【マラソントレーニング】ビルドアップ走の効果と目的・ペース設定方法

【こんな悩みを解決!!】

1.ビルドアップ走の目的と理論が知りたい

2.ビルドアップ走のやり方を教えて欲しい

マラソントレーニングの1つビルドアップ走。

本格的にマラソントレーニングを積んでいく段階で耳にするトレーニングの1つですが、どういう効果があるのかと疑問に思っている方もいらっしゃると思います。

ビルドアップ走は比較的取り組みやすいトレーニング。しかし、トレーニング目的と理論を理解し適切に行わないと狙った効果が得られない、難しいトレーニングでもあります。

そんなビルドアップ走について本記事では「ビルドアップ走とは」「ビルドアップ走の目的と理論」「ビルドアップ走のペース設定から取り入れ方」について解説します。

効果的なビルドアップ走を取り入れてパフォーマンスが向上出来るように参考にしてみて下さい。

マラソントレーニングのビルドアップ走とは

ビルドアップ走:「段階的に徐々にペースを上げていくマラソントレーニング」

走り始めは余裕のあるペースからスタートし、後半に向けてペースが段階的に上がってくるため後半はきつさを感じてきます。後半に向かってペースが段階的に上がってくるため、レース終盤でもペースを落とさないことを目的としたトレーニングではビルドアップ走を練習に取り入れることが有効です。

ビルドアップ走のペースや取り入れ方は自分が狙っているトレーニング効果によって異なるため、目的によってアレンジします。

ビルドアップ走の目的

目的:ペースコントロール能力向上

ビルドアップ走は余裕のあるペースからスタートし段階的にペースを上げていくトレーニングです。そのため、最初は抑えて後半にペースを上げていくペースコントロール能力が身に付きます。

最初を抑えて後半にペースを上げることで「オーバーペースを防ぐ感覚」「体感と実際のペースのズレ修正能力」が身に付き、マラソンの雰囲気にのまれて「前半突っ込み➝後半失速」を防ぐことができます。

レース本番で雰囲気にのまれてオーバーペースで走ってしまう人はビルドアップ走がオススメです

目的:LT(乳酸閾値)の向上

ビルドアップ走の目的をLT向上としている場合、走るペースの後半はLT付近~やや上の強度に入ります。

後半は乳酸が生じるペースで走るため、「乳酸を処理しながら走る能力」「LTスピードの向上」が期待できます。

その結果、「速いスピードの維持能力」・「マラソンペースが楽に感じる」ようになります。走るペース設定が難しい閾値走ですが、ビルドアップ走を取り入れることで自然と閾値走ペースで走ることになります。

目的:有酸素+無酸素のハイブリット刺激

最終的にLT付近までペースを上げるビルドアップ走は「前半抑えて走るため脂質代謝能力を向上」「後半はペースを上げるため心肺機能の向上」効果が期待できます。

➝ミトコンドリア活性

➝毛細血管の密度向上

➝心肺機能に刺激(酸素運搬能力向上)

VO2Maxを鍛えるために必要なものを全て鍛えることが出来ます。

目的:ネガティブスプリット能力の獲得

後半にペースを上げることで「疲労状態でのランニングフォーム維持」「神経系の動員(速い動き)」が鍛えられます。

ランニングフォームがランニングスピードを決めるといっても過言ではありません。速さを保つためのランニングフォームを最後まで維持する能力が鍛えられます。

これがレース後半での「粘り」に直結します。

ビルドアップ走の理論

グリコーゲン温存戦略

前半を抑えて後半にペースを上げる走り方は「脂質利用を促進」「糖質エネルギーを温存」することで後半にエネルギーを残して走るペースを維持することに繋がります。

後半にエネルギーを残せるためフルマラソンの「30kmの壁」の対策となり、30km以降もペースを維持しやすくなります。

乳酸動態の最適化

徐々に負荷を上げていくことで「急激な乳酸蓄積を防ぎ、乳酸の産生と除去のバランスが保たれる」ようになります。そのため、いきなり速いペースで走るインターバル走よりも高い心拍数を維持しやすくなり、長い時間心肺に刺激が入り効率よく心肺機能を鍛えることができます。

筋線維の段階的動員

筋肉は”遅筋線維”“速筋線維”に分かれています。前半はペースを抑えているため”遅筋線維”を優位に働かせてペースを維持し、後半は”速筋線維”も動員することで終盤のペースを維持することに繋がります。

これがマラソン終盤での「総動員状態」に近い刺激が入り、マラソン終盤でもペースを維持出来るようになります。

中枢神経の適応

長い時間走っていると筋肉だけでなく、神経も疲労してきます。徐々に出力が落ちてきて動員できる筋肉に限界がきてしまいます。しかし、ビルドアップ走は疲労下でもペースを上げることで「脳の出力制限」を押し上げる、ラストスパート耐性がつきます。

目的別:ビルドアップ走のペース設定

自身の走るペースを具体的な数値として示してくれるアプリとして「VDOT Calculator」というものがあります。VDOTは自己ベストのタイムを打ち込むことで自身の走るペースとトレーニング強度を示してくれる優秀なアプリです。

※Mi=マイルであり、日本人ならkmを参照して下さい。

自己ベストは10キロ走としていますが、フルマラソン・ハーフマラソン・15キロ・10キロ・1500mなど数多くの中から選択し、記録を打ち込むことで適切なペースを示してくれます。しかし、Vdot Calculatorで自己ベストを入力する際は、ハーフマラソンのタイムを使用することを推奨されているようです。

自身の走る能力に対して適切なペースが出ますので、これから紹介するビルドアップ走のペース設定の参考にしてみて下さい。

基礎持久力・脂質代謝目的

前半:”イージー”

中盤:”イージー”~”マラソンの間”

後半:”マラソン未満”

1~4km:イージー

5~8km:イージー+少し速い

9~10km:マラソン手前

👉「気持ちよく終わる」が正解

【目的】

・脂質代謝能力向上

・ケガの予防

マラソン特化

前半:”イージー”~”マラソン”の間

中盤:マラソン

終盤:”マラソン”ー”5~10秒/km”

1~4km-5:10/km

5~8km-5:00/km

9~12km-4:50/km

【目的】

・レース後半の失速防止

・フルマラソンのペース耐性向上

・エネルギー配分の習得

LT(乳酸閾値)向上

前半:イージー

中盤:マラソン

後半:閾値ペース

1~3km:イージー

4~7km:マラソン

8~10km:閾値走

👉後半は「ギリ持続出来る強度」

【目的】

・乳酸閾値の引き上げ

・マラソンペースを楽にする

レース後半対策

前半:かなり抑える

中盤:マラソンペース

後半:マラソンより速いペース(しっかり上げる)

1~5km:イージー

6~10km:マラソン

11~15km:”マラソンペース”-10~15秒/km

【目的】

・疲労下でのペースアップ能力

・ネガティブスプリット習得

ビルドアップ走設定のよくある失敗

ビルドアップ走の取り入れ方

ビルドアップ走以外にイージーラン閾値走インターバル走・ドリルなど他のトレーニングも非常に重要他のトレーニングとの兼ね合いなどを踏まえてビルドアップ走はやり過ぎはNGです。また、最終的にLT(乳酸閾値)付近まで強度を上げるトレーニングは負荷が高いため、やりすぎると疲労が抜けず逆効果です。

トレーニングの兼ね合い・トレーニング負荷から週1回を基本としましょう!!

ビルドアップ走は身体に負荷がかかる「質の高いトレーニング」です。そのため、インターバル・ロング走など負荷がかかるトレーニングの前後は最低でも48時間は空けることが基本です!

ビルドアップ走は身体の負担が大きいため、行う場合は疲労が少ない日にしましょう!フレッシュな状態で行うことでペースコントロールとLT刺激の質が上がります。

ビルドアップ走の取り入れ方具体例

バランス王道パターン

休養 or 軽いジョグ
ジョグ+流し
ビルドアップ走
リカバリージョグ
休養 or 軽め
ジョグ or 軽い刺激
ロング走

一番再現性が高い配置にしています!

スピードを伸ばしたい人

休養
インターバル走
リカバリー
ビルドアップ走
軽め
ジョグ
ロング走

「スピード×持久力」の両立!!

忙しい人向け

休養 or 軽めのジョグ
ビルドアップ走 or 軽めのジョグ
ビルドアップ走 or 軽めのジョグ
休養 or 軽めのジョグ
休養 or 軽めのジョグ
ロング走 or ジョグ
ロング走 or ジョグ

少ない回数でも効果を出す配置にしています!

レース期の入れ方(仕上げ)

レース4~6週前:ビルドアップ走で「後半に上げる感覚」を強化

レース2週前以降:距離短縮 or ペースを抑える

👉疲労を抜きつつ感覚を維持

まとめ

本記事ではビルドアップ走についてお伝えしてきました。ビルドアップ走とは「段階的に徐々にペースを上げていくマラソントレーニング」のことです。

1.ペースコントロール能力が身につき、レース本番で雰囲気にのまれて前半に突っ込んでしまうことを防ぐ

2.LTを上げてスピードを上げる

3.有酸素と無酸素の両方に刺激を入れてVO2Maxを上げる

4.アスリートが採用しているネガティブスプリットが身につく

1.グリコーゲンを温存する走り方が身につき後半でペースを落とさず走ることができる

2.神経系にアプローチして後半に筋肉を総動員する身体を作る

1.ビルドアップ走は負荷が高いトレーニングなので週1回が基本

2.インターバル走・テンポ走などのポイント練習とは最低でも48時間空ける

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【レビューの傾向】

:どのレベルのランナーにもオススメ

ランニング歴は浅いですがランニングに向き合おうと思い購入しました。 ビギナーには向いていないかと思いましたが、そんなことはなく どのレベルでも参考になり、とてもいい本です。

:ランニングを戦略的に捉えることができました

これまでのランニングに対する認識や視座が一段も二段も高くなった感じ。この本をきっかけに、ランニングのあり方などを戦略的に捉えるきっかけになりました。

:記録を伸ばしたい人にはおすすめ

私はランニング初心者なので、まだこの本のレベルには達していないと思いました。
記録を伸ばしたいとか考えている中級者以上の方には参考になる沢山の練習プログラムがあります。

ランニングの目的や具体的なトレーニング方法について体系的に記述しており、効果的なトレーニングがレベル毎に体系化されていると評価されています。ウォーミングアップの種類や精神面・戦略、暑熱環境下のことや水分補給、5km〜15kmのためのEペースなど、様々な距離や競技別の応用が可能だと好評です。


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【レビューの傾向】

:ランニングのイメージが変わります

ランニングはきついとかのハードルが高いイメージがあると思います。しかしこれを読むとランニングのハードルが下がると思います。そんなきつくやらなくていいんだなとなります。
あとは健康に良い点もかかれているので、健康を気にしている方は一読を。

:オススメです

今まで読んだランニングの本で最もわかりやすかったです。医学的にも納得できました。

:参考にはなる

科学的にトレーニングを行うために参考になります。前足部接地は私には合いませんでした(下手なだけかもしれませんが、ふくらはぎ痛めました)

ランニング初心者にもわかりやすい説明があり、論理的で理解しやすいという意見もあります。 継続性については、楽しく長く走り続けられる点や、疲れず辛くない継続性が好評です。