少ない
- 同じペースでもエネルギー消費量が少ない
- 同じ生理的負担で、より速く走れる
- レースペースを維持するための余裕が大きい

ランニングエコノミーは、VO₂max、乳酸性作業閾値、VO₂maxの何%を維持できるかといった要素とともに、中長距離走のパフォーマンスを左右します。特にVO₂maxが近いランナー同士では、ランニングエコノミーの差が競技成績の差につながる可能性があります。
ランニングエコノミーと「効率」は同じではない
厳密には、エコノミーと効率は同じ意味ではありません。
効率は、投入したエネルギーに対して、どれだけ外部への仕事を行えたかを示す割合です。
一方、ランニングでは身体を支える、手足を動かす、姿勢を保つといった仕事をすべて正確に求めることが難しいため、一定速度で必要となる酸素量やエネルギー量を「エコノミー」として評価します。
ランニングエコノミーとVO₂maxの違い

VO₂maxは、運動中に身体が取り込み、利用できる酸素量の最大値です。これに対してランニングエコノミーは、最大能力ではなく、一定の最大下速度をどれだけ少ないコストで走れるかを示します。
| 指標 | 評価しているもの | 数値の考え方 |
|---|---|---|
| VO₂max | 酸素を取り込み利用できる最大能力 | 一般に高いほど有利 |
| ランニングエコノミー | 一定速度で必要な酸素量・エネルギー量 | 同じ条件なら低いほどよい |
| 乳酸性作業閾値 | 乳酸が急増せず維持できる運動強度 | 高い速度・相対強度で維持できるほど有利 |

VO₂maxが変わらなくても、同じペースで必要な酸素量が減れば、ランニングエコノミーは改善しています。その結果、VO₂maxに対する相対的な負担が下がり、同じペースを長く維持しやすくなります。
ランニングエコノミーはどのように測定する?

研究・検査施設での測定方法
標準的な測定では、呼気ガス分析装置を装着し、トレッドミルなどで一定速度を数分間走ります。速度を変えながら複数のステージを行い、各速度で酸素摂取量が安定した部分を評価します。
測定速度が乳酸性作業閾値・換気性作業閾値を上回ると、時間の経過とともに酸素摂取量が増える「VO₂緩成分」が現れやすくなります。そのため、一般には閾値より低い最大下強度を使用し、定常状態に達していることを確認します。研究では1ステージ3~15分程度の方法が用いられています。
主な表示方法は次のとおりです。
| 単位 | 意味 |
| mL/kg/min | 体重1kg・1分あたりの酸素摂取量 |
| mL/kg/km | 体重1kgで1km進むために必要な酸素量 |
| kcal/kg/km | 体重1kgで1km進むために必要なエネルギー量 |

同じ速度で比較する場合は、mL/kg/minが低いほどランニングエコノミーがよいと考えます。
速度の異なる測定を比べる場合は、1kmあたりの酸素コストやエネルギーコストの方が比較しやすくなります。
数値の計算例
体重1kg・1分あたりの酸素摂取量が40mLで、時速12kmで走っているとします。
時速12kmは、1分あたり0.2kmです。
40mL/kg/min ÷ 0.2km/min = 200mL/kg/km
同じ時速12kmで、トレーニング後の酸素摂取量が38mL/kg/minになった場合は、190mL/kg/kmです。測定条件が同じであれば、酸素コストは5%低下した計算になります。
ただし、酸素1Lから得られるエネルギー量は糖質と脂質の利用割合によって異なります。厳密に評価するときは、酸素摂取量だけでなく呼吸交換比から求めたエネルギーコストも確認します。
「良い数値」の一律な基準はない
ランニングエコノミーには、すべてのランナーへ適用できる明確な基準値がありません。
測定速度、傾斜、トレッドミル、呼気ガス分析装置、体重補正、データの平均方法、シューズ、気温、測定前の食事や運動によって値が変わるためです。
そのため、市民ランナーは他人の数値と競うよりも、同じ施設・速度・シューズ・測定前条件で自分の変化を追う方が実用的です。
管理された研究でも、測定ごとの個人内変動は約1.3~5%と報告されています。
1回だけの小さな変化を、すぐにトレーニング効果と判断しないことも大切です。
スマートウォッチで測定できる?
一般的なスマートウォッチで確認できるペース、心拍数、ピッチ、上下動、接地時間は、ランニングエコノミーに関連する情報です。しかし、呼気ガスから求めるランニングエコノミーそのものではありません。
屋外では、同じ平坦なコースを同程度の気象条件で走り、次の変化を長期的に確認すると参考になります。
- 同じペースで心拍数や主観的運動強度が下がった
- 同じ心拍数で走れるペースが上がった
- 後半のペース低下が小さくなった
- 同じ練習後に脚へ残る疲労が減った

ただし、心拍数は気温、脱水、睡眠、疲労、カフェイン、精神状態にも左右されます。「同じ心拍数で速く走れた」ことは改善の手掛かりにはなりますが、ランニングエコノミーの直接測定とは区別してください。
ランニングエコノミーを決める要素

ランニングエコノミーは、一つの関節角度や筋肉だけで決まりません。主な要素は次のように整理できます。
| 分類 | 主な要素 | 変えられる可能性 |
| 代謝 | 筋線維組成、ミトコンドリア機能、糖質・脂質利用 | 持久性トレーニングなどで変化する |
| 心肺 | 換気量、呼吸筋の仕事、循環応答 | 持久性トレーニングなどで変化する |
| 神経筋 | 筋力、力を素早く出す能力、筋間協調 | 筋力・プライオメトリックで改善を狙える |
| 筋腱 | 腱の硬さ、弾性エネルギーの蓄積と再利用 | 負荷への適応で変化する可能性がある |
| バイオメカニクス | ピッチ、上下動、脚の硬さ、関節運動 | 一部は練習・走速度・疲労で変化する |
| 体格 | 身長、四肢長、体重、下肢の質量分布 | 大部分は変えられない |
| 外的条件 | シューズ、路面、傾斜、風、気温 | 用具・コース・時間帯で調整できる |
代謝・心肺機能
走行中には、脚を動かす筋肉だけでなく、呼吸筋や心臓も酸素を消費します。持久性トレーニングによって筋の酸化能力や神経筋協調が変化し、一定速度に必要な酸素量が減る可能性があります。
一方、暑熱や脱水、疲労によって体温、換気量、心拍数が増えると、同じ速度でも生理的負担が大きくなります。異なる季節や疲労状態の測定値を単純に比べるべきではありません。
筋力・腱・弾性エネルギー
接地中には、アキレス腱や足部などの筋腱複合体へ弾性エネルギーが蓄えられ、蹴り出しで再利用されます。筋力、腱の特性、力を出すタイミングが適していれば、筋肉が能動的に行う仕事を抑えられる可能性があります。
これが、走る練習に加えて高負荷筋力トレーニングやプライオメトリックトレーニングがランニングエコノミーを改善し得る理由の一つです。ただし、どの仕組みがどれだけ関与するかは個人やトレーニング内容によって異なります。
体格と下肢の質量
体重だけでなく、質量が身体のどこにあるかも影響します。身体の中心から遠い足部に重量が加わると、脚を振るためのコストが増えます。
ただし、ランニングエコノミーを改善するために無理な減量を行うことは勧められません。利用できるエネルギーが不足すると、練習の質、回復、骨や筋の健康を損なう可能性があります。

体重ではなく、まずトレーニングの継続性と栄養状態を優先してください。
ランニングエコノミーがよい走り方とは

万人に共通する理想のフォームはない
2024年のシステマティックレビューでは、単独のバイオメカニクス指標が説明できるランニングエコノミーの個人差は、おおむね4~12%でした。先行レビューでも、すべてのランナーへ共通する単一の「最も経済的なフォーム」を示すことは難しいとされています。
同レビューでは、次の傾向が報告されています。
- 高いピッチは、よいランニングエコノミーと弱く関連した
- 小さい上下動、高い垂直・脚スティフネスは、中程度に関連した
- 接地時間、滞空時間、デューティーファクターとの関連は明確でなかった
- 特定の関節角度、機械的仕事量、筋活動には、全体として明確な関連がなかった

重要なのは、これらが主にランナー同士を比較した関連であり、「上下動を小さくすれば必ず酸素消費量が減る」と証明した結果ではないことです。
ピッチは180spmに合わせなくてよい
ピッチを上げると、一般に歩幅、膝関節の負担、ブレーキ方向の力などが変化します。しかし、ピッチ変更がパフォーマンスを改善するかについては、十分な根拠がありません。
多くのランナーは、慣れた速度で自分に合うピッチと歩幅を自然に選んでいます。全員が180spmへ合わせる必要はありません。
オーバーストライドが目立つ、特定部位の負担を調整したいなど、変更する理由がある場合は、現在のピッチから数%程度の小さな変更を試します。

呼吸が乱れる、ふくらはぎが張る、走りにくさが続く場合は、無理に維持しないでください。
フォアフット走法へ変えれば改善するとは限らない
後足部接地から前足部接地へ変えると、膝周囲から足関節・アキレス腱周囲へ負荷の配分が変わります。しかし、足部接地を前方へ変えるだけでランニングエコノミーが改善するとはいえません。
慣れない接地へ急に変えると、ふくらはぎやアキレス腱への負担が増える可能性があります。痛みがなく、現在のフォームで走れている人が、エコノミーだけを目的に接地方法を変える必要はありません。
身体を固めすぎず、自然な動きを保つ
「体幹を固める」「膝を上げる」「腕を強く振る」など、身体内部へ注意を向け続けると、余分な筋活動や緊張が増える場合があります。
訓練されたランナーを対象にした研究では、走動作や呼吸へ注意を向ける条件より、周囲へ注意を向ける条件で酸素消費量が少なくなりました。
走行中は次のような大まかな確認にとどめ、修正後は自然な走りへ戻す方法が実践しやすいでしょう。
- 肩と手の力を抜く
- 呼吸を止めない
- 腰を落としすぎない
- 足を身体より前へ投げ出しすぎない
- 疲労時に腕振りと接地音が大きく乱れていないか確認する
ランニングエコノミーを改善するトレーニング

継続的なランニングトレーニング
ランニングエコノミーを高める土台は、継続して走ることです。無理のない範囲で走行頻度と距離を積み重ねると、代謝、神経筋協調、筋腱複合体が走動作へ適応します。
初心者は、特別なドリルを増やす前に、イージーランを継続できる状態を作りましょう。走行距離を急増させてケガをすれば、長期的な改善にはつながりません。
インターバル走・テンポ走
速い速度で走る練習は、その速度での神経筋動員、呼吸循環応答、走動作へ適応する機会になります。
2025年に公表されたランダム化比較試験のシステマティックレビューでは、高強度インターバルトレーニングは中強度持続走よりランニングエコノミーを改善したと報告されています。
ただし、研究間で方法や評価速度が異なるため、「高強度だけを行えばよい」という意味ではありません。
市民ランナーは、イージーランを土台にして、週1回程度からテンポ走またはインターバル走を加える方法が実践しやすいでしょう。
例:
- テンポ走:10~20分間、ややきついが制御できる強度
- クルーズインターバル:5~8分×3~4本、短いジョギングでつなぐ
- インターバル走:2~4分×4~6本、フォームを保てる範囲で行う
設定は走歴や目標距離によって異なります。毎回限界まで追い込む必要はありません。
高負荷筋力トレーニング
2024年のシステマティックレビューでは、31研究・652人の中長距離ランナーを分析し、高負荷筋力トレーニング、プライオメトリックトレーニング、複数方法の組み合わせがランニングエコノミーを改善する可能性が示されました。
特に、1RMの80%以上を用いた高負荷トレーニングは、幅広い走速度で小さな改善を示しています。
一方、40~79%1RMの中等度負荷や等尺性トレーニング単独では、同レビューにおいて明確な改善が確認されませんでした。
取り入れやすい種目は次のとおりです。
- スクワット
- スプリットスクワット
- デッドリフトまたはルーマニアンデッドリフト
- ステップアップ
- カーフレイズ

筋力トレーニング経験がある人は、週1~2回、3~6回程度で行える高負荷を中心に組む方法があります。
ただし、初心者がいきなり80%1RM以上を扱う必要はありません。まず軽い負荷で動作を習得し、数週間かけて負荷を上げてください。
プライオメトリックトレーニング
プライオメトリックトレーニングは、短い接地で力を受け止め、素早く切り返す能力を高める方法です。筋腱複合体の働きや力発揮を改善し、ランニングエコノミーへ好影響を与える可能性があります。
初心者は次のような基礎種目から始めます。
- ポゴジャンプ
- 縄跳び
- スクワットジャンプ
- ラインホップ
- スキップ

1回に2~3種目、各2~3セット程度から始め、ジャンプの高さや回数よりも、接地の安定性と切り返しの質を優先します。
疲れて接地音が大きくなる、膝が内側へ入る、接地時間が長くなる場合は終了してください。
流し・短い坂道走
短い流しや坂道走は、長時間追い込まずに速い動作と大きな力発揮を経験できる方法です。
よくトレーニングされたランナーを対象にした6週間の研究では、高強度の坂道インターバルでランニングエコノミーが平均2.4%改善しました。
ただし、参加者数や対象者が限られるため、すべての市民ランナーに同じ効果が出るとは限りません。

イージーラン後に、平地の流しまたは緩い上り坂で10~20秒を4~6本、十分に回復しながら行う方法から始めるとよいでしょう。全力疾走ではなく、フォームを保てる速さにします。
1週間のトレーニング例
週4回走る市民ランナーの一例です。
| 曜日 | 内容 | 主な目的 |
| 月 | 休養 | 回復 |
| 火 | イージーラン+流し4~6本 | 有酸素の土台・速い動作 |
| 水 | 筋力トレーニング | 最大筋力・筋腱機能 |
| 木 | テンポ走またはインターバル走 | 目標速度への適応 |
| 金 | 休養または軽い補強 | 回復 |
| 土 | イージーラン+少量のジャンプ | 有酸素・反発利用 |
| 日 | ロング走 | 持久力・疲労下での走行維持 |

高負荷筋力トレーニングやジャンプを、重要なインターバル走・ロング走の直前へ大量に入れると、筋肉痛や疲労で走りの質が下がる場合があります。最初は種目数を少なくし、ランニングとの間隔を調整してください。
シューズはランニングエコノミーに影響する?

足部は身体の中心から遠いため、シューズ重量はランニングエコノミーへ影響します。従来の研究では、片足あたり100gの増加につき酸素消費量が約1%増える目安が示されています。

ただし、最も軽いシューズが必ず最も省エネとは限りません。クッション性、ミッドソールのエネルギーリターン、ソールの曲げ剛性、安定性なども関係します。
高反発フォームやプレート構造を備えたアドバンスド・フットウェア・テクノロジーは、従来型レーシングシューズよりランニングエコノミーを改善する傾向があります。
しかし、効果の大きさには個人差があります。
シューズを選ぶときは、次を確認してください。
- 目標ペースで走りやすいか
- 足部が靴の中でずれないか
- カーブや下りで安定するか
- ふくらはぎ、アキレス腱、足部へ痛みが出ないか
- ロング走の後半でもフォームを保てるか

数値上のエコノミーがよくても、安定性や快適性が合わず、筋疲労や痛みが増えれば、レース全体では有利にならない可能性があります。
一部の研究では、裸足やミニマリストシューズで酸素コストが小さくなる結果が示されています。しかし、重量差の影響を受けやすく、長期的な優位性は明確ではありません。
慣れない薄底シューズでは、足部・ふくらはぎ・アキレス腱への負担が変わります。
「薄いほどエコノミーがよい」と考えて、走行距離のすべてを急に変更することは避けましょう。
路面・傾斜・風・気温の影響

トレッドミルと屋外は同じではない
トレッドミルでは、路面が一定で風の抵抗もほとんどありません。屋外では、路面の硬さや凹凸、カーブ、勾配、風が加わります。同じ表示速度でも、トレッドミルと屋外の酸素コストが一致するとは限りません。
トレッドミルへ一律に1%の傾斜をつければ、すべての速度・機種で屋外と同じになるわけでもありません。改善を追うときは、同じトレッドミルと傾斜、または同じ屋外コースを使用してください。
坂道
上り坂では身体を持ち上げる仕事が増え、下り坂ではブレーキ方向の力や筋の伸張性収縮が増えます。そのため、平地のランニングエコノミーと坂道のエコノミーは分けて考える必要があります。
トレイルランナーや起伏の多い大会へ出る人は、平地の測定値だけでなく、目標レースに近い勾配での心拍数、主観的運動強度、後半のフォームも確認しましょう。
風
屋外では、進行速度と風によって決まる相対風速が空気抵抗へ影響します。2025年の風洞内トレッドミル研究では、設定された向かい風条件で酸素摂取量が無風条件より4.7%増え、前走者を模した物体の1m後方では向かい風条件より2.8%低下しました。
この数値をすべての速度や風速へ当てはめることはできませんが、向かい風では単独走より集団の後方が省エネになり得ます。風のある日の記録を、無風の日と直接比較しないことも重要です。
暑さ・寒さ
高温下では体温調節のための皮膚血流や発汗が増え、心拍数と主観的負担も上がります。
寒冷・暑熱環境を比較した研究では、暖かい条件でランニングエコノミーが低下した例がありますが、影響は気温、湿度、運動時間、暑熱順化、服装によって異なります。
季節をまたいで変化を追う場合は、気温や湿度も記録してください。
自分のランニングエコノミーを確認する方法
呼気ガス分析を受けられない場合は、次の簡易テストを定期的に行うと、走能力の変化を把握しやすくなります。
- 信号や急坂の少ない平坦なコースを決める
- 同じシューズを使用する
- 10~15分ウォーミングアップする
- 会話できる程度の一定ペースで20~30分走る
- ペース、心拍数、主観的運動強度、気温、風を記録する
- 1回の結果ではなく、3~4回の傾向を見る
評価するときは、前半と後半の心拍数の上昇、ペースの維持、呼吸、脚の疲労感も確認します。

ただし、この方法で分かるのは「同じ条件で走る負担がどう変わったか」です。VO₂max、乳酸性作業閾値、疲労耐性、体調なども含んだ結果であり、ランニングエコノミーだけを切り分けることはできません。
ランニングエコノミーを改善するときの注意点

上下動、接地時間、ピッチは観察に役立ちますが、低い・短い・高いほど必ずよいわけではありません。ペース、心拍数、主観的運動強度、痛み、レース後半の維持能力と一緒に評価してください。
インターバル走、高負荷筋力トレーニング、プライオメトリック、坂道走を同時に追加すると、改善より先に疲労や痛みが現れる可能性があります。
最初は一つだけ追加し、2~4週間かけて身体の反応を確認します。
ランニングエコノミーが改善しても、VO₂max、乳酸性作業閾値、ペース配分、糖質補給、暑熱対策、筋持久力が不足すれば、レース後半に失速する可能性があります。
数値を目的にするのではなく、目標ペースを余裕を持って維持するための一要素として活用してください。
まとめ
ランニングエコノミーは、一定速度で走るために必要な酸素量・エネルギー量です。同じ条件なら、必要量が少ないほどエコノミーがよいと考えます。
改善を目指すときは、次の順序が実践しやすいでしょう。
- イージーランを継続し、無理なく走行量を積み上げる
- テンポ走やインターバル走を少量加える
- 高負荷筋力トレーニングを段階的に取り入れる
- 基礎的なジャンプや流しで素早い力発揮を練習する
- フォームは一つの数値へ合わせず、余分な緊張を減らす
- シューズ、路面、風、気温を含めて評価する

ランニングエコノミーはフォームだけの問題ではありません。普段の走行、筋力、筋腱の働き、疲労管理、用具、環境を含めた総合的な結果です。「正しい形」を無理に作るより、継続できるトレーニングの中で、自分の速度に合った省エネな走りを育てていきましょう。
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