【こんな悩みを解決!!】
1.ランニングエコノミーってなに?
2.もっと速く走れるようになりたい
ランニングエコノミーって聞いたことはありませんか?
「同じくらいの体力のはずなのになぜかスイスイ走れる人がいる」・「SNSで速く走っている人はスイスイ楽そうに走っている」、そんな疑問を持ったことがある方も多いと思います。
その差を分ける重要な要素の1つが「ランニングエコノミー」。ランニングエコノミーを鍛えることで「同じペースでより楽に走る」ことができるようになります。
本記事では「ランニングエコノミーについて」「ランニングエコノミーの構成要素」「初心者でもランニングエコノミーを鍛える方法」について解説します。
マラソンの記録が更新出来るように、ぜひ参考にしてみて下さい。
ランニングエコノミーって?

ランニングエコノミー:「走りの燃費」
ランニングエコノミーは「どれだけ少ないエネルギーで効率よく走ることができるか」という”走りの燃費”こと。一定の速度で走った時にエネルギー消費量が少ないと”ランニングエコノミーが良い”と言えます。
マラソンのパフォーマンスは”VO2Max(最大酸素摂取量)”と”エネルギー消費量が大きく関係”してきます。
「より多くの酸素を身体に取り込み走るためのエネルギーに変換する能力:VO2Max」「少ないエネルギーで効率よく走ることが出来る能力:ランニングエコノミー」、より多くのエネルギーを生成することができ、燃費の良いランナーが速く走ることが出来るのはイメージが付きやすいはず。
興味深いのはランニングエコノミーは単なる体力や筋力だけで決まるものではなく、筋肉や腱の弾性・神経系の働き・ランニングフォームやシューズに至るまで、様々な要素が複雑に関係しています。そしてこれらは、正しいアプローチを取れば初心者でも十分に改善出来ることが、数多くの研究から明らかになっています。
ランニングエコノミーの構成要素
ランニングフォーム

【主なランニングフォームの要因】
1.無駄な上下運動が少ない
2.接地時間が短い
3.ブレーキ動作が少ない
【無駄な上下運動を抑える】

前に進むために地面を蹴り出す力は斜め上前方。上方向への力が強いとポンポン跳ねるような走りになり、着地の衝撃も強くエネルギーロスが大きくなってしまいます。蹴り出す力を出来るだけ前に進む方向へ大きくし、上方向は最小限にするのがランニングエコノミーの良い走り方です。
【接地時間が短い】

人の走りは筋肉の収縮だけでなく、腱(特にアキレス腱)のバネを使っています。
接地時間が短いと腱をゴムのようにして「素早く伸びて戻る」という力を走る推進力に活用できます。反対に接地時間が長いと前に進むためのエネルギーが「熱として逃げる」と言われています。
「短い接地時間」=「反発を上手く再利用できる」=「省エネ」ということです。
【ブレーキ動作が少ない】

足の着地位置はランニングパフォーマンスにとってもすごく重要な要素。
速く走ろうとして、足を前に出して着地をしてしまうと、着地の衝撃がブレーキとなってしまいます。また、ランニングフォームを維持するための筋肉の活動量も多くなり、エネルギーロスも非常に大きい走り方。
足の着地は身体の真下がポイントです。
腱の弾性

腱=エネルギーを再利用するバネ
腱のバネはエネルギーをほぼ使わないため、速く楽に走ることができるランナーほど腱を上手く活用しています。速いランナーは腱に適度な硬さがあり、エネルギーを効率よく推進力に変えることができます。腱の柔らかいランナーはエネルギーが逃げやすく、反発が弱いため燃費の悪い走りになってしまいます。
参考文献
1.Jared R Fletcher et al.(2017):Running Economy from a Muscle Energetics Perspective
2.Philo U Saunders et al.(2004)Factors affecting running economy in trained distance runners
神経系の働き(動きの上手さ)
燃費の良い走りには筋肉を効率よく使うことがポイント!
筋肉を効率よく使うポイントは、「必要な筋肉だけ使う」・「収縮のタイミングが良い」・「無駄な力みが少ない」。余計な力を抜き、楽に走ることが出来る筋肉の使い方を覚える必要があります。
ジャンプなどのトレーニングを行うことで、「必要な筋肉だけ使う」・「タイミングが最適化」されランニングエコノミーが改善されると言われています。
体重・体組成

効率よく走るには軽さは大切!特に、走るための推進力を生み出さない脂肪は少ないに越したことはありません。
筋肉が落ちるのを最小限にし、余計な脂肪をできるだけ落とすには、ジョグ(イージーラン)・筋トレを取り入れることがポイント。ジョグと筋トレで走りに特化した身体作りをしてみてはいかがでしょうか?
ランニングシューズ

ランニングシューズは身に付けるランニングアイテムの中でランニングエコノミーに非常に大きく影響します。
「カーボンプレート」+「高反発フォーム」は着地の衝撃を次の推進力に変える割合が大きく、楽に速く走ることができます。普段のジョグ用の他に、スピード練習(テンポ走・閾値走・インターバル走・レぺテンショントレーニングなど)やレース用としてカーボンプレート入りのランニングシューズを購入することをオススメします。
細部までパフォーマンスにこだわりたいのであれば必須です!
【執筆者使用の初心者にもおすすめカーボンプレート入りシューズ】

カーボンプレートによる反発だけでなく、軽量性+グリップ力による安定感で非常に扱いやすいシューズです。
初心者でもランニングエコノミーを鍛える方法
ウィンドスプリント

ウィンドスプリントは”少ない力で速く走る動き”を身体に覚えさせることで、ランニングエコノミーを改善します。
【ウィンドスプリントのやり方】
・全身の力みをとった状態で、8~9割のスピード走る
・50~100m×5~10セット
【神経筋の効率化】
・必要な筋肉だけ使うようになる
・筋活動のタイミングが最適化される
➝同じスピードでも使うエネルギーが減る
【接地時間の短縮】
・接地時間が短くなることで反発を使う動きになる
【ランニングフォームの最適化】
速い動きの中で自然とランニングフォームが最適化します。
・接地が身体の真下に近づく
・上下の動きが減る
・推進方向への力が増える
ランニングエコノミーを高める筋トレ:厳選4種
【スクワット】

【スクワットのやり方】
・10~15回×2~3セット
・ゆっくり下ろす(2~3秒)
【スクワットの効果】
・股関節と膝関節の伸展力UP➝地面の反発力を前に伝えやすくなる
【ブルガリアンスクワット】

【ブルガリアンスクワットのやり方】
・片脚で10回×2セット
・ゆっくり下ろす
【ブルガリアンスクワットの効果】
・片足支持の安定性
・左右差の改善
【ダイアゴナル】

【ダイアゴナルのやり方】
・交差上に片手と片足をついた状態で他方の手・足が床と平行になるように伸ばす
・30~60秒×左右2セット
【ダイアゴナルの効果】
・体幹の安定でエネルギーロス軽減
【カーフレイズ】

【カーフレイズのやり方】
・かかとをゆっくり上げて止めるを15~20回×2~3セット
【カーフレイズの効果】
・アキレス腱の強化➝接地~蹴り出しの効率UP(バネ性能UP)
【おすすめ筋トレの取り入れ方】
ジョグ後 or 別日
筋トレは強度の高い無酸素運動。スピード練習後の糖質エネルギーを使い果たしている時や疲労が蓄積している時はNGです。
プライオメトリクス運動

ジャンプ運動でアキレス腱を鍛えることでバネ性能がアップしランニングエコノミーが向上します。
まずは、その場でジャンプを10回×2~3セット、慣れてきたら「接地時間を短くする」・「片足でジャンプする」というように
徐々に負荷を高めることでランニングエコノミーを高めていきましょう!
ランニングエコノミー改善ドリル

【Aスキップ】
Aスキップは接地位置を改善させ、身体の真下に着地する感覚が身に付きます。接地位置が改善することで、ランニング中のブレーキが減り、前への力がスムーズに伝わります。
Aスキップは「ももを上げ過ぎない」・「着地は身体の真下にする」・「リラックスして全身を連動させリズムよくする」ことを意識することがポイント。

【バウンディング】
バウンディングは「大きく前に飛び、推進力と腱の反発を高めるドリル」です。
やり方:大きく前方に向かってジャンプするように進む
効果:「推進力の向上」・「接地時間の短縮」・「腱のバネ性能強化」
ポイント:「姿勢は真っすぐ」・「遠くへ大きく飛ぶイメージ」・「接地は素早く」・「リラックスして力み過ぎない」
【アンクリング】
アンクリングは「足を小刻みに動かし、素早い接地とピッチを高めるドリル」です。
やり方:前進しながら、つま先を素早く上下に動かし小刻みにステップする
効果:「接地時間の短縮」・「ピッチの向上」「足首の剛性と反応の向上」
ポイント:「体幹は前傾姿勢でリラックスした姿勢」「足首を小刻みに素早く動かす」「接地はつま先で軽く弾むように」「大きく跳ねずテンポよくリズミカルに」
ロング走

【無駄な筋活動が削られる】
長く走っていると身体は自然に「余計な筋肉を使わない」「必要最小限の力で働く」というように適応します。自然と上下運動も少なくなり、リズムが安定し効率の良いフォームだけが残ります。
その結果、酸素消費が減りランニングエコノミーが向上します。
【腱の利用効率のアップ】
長時間の反復で「腱の弾性を利用した走り」に変化していきます。その結果、「バネで推進力を生み出す割合」が増え、ランニングエコノミーが向上します。
まとめ
本記事ではランニングエコノミーについて解説してきました。
【ランニングエコノミーの構成要素】
1.ランニングフォーム:無駄な動きが減りエネルギーロスが減る
2.腱の弾性:腱の反発で推進力を得るようになる
3.神経系の最適化:必要な筋肉を必要なタイミングだけ使う
4.体重・体組成:余計な脂肪を落とす
5.ランニングシューズ:反発性のあるシューズを使用する
【初心者でもランニングエコノミーを鍛える方法と効果】
1.ウィンドスプリント:神経の最適化・ランニングフォームの最適化・腱のバネ性能UP
2.筋トレ:ランニングフォームの最適化・ランニングフォームの最適化・腱のバネ性能UP
3.プライオメトリクス運動:神経の最適化・腱のバネ性能UP
4.ドリル:神経の最適化・ランニングフォームの最適化・腱のバネ性能UP
5.ロング走:神経の最適化・ランニングフォームの最適化
ランニングエコノミーを鍛えることで”燃費の良い走り”になり、スイスイ楽に走れるようになります。鍛えていくうちに、自分自身が「同じくらいの体力のはずなのになぜかスイスイ走れる人がいる」と思われるランナーになるでしょう。
ランニングエコノミーを鍛えるトレーニングを取り入れて記録更新を狙いましょう!!

風を切るランニング 
